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葛藤 ルーフェイア・シリーズ04  作者: こっこ
Chapter:02 苦悩
16/32

Episode:16

◇Natiess

 あのお嬢さん、思ってたほどヤワじゃなかったみたい。まだ授業とか、ふつうに来てる。

「もっと早く、ネ上げると思ったんだけど」

「イマドがいるからじゃない?」

 休み時間に、みんなでいつものおしゃべり。


「あの子って案外、あれで隙がないしね」

「あー、それたしかにそうかも」

 ルーフェイアって子、意外だけどすっごい用心深い。前に誰かが持ち物隠そうとしたけど、防御結界張ってあって手が出なかったって言ってた。

 そばを通るときに、転ばせようとかする子もけっこういるんだけど、一人も成功してないし。


「なんだろね、あの子。いわゆるお嬢様とは、ちょっと違うっぽいよね」

「そりゃまぁ、曲がりなりにもシエラの本校で、Aクラスになるくらいだし……」

 あの子、思ってたよりずっと頭良かった。理系はちょっと苦手っぽいけど、それだって十分トップクラス。得意な科目とか、まるで辞書か教科書だし。

「とゆかさ、あの実技、お嬢様にしちゃおかしくない?」

「うん……」


 みんなが顔を見合わせる。

 ルーフェイアって頭もたしかにいいんだけど、それ以上に実技がすごいの、だんだん分かってきた。

 それも剣技とかだけじゃなくて、待ち伏せとかかく乱とか、そういう実戦系まで強くて。けどこんなの、習えるもんじゃない。


「どっか、ほかのMeSにいたとか」

「あ、それはアリかも」

「でもそれでも、やっぱりおかしいよ」


 他のMeSからの転校は、ときどきある話。理由はいろいろで、もっと箔を付けたいなんてこともあるし、ふつうのMeSじゃレベルが低すぎて話にならないから、なんてこともあるし。

 ただそうだとしても、こういう実技も含めていちばんカリキュラムの進度が早いのが、このシエラ本校だったり。

 そこでついていくどころか、余裕でこなしちゃうとか、ちょっとあり得ない。


「なんだろね……」

 みんなで頭ひねってみるけど、答えなんてわかんなかった。

「でも、あの持ち物とか、お嬢様だよね」

「だよねぇ」

「どっちしたって、図々しすぎだし」


 けっきょくここへ話は戻ったり。

 そこへとつぜん、きゃらきゃらした声が割って入った。


「ねー、ホントにまだみんな、こんなコト続けんの?」

 視線がいっせいに集まる。

「こういうの、本校に入れないおバカさんが、やるんだと思ってた〜」


 オレンジがかったふわふわの髪に、薄い水色の瞳。ルーフェイアほどじゃないけど、でもかなり小柄。けど見かけに反して、言うことやること何でも強烈。

 ミルだった。


「あんた、何が言いたいんだい」

「べっつにー」

 図太いのか鈍いのか、シーモアの鋭い視線にもぜんぜん平気。

「たださ、頭の良し悪しと、やる内容って関係ないんだなーって。ちょっと感心しちゃった」

「――!」


 周り中が殺気立つなか、それでもミルったらけろっとしてるし。

「でもさぁ、こーゆーのって、シーモアらしくないよねー。めっずらしー。

 あ、もしかしてアレ? イマドがルーフェイアと、仲良しなっちゃったから?」



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