26 シパちゃんとお風呂
と言う訳で、今日はシパちゃんと二人っきりでお風呂に入ります。
お風呂自体にはアロも入る必要があるのだけど、アロは後で入るようだ。
僕がウンチでくさいからだろう。
直接的にはアロを守ってこうなったのに。
まあ全然いいんだけどね。
そんなことより、そのために今日はシパちゃんと二人だけなのだ!
なんだかとても緊張してしまいます。ハァハァします!
みんなでお風呂に入るのも女の子に囲まれてすごく興奮してしまうけど、二人きりというのもこれはこれですごくドキドキしてしまいます。
シパちゃんはアロと違って恥ずかしがり屋さんだから、恥ずかしがっている姿もすっごく可愛いし!
でもシパちゃん、頑張って無理とかしてないのかな?
気持ちは嬉しいけどシパちゃんに無理はさせたくない。
「シパちゃん、僕は気持ちだけでも全然嬉しいから。無理してここまでしてくれなくても――」
「やらせてください!」
予想外に強い口調で反撃された。
シパちゃんは芯のしっかりした娘なのだ。
「お願いです。私、どうやって印世さんにお礼したらいいか分からないけど、でも、こんな小さなことでも私にできることがあるならしたいんです! だから、印世さんの体は私に洗わせて下さい! お願いします!」
シパちゃんに懇願されてしまっては僕に断ることなどできはしない。
いや、そもそも断る理由がまったくない!
シパちゃんに体を洗ってもらえるなんてご褒美以外の何物でもないですからね。
そうして、僕はシパちゃんと一緒に脱衣場で服を脱ぐ。
シパちゃんのパンツも可愛いな。
ブラも可愛い。
シパちゃんは年齢的にはトキナさんと同じくらいに見えるけど、胸はシパちゃんの方が大きい。
その胸がブラから外にあふれると、シパちゃんは僕の方を見て少し恥ずかしそうにしていた。
「そんなに見られるとちょっと恥ずかしいです。あ、でももし印世さんが見たいのでしたら、私ので良ければ好きなだけ見て下さい! 印世さんに喜んでもらえたら私もすごく嬉しいですから」
そう言ってシパちゃんは恥ずかしがりながらも自分から僕に胸を見せてくれる。
もちろん僕はすごく嬉しいけど、でもそんなにされたら嬉しすぎてお風呂に入る前に僕がアニマルさんになってしまいそうでヤバイ!
「ありがとうシパちゃん。もちろんシパちゃんの可愛いところを見せてくれるとすっごく嬉しいよ。でも今日は先にお風呂場に入っててもらってもいいかな。包帯だけは先に巻きなおしておきたいから」
「あ、そういえば……右手の方は大丈夫なんですか? 森を吹き飛ばしたすごい魔法も右手の力だってアロさんが言っていました。右手の中の人? がついに目覚めたとかなんとかって……」
アロはシパちゃんに一体何を話したのだろう。
アロの僕に対する中二病疑惑はさらに確信的な物へと変わっているようだ。
いや、中二病で実際にここまでひどいことにはならないはずなんだけど。
アロの中での中二病はやはり日本の物とは認識が違うのかも知れない。
ともかく、今はシパちゃんの心配を解消するのが先だ。
「うん、右手はもうおさまってるから大丈夫。包帯はボロボロになっちゃったけど替えれば問題ないよ」
「右手の封印自体は解けてなかったんですね、本当に良かったです。じゃあ私は先に入ってお湯を出しておきますね」
そう言ってシパちゃんは先に風呂場へと入って行った。
しかし……本当にアロはどういう説明をしているのか。
封印がどうとか微妙に核心に近づいてきているからホントに勘弁してほしい。
アロは外で傭兵達とも話をしているはずだけど不安が増大しそうです。
まあそれは後で考えればいいことだ。
今は全てに優先してシパちゃんとのお風呂を味わうことが大切です!
シパちゃんが心を込めて僕の体を洗ってくれるというのだから、僕も全身全霊でそれを味わうのが礼儀というものだ。
そして、僕は右手の包帯を新しい物へと替えて巻きなおす。
そうして、風呂場の中へと入った。
風呂場に入ると、椅子の前でシパちゃんが正座をして待っていた。
なんだかすごく緊張してしまいます。
「じゃあ……よ、よろしくお願いします」
「うん、僕の方こそよろしく」
またシパちゃんによろしくされてしまった。
今日のよろしくの意味は考えなくても分かる。
これから体を洗うのでよろしくという意味だ。
そうして、まずはシパちゃんに手で体全体を綺麗に洗ってもらう。
シパちゃんは、本当に一生懸命に僕の体を隅々まで丁寧に洗ってくれた。
その動きからだけでも、心を込めてシパちゃんが洗ってくれているのが伝わってくるようだ。
そうしてほどなくして、僕は全身もれなくシパちゃんの手で泡々にしてもらった。
もうこれだけで体中がとても気持ちいい。
お風呂に入れば自分でも体は洗うけど、やはり人に洗ってもらうのは全く別の幸せがある。
人に何かをしてもらうということ自体が幸せを感じるものなのかも知れない。
「ありがとうシパちゃん。シパちゃんの手、すごく気持ちいいよ」
「はい……印世さんに喜んでもらえてすごく嬉しいです。私張りきっちゃいます!」
そう言って、シパちゃんは僕の後ろへと場所を変える。
そうして、次はシパちゃんの可愛い体を使って僕の背中を洗い始める。
この洗い方を最初にしたのはアロだと思うけど、アロがみんなに広めているのだろうか?
だとすればアロちゃんグッジョブです!
そうして、シパちゃんは僕の背中にぎゅっとくっついて一生懸命に僕の背中を洗ってくれる。
シパちゃんはアロを真似ようとしているようで、両手を僕の胸の方に回して、足も僕の腰の前に回そうとしているようだ。
だがなかなか上手くいかない。
アロは当たり前のようにやっていたが、このコアラおんぶ状態? は実は高度な技なのかも知れない。
アロの小さな体と、傭兵としての高い身体能力があるからこそあれだけ自然に人に抱きつくことができるのだろう。
シパちゃんの体も小さいけどアロほどじゃないし、シパちゃんは一般人なのでアロほど身体能力があるわけでもない。
シパちゃんにコアラおんぶは難易度が高いようだった。
瑛さんも僕にコアラおんぶはしていなかったので、これが必須というわけではないと思うのだけど。
腰から下を洗ってもらうなら僕が立ち上がればいいだけの話だし。
そう考えていると、シパちゃんは何かを思いついたようだった。
「そうだ。良かったらですけど、印世さん、横になってもらってもいいですか?」
その手があったか!
シパちゃんはやはり聡明だ。
言われてみるとこれが一番いいんじゃないかとさえ思う。
僕が床に横になってしまえば頭の先から足の先までそのまま洗ってもらえる。
僕はシパちゃんの聡明な閃きに感動しつつ言われるままに横になる。
うつぶせで寝る僕の上にシパちゃんが覆いかぶさってきた。
そのまま体で洗ってもらう。
「その……どうですか?」
「うん、とっても気持ちいいよ。シパちゃんはやっぱり聡明だね。これなら足先まで洗ってもらえるし」
「はい、そう言ってもらえると私も嬉しいです」
シパちゃんの声は本当に嬉しそうだ。
僕もすごく嬉しい。
そしてとっても気持ちがいい。
シパちゃんの気持ち良さは、瑛さんに洗ってもらう気持ち良さと、アロに洗ってもらう気持ち良さの両方を合わせたような感じだ。
でも誰が一番とかいうことはない。
三人は三人とも違った素晴らしさがある。
みんな違っていてそれぞれに良さがある。
誰が一番とかそんな単純な物ではないのだ。
僕の色々な優先順位ではトキナさんが一番というのはあるけれど、それとこれとはまた別の話だ。
そうして、とても幸せな思いを満喫しつつ、背中からお尻からつま先までを丁寧にシパちゃんに洗ってもらう。
とても気持ちがいい。
これは感触だけの話ではない。
シパちゃんの優しさと、一生懸命さが洗い方からも伝わってくる。
僕は心の奥の方から幸せな気持ちがあふれて来るのを感じた。
本当に、農場を守って良かったと思う。
問題はこれからあるだろうけど、それ全部を合わせてもこの幸せな時間の方が上だ。
これだけでも、僕にとってはお礼として十分すぎるくらいだ。
シパちゃんが本当に喜んでくれて。
そして心から感謝してくれて。
そうして、こうやって心を込めて感謝の気持ちを一生懸命に全身で伝えてきてくれているのだ。
これで後悔なんてしたらそれはする方がどうかしている。
そうして、僕はとても満足な気持ちで幸せな時間を満喫していた。
「じゃあ、次は仰向けになって下さいね」
僕は幸せのあまりにすっかり油断をしていた。
シパちゃんも僕の前を体で洗ってくれるつもりだ。
一転してピンチである。
もちろん幸せなのに変わりはない。
むしろ幸せすぎてそれがヤバイ。
アロの時は、前の方は手で洗うだけだったので僕は耐えられた。
瑛さんには前も体で洗われてしまったので僕には耐えきることが不可能だった。
いや何が耐えきれなかったのかはあえて言わないけれど。
シパちゃんは瑛さんのように僕の前も体で洗ってくれるつもりだ。
僕は耐えられるだろうか?
だが、ここで断る選択肢は僕にはない。
仰向けになると、シパちゃんと視線がぶつかる。
すごく真っすぐな瞳だ。
純粋な気持ちで、一生懸命に、シパちゃんは心を尽くして僕をきれいにしようとしてくれている。
その想いに答えないのは男以前に人として駄目だと僕は思う。
だから、僕も全身全霊でシパちゃんの想いに答える。
その上で、僕は耐え切ってみせるつもりだ!
純粋なシパちゃんの想いを、僕が耐え切れずにアニマルさんになってしまってブチ壊すようなことはあってはならない。
そんなことは僕が許さない!
そうして、僕は前の方も心がこもった動きでシパちゃんにいっぱい洗ってもらった。
もちろん、そのシパちゃんの想いのこもった感触を、僕は全身で堪能する。
その上で、僕はシパちゃんの攻めに最後まで耐え切った。
シパちゃんの想いは全身で受け止めつつ、かつ気持ち良さに耐え切るという難しい荒行ではあったけど、僕はむしろ出来て当然だとさえ思った。
シパちゃんの純粋な気持ちを思えば、これくらいの底力はあふれて当然の物なのだ。
「……どうでしたか?」
「うん、すごく気持ち良かった……。とっても幸せだよ。シパちゃんにこうして体を洗ってもらえただけでも本当に農場を守って良かったって思えるよ」
「印世さんはもう。でも……本当にありがとうございます。本当に、私もすごく嬉しいです」
シパちゃんの笑顔があまりに可愛かったので、僕はシパちゃんをしばらくの間ぎゅっと抱きしめてしまいました。
シパちゃんも僕にぎゅっと抱きついてきて、とても幸せな気持ちになりました。
そうして、僕は本当に丁寧に洗ってもらえたので、僕もシパちゃんを洗ってあげます。
「あぅ……私が印世さんにお礼がしたかったから、私まで洗ってもらうとお礼の意味がなくなっちゃう……」
「うーん。でもシパちゃんに洗ってもらえて僕はすごく幸せだったし。それにシパちゃんの体を洗わせてもらうのも気持ちいいよ。だから僕にもシパちゃんのこと洗わせて」
全て本心です。
「あ、はい……。その、洗う方も気持ちがいいっていうのは、私もそう思います。私も……印世さんの体洗わせてもらう時すごく気持ち良くなっちゃったから……」
シパちゃんホント可愛い。シパちゃんは柔らかな感じですごく可愛い。
やわらかわいいです!
あまりにも可愛かったので後ろからぎゅっと抱きしめてしまいました。
もうこのまま僕も体でシパちゃんを洗ってあげたくなってしまいます。
でもシパちゃんの体は普通に手で洗わせてもらいました。
僕も限界だったんです。
なんとか前を洗ってもらうのにも耐えきったけど本当にもうギリギリなんです。
これでシパちゃんの体を体で洗ったりなんてした日にはもう限界が突破してとんでもないことになってしまいます。
だから、ちょっと淋しいけどシパちゃんの体は普通に手で洗わせてもらいました。
もちろん普通にと言っても適当などではなく丁寧に心を込めて洗いました。
ただしエッチな動きとかは全然していません。
優しく丁寧にシパちゃんの体は洗わせて頂きました。
右手も大人しいし。
あ、そういえば伝達回路を切ったままでした。
右手が大人しいのも当然でしたね。
なにせ中の人がいないのですから。
これはシパちゃんの攻めに僕が耐えきれたことにも影響していたかも知れない。
トキナさんが健在なら何らかの理由で僕が耐えられなかったかも知れないとなぜか思える。
というかそれ以前にトキナさんがいたらシパちゃんがえらいことになっていたはずだ。
これは伝達回路を切っていて正解だったと思います。
トキナさんはお風呂に入って匂いが取れたら教えてくれとも言っていたので、トキナさんの指示を聞く上でも全く問題のないことだった。
『……本当に、主は、何も問題がなかったと思っておるのか?』
油断してシパちゃんと幸せに湯船に浸かっていたら、トキナさんの方から伝達回路を復活させられてしまいました。
『少し遅い気がするからと様子を見てみれば……ひどい、これはあまりにもひどい仕打ちなのじゃ』
トキナさんはやっぱり怒っているのだろうか?
トキナさんが怒っているとしたら、何に怒っているかくらいはもう僕にも分かる。
シパちゃんにイタズラできなかったことを怒っているのだ!
まあ怒られても僕は後悔しないですけどね。
シパちゃんが純粋な気持ちで洗ってくれている時に暴れられたら僕が困ります。
その代償としていくら怒られようとも僕は後悔しません。
と思ったのだけど……
『うっ、うっ……ぐすっ。ホントにひどいのじゃ。確かに、最後にやりすぎたのは妾が悪かったと思おておる。でも、妾だってシパポーン達のために少しは頑張っておったではないか。妾にだって、シパポーンに体を洗ってもらう幸せを少しは分けてくれても良かったではないか』
『農場を守りたいという気持ちは同じじゃったはずなのに、妾が最後に失敗したからって、ここまですることはないではないか。ぐすっ、うっ、うわぁぁあーーん』
まさかのガチ泣きである。
激怒されるかとは思ったけど、正直泣かれてしまうとは思わなかった。
僕はもちろんトキナさんのことを一番愛しているので、怒られるのは平気でも泣かれてしまうのは本当に辛い。心に刺さる。
でも泣いてる理由はひどいよね。
シパちゃんにイタズラ出来なかったから号泣するってどれだけイタズラしたかったのかと。そこまでシパちゃんにエッチなイタズラがしたかったのかと。
ちょっと色々とトキナさんの人格について考えてしまいます。
ただトキナさんの言うことにももっともなところはある。
農場を守りたかった気持ちも、そのために頑張ったのも、それはトキナさんも同様だ。
それなのにそのお礼にシパちゃんが頑張ってくれていたのを僕だけが感じていたのは確かに悪い。
ある意味抜け駆けというか、裏切りみたいな気もしないではない。
『そうじゃ、裏切りじゃ。いや、裏切りとか通り越してこれはもう浮気じゃあ。印世が妾を裏切って浮気したのじゃー。妾に内緒でシパポーンとイチャイチャ楽しんでいたのじゃぁー』
浮気とかトキナさんからは絶対出ないと思っていた単語が飛びだしました。
伝達回路を繋げている間はむしろやりまくれとか言うような人だけど、伝達回路を切った状態で僕が他の子とイチャイチャするとそれは浮気になってしまうのか。
確かにトキナさんに隠れて他の子とイチャイチャしていたら、それはトキナさんに対する裏切りだし、浮気と言われても仕方がないような気もしてくる。
うっ……ちょっとだけ心が痛いです。
次からはこういうことはないようにしたいと思います。
トキナさんには心からごめんなさいと謝りたいです。
『そんな口先だけ謝っても妾は許さぬ。この憤りは、主の体で性的に償ってもらうからの』
それは結局ご褒美にしかならないのですが。
でも僕としてもいけないことをしてしまったとは思うので、これは精一杯トキナさんにご奉仕することで、なんとか僕の誠意をトキナさんに伝えたいと思います。
まあそれはそれとして、まだシパちゃんと一緒に湯船に浸かっていたので、シパちゃんの体はぎゅっと抱きしめておきました。
『む。これは……素晴らしいの。じゃがこんな素晴らしいシパポーンの体を主一人で味わっていたとはますます許せぬ。まったく実にけしからん』
トキナさんはやっぱりプンプンしていたけれど、右手を暴れさせたりはしなかったので良かったです。
『妾とて空気くらいは読むと言うのに……。純粋なシパポーンに妾がいけないイタズラをするなどあるはずがないと言うのに、妾を信じずこのようなひどい裏切りをしてしまうとは……』
今回はトキナさんの怒りが本物そうです。
トキナさんの言葉が心にチクチクと刺さります。
でもエッチ方面に関してだけは僕のトキナさんに対する信用度はゼロですけどね!
日頃の行いが悪すぎるのでこれで信じろと言われても僕には信じることが不可能です。
『まったく……ひどい男なのじゃ』
まあそんなこんながありつつも、僕はシパちゃんとのお風呂を十二分に楽しむことができたのでした。




