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葛藤 ルーフェイア・シリーズ04  作者: こっこ
Chapter:03 転機
26/32

Episode:26

「なんでいきなりそうなるんだ!」

「だって。あのおねえちゃんといると、たのしそうだもん。コイビトでしょ?」

 とんでもないガキだ。

「だから、別にそういうワケじゃなくてな……」

「うそだー」


 きゃっきゃっと騒ぎながら、空になった皿を持ってリティーナが駆けてく。

 そのリティーナが、窓の外を見ながら立ち止まった。

「あ、きれいなおねえちゃんだ」

「え?」

 コイツがそう呼ぶのは、ルーフェイアだけだ。


「どこだ?」

「ほら、あそこー!」

 ちいさな手で指差すほうを見ると、たしかにあの金髪姿があった。思ってた時間より、だいぶ早い。

 どっちにしてもこれから、シーモアのヤツと会う可能性が高かった。


「リティーナ悪りぃ、アーマルとヴィオレイ来たら、俺がルーフェイアのとこ行ったってくれ」

「ルーフェイア……?」

「『きれいなおねえちゃん』のことだ」

「あ、うん、わかった!」

 リティーナに伝言頼んで、部屋を飛び出す。


 たしか奥のほうへ行ったから、考えられる場所ってぇと……。

 だいたいの見当つけて向かうと、ナティエスの姿が視界に飛び込んできた。

 けど、ルーフェイアとシーモアはいない。校舎から出てくる間に、どっか移動されちまったっぽい。


「おい、ナティエス! ルーフェイアとシーモアどこだ」

「あれ、イマド?」

 危機感ゼロの表情だ。

「どこだって訊いてんだよ」

「それ、あたしもよく訊いてなくて。でも、たしか“秘密の場所”って」

 その一言で場所が分かった。


「あそこ行ったのか。ナティエス、行くぞ」

「はーい、ミルちゃんも行きまーす」

 予想もしなかった声がとつぜん聞こえて、頭っから冷水ぶっ掛けられた気分になる。

「ミル……てめぇどっから湧いた」

「んー、どこだろー?」

 会話が成り立たねぇし。


「あれ、行かないのー?」

「おまえも来んのかよ……」

「うん♪」

 行く場所はもともと安全とはいえねぇけど、最悪の場所にランクアップした気がしてくる。


「てかさ、二人とも、準備だいじょぶー? なんか危険な魔獣が来ちゃったからって、訓練施設ってば閉鎖だよ?

 そこ行くんだから、用意はちゃんとしないとねー」

 ミルがすげー楽しそうに、さらっと言った物騒な話に、思わずナティエスと顔を見合わせる。


「ナティエス、おまえ、武器ちゃんとあるな?」

「うん。イマドも平気?」

「ああ」

 互いにうなずいてから俺ら二人+一人、その“秘密の場所”へ続く道へ、足を踏み入れた。



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