表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
葛藤 ルーフェイア・シリーズ04  作者: こっこ
Chapter:03 転機
23/32

Episode:23

◇Imad

 クラスの雰囲気はかなり変わった。

 恐れをなしたんだろう、女子どもはルーフェイアに悪さすんのをピタっとやめてる。

 細かいこと言うならこれもヤベぇんだろうけど、とりあえずいろいろ言われなくなっただけ、ルーフェイアの顔色も良くなってた。


 あとすげぇのが、ミルだ。あの独特のノリでルーフェイアのヤツにまとわりついて、完璧な防波堤と化してる。学内のブラックリストにゃ片っ端から載ってるような、とんでもねぇ災厄娘だけど、今回ばっかは感心するっきゃなかった。

 男子のほうは、だいたい元通りだ。俺ら仲介にする格好で、ルーフェイアはそれなりにやれてる。


 いちばん気になるシーモアのやつは、だんまりだった。あれ以来クラスの女子と微妙に距離が出来てんのもあってか、目立った動きはゼロだ。ただ諦めたとか納得したふうじゃねぇから、まだひと悶着ありそうな気がする。

 ただとりあえずは、平穏ってとこだろう。


「ルーちゃん、つぎは教室移動だよ。ここで用意しちゃダメだよ」

「え? あ!」

 ヴィオレイのまとわりつき、かなり激しい。けどルーフェイアは、誰かが面倒みねぇとどうもダメだから、あんま問題になってなかった。


「あれ、えっと……あと何……?」

 それにしたってコイツ、バトルだとあんな冴えてんのに、ふだんの生活はボケ過ぎだ。

「工具だ工具、キット取って来い」

 慌ててルーフェイアのヤツが、教室の後ろへ向かう。


 途中で女子どもの脇を通ったけど、どうってことなかった。すんなり奥まで行って戻ってくる。

――けど。

 通りすがり、シーモアのところで一瞬、ルーフェイアが立ち止まる。


「なんか言われたのか?」

「ううん」

 気になって、戻ってきたコイツに訊いてみたけど、答えはNOだった。どう見てもなんか言われてきたっぽいのに、それ言わないってのは、要するになんかヤバいんだろう。


「ならいいけどな。行くぞ」

「うん」

 知らん顔して立ち上がる。

 こいつ、こういうことは頑として言わない。迷惑かけるのがイヤとかなんとかで、なんだって自分でどうにかしようとしやがる。

 でも、ともかくなんか起こるのは間違いなさげだから、気をつけながら様子見ってセンだろう。


――アーマルとヴィオレイにも言っとくか。

 あるとしたら、授業終わってからってのは確実だ。さすがのシーモアのヤツも、授業中にやらかすほど、ムチャクチャじゃねぇし。

 だったら念のためでも、手が多いほうがいいだろう。

 授業だのの合間狙って、あの二人に伝える。


「それってさ、なんかする気満々ってことじゃ?」

「でもよ、アイツ罠とかキライじゃん」

「シーモアのことだから、サシで勝負じゃねぇか? あいつ性格、直球だかんな」

「あー、それアリかもな」

 そんな話してたら、教官に呼ばれてたルーフェイアのヤツが戻ってきた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ