一話「王妃のもとに」
リレー小説です。よければ、どうぞ
「アルマリア王女様ぁぁぁ!! 突然、押しかけて申し訳ないのですが、ご相談があります」
白いヒゲを生やしボロボロの身なりをした老人は、とある国の王女様に泣きついて土下座をしていた。
ここは応接の間で姫様は一段高い場所に置かれた見事な装飾の椅子に座り、その周りには数人の臣下と家来が囲んでいる。王女様は老人を見下ろすような形で答えた。
「ええ、いいわ。話を聞いて差し上げましょう。ローベルト殿」
「アルマリア王女様は数年前、その、か、カエルに変えられた一国の王子の呪いをとき、結婚なされたと聞いたのですが、それは本当なんでしょうか?」
「それは本当よ。ほら」王女様は傍らに男性を手招きした。
「私がカエルに変えられてアルマリアに救ってもらった、現国王であり夫のロイルです」
「あああ! やはり、あのおとぎ話は本当だったのですね!信じてここまで旅をしてきて正解だった。
そこで、王様と王女様にお願いがあるのです」
「できることならば、なんなりと」
そこで老人はボロボロの衣の腰紐に繋がれた巾着袋を取り出した。
「我が国を救って欲しいのです」
老人は優しく丁寧な手つきで巾着袋を大理石の床に置いて、袋の紐を解く。すると、そこから
「あらまぁ!!」
「こ、これは……」
応接の間にいた者、全員が驚いて声をあげる。
袋から顔を出したのは、ちょうど手のひらサイズの小さな黒色のネズミだった。
「この方は我が国の第一継承者の王子であられました。しかし、悪い魔女に呪いをかけられこの姿に……何てお労しい。どうにか解決したいのですが、私ももう年です。先はそう遠くありません。そこでどうか、お助けしてくださないでしょうか?」
「……」
王女は少し困り顔を浮かべて、王様の顔をみた。王様も小さなネズミを見てしばし考えた先に答えを出した。
「いいだろう、ここには私を救った妻もいるわけだしな。できることはやってみよう」
「おおおおお! ありがたき幸せです。王様」
そうして、老人はネズミを王様の家臣に預けると、別れを惜しむように出て行った。それを見届けた王女様は少し不安げな顔をした。
「本当に大丈夫なのかしら? あなた」
「ああ、きっとどうにかなるさ。それに我が双子の子供たちが齢16になる。ちょうど私たちが出会った頃の年だ。あの子たちに任せればいい」
そういうと、王も家臣と共に出て行った。
「ええ、そうよね」
いくら前科があろうとも王女の不安は消えなかった。
(本当にあの子たちで平気なのかしら……)
王女は広い応接の間で一人ため息をついた。
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あとがき
カエルの王子様のその後の世界的な?笑
ねずみは無事人間に戻るまでの出来事を書く予定です。
話が気に入らなかったら、別のを書きますんでコメくださいな。よっしさん
ちなみに、主人公はネズミの王子と元カエルの王様の双子の子供達。
双子は女の子と男の子で。
名前は女の子の方はローズで男の子の方はダニエル。
続くかな…?w