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葛藤 ルーフェイア・シリーズ04  作者: こっこ
Chapter:01 誤解
2/32

Episode:02

 実技のテストは学期の最後だけだから、こいつらルーフェイアの実力はまだ知らない。けどルアノンでの火事騒ぎだのなんだの見たら、ぜったいおんなじこと思うだろうし。


「ルーちゃんって、そんなすごいのか……」

「オマエが最初っから諦めるとか、ハンパねーな」


 教室の後ろのほうを見っと、当のルーフェイアはひとりで、けどけっこう楽しそうだ。

 もっともアイツのことだから、満点――配られたコピー見りゃ一目瞭然――が楽しいとかじゃなくて、学院生活自体がおもしれぇんだろう。


 と、気配を感じたらしくて、こっちへ振り向いた。

 視線が合う。

 ちょっと首をかしげたルーフェイアに軽く手を振ってみせると、嬉しそうにこっちへ来た。


「ルーちゃん、満点すごいね! おめでとう!」

「え? あ、ありがとう……」

 ヴィオレイのヤツ、すっかりルーフェイアの太鼓持ちだ。


「でも、どうして……知ってるの?」

 コイツの天然ボケも、治る気配ねーし。

「おまえなぁ、たったいま自分の答案配られたってのに、もう忘れたのか?」

「あ! やだ、どうしよう……」

 今ごろ困るなと。


「だいじょうぶだいじょうぶ、満点なんだから問題ないよ」

「そう……なの?」

 なんか丸め込まれてやがるし。


「そうそう、こいつみたいに点が悪いとかじゃないから、ぜんぜん平気だよ」

「どーせオレは頭ワルいよ、悪かったな!」

 アーマルのヤツがヘソ曲げて、その隣でなぜかルーフェイアが脈絡もなく謝りはじめて。

 どーしようもねぇほど、いつものしょうもないやり取り。


 けどそのとき、なんか視線を感じた。

 不思議に思って、さりげなく辺りを見まわす。

――なんだ?


 女子どもが、敵意むき出しの瞳で、こっち見てやがる。

 視線の先は……ルーフェイアだ。

 こいつが満点取ったから、反感でも買っちまったのか。それともほかの理由か。

 イマイチよく分かんねぇけど、なんかヤな感じがした。



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