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葛藤 ルーフェイア・シリーズ04  作者: こっこ
Chapter:02 苦悩
14/32

Episode:14

「一休みしようぜ」

「うん」

 勉強道具を放り出して、おもいっきし伸びをする。

――あれ?

 ルーフェイアの頭越し、入り口の扉のほうで、アーマルとヴィオレイのヤツが手招きしてた。

 こっち来りゃ早えぇのに、そうもいかないらしい。


「悪りぃ、ちっと席外すわ」

「あ、うん」

 ルーフェイアのヤツをあとに残して、悪友たちの方へ行く。

「なんだよ?」

「いや、そのさ……」

 どっちも歯切れが悪い。言いよどんだままダンマリだ。


「用がねぇなら、帰っぞ?」

「待てってば」

 もっかい顔を見合わせてから、ヴィオレイのほうが口を開く。

「――おまえさ、ルーちゃんとあんまりいっしょにいると、やばいと思うんだよ」

 思わず吹き出した。

 ある程度予想してたけど、ここまでパターンどおりだとバカすぎて笑うしかない。


「おい、笑い事じゃないぜ? 女子の連中、メチャクチャ言ってるぞ」

「俺がルーフェイアと寝たとでも?」

 悪友二人が石化する。

「い、いや、そこまでは……」

 もうちっとなんか言われっかと思ったけど、意外と女子は気が小さいらしい。


「だったら別に、どうってことねえだろ。ほかにねぇなら、俺戻るわ」

「おい、ちょっと待てよ」

 こいつらが呼びとめた。

「なんだよ?」

「……あのさ、おまえどうして、そんなにアイツの味方すんだ?」

「いや、それはルーちゃんが可愛いから」

 よく分からない茶々を入れた、ヴィオレイのヤツを殴りつけながら、ちっと考える。

 こいつら口が堅いし、話が分かれば味方になるかもしんない。


「誰にも言わないって、約束できっか?」

「へ? まぁ、おまえがそこまで言うなら、約束するぜ。なぁ?」

「当たり前じゃないか」

 なんかひとり微妙にズレてる気がすっけど、ともかくこいつらが同意した。

 で、一呼吸置いて。


「あいつ、戦場育ちなんだよ」

「戦場? 戦争孤児ってやつか?」

 さすがに予想の範囲超えてたらしくて、こいつらが的を外したことを返す。

「そんなカワイイもんじゃねぇって。

――あいつ少年兵あがりで、ここ来るまえは最前線にいたんだよ」

 二人が呆然とする。



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