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葛藤 ルーフェイア・シリーズ04  作者: こっこ
Chapter:01 誤解
3/32

Episode:03

◇Nattiess

 答案用紙返してもらって、授業サボった教官が出てって、そのあと遊んでチャイムがなって。

 これで午前中はおしまい。シーモアとあたし、それにクラスのほかの女子、みんなで食堂に行く事に。


 しかも廊下へ出たら、いろいろいっしょにやる事が多いBクラスの女子と会って、なんだか大所帯になっちゃったり。

 みんなでわいわい、おしゃべりしながら歩いてく。


「ねぇ、シーモア、何点だったの?」

「94。ナティエス、あんたこそ何点だったのさ」


 あたしのいちばんの親友のシーモアって、けっこう美人。炎の色みたいな綺麗な赤毛を、肩くらいで切りそろえてるの。瞳ははっきりした翠。

 あたしなんてふつうのブラウンの髪と瞳だから、すっごくうらやましい。

 で、いつもちょっとぞんざいな喋り方する。でもそれがまた、カッコいいんだよね。


 けど今日は、いまいち不機嫌な感じ。

 理由ははっきりしてる。

 じつは夏休み中、うちのクラスに新入生が入った。でもこれ、すっごく珍しい話。だってここ、本校のAクラスなんだもの。


 本校ってば分校からの選抜組みばっかりだから、年度途中の入学とか、ふつうはゼッタイなし。次の春までどっかの分校にいて、試験受けて、それでやっと入れるとこ。

 もちろん、あたしたちもやったし。


 なのにあの子ったら、そういう常識ぜーんぶ無視して、年度途中でAクラス。

 ただルーフェイアっていう新入生、めちゃめちゃデキる子だったのもホント。あの首席のイマドと平気で学科で張り合ってるし、なんか技能なんてもっと上みたい。


 で、いままで次席だったシーモアったら、とうぜん首席争いから転落しちゃったわけで。

 けど、そーゆー理由で怒ってるの、責める気になんない。だってあのルーフェイアって子――性格良くないんだもの。

 さっきだってイマドたちと話してたし、今はいっしょに食堂へ行ったみたいだし。


 どうもあの子ったら自分が可愛いの承知してるみたいで、男子とばっかり仲良くしてて、すっごいヤな感じ。媚びてるみたい

 そのくせあたしたちが話しかけても、黙ってばっかり。ちょっと付きあおうって気さえないの。


 しかも、どっかのお嬢さまだってウワサ。だから持ち物なんか、一流品ばっかり。ときどき実地訓練の時に持ち出してくる太刀なんて、あたしたしが見ても分かるくらいのモノだったりする。


 こっちはみんな親ナシとかで、そんなもの絶対手に入らないの、分かってるの?

 だから最初はみんなで気を使ってあげてたけど、最近はもうこっちから話しかけたりしなくなってる。


「あの子さ、なんで学院なんかに来たんだろうね? ここってどっかのお嬢さんが来るとこじゃ、ないじゃない?」

「そうだよね。そういうのなら、ちゃんと本土に専用の、お嬢さんMeSあるんだし」


 どう考えたって、シエラの本校ってドレス着て踊るとこじゃない。バトル教えるところだもの。

 そりゃ確かに彼女強いみたいだけど、でもバトル屋っていう雰囲気じゃないし。



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