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二日目の朝

 まっそんな感じのやり取りがありつつも総勢8名となったパーティーにて朝一の打ち合わせだ。


「え~っと…まず当初の予定では『東の草原』で薬草採取しながら『ラージラット』狩りをするはずだったけど…」

「あ~それ無理だわ」

「………(コクコクッ)」

「…もしかしなくてもまだ混んでたか?」

「ああ」

「………(コクコクッ)」


 皆と合流するためにピナと街に戻ってくる時点で、既に昨日と同じくソロプレイヤー達が湧き待ち狩りを始めていた。


「今朝様子見に一人で行って観たけど…まぁそのおかげでピナとパーティー組む事が出来たんだが…あの混みようだと当分の間は近場の『東の草原』は『待ち』プレイヤーだらけだと思うぞ?」

「あ~β経験者のパーティーは殆ど固定化されてるからなぁ~」

「…ですね、討伐の攻略組はきっとエリア開放狙いでエリアボスに一直線でしょうし…」

「きっとソロのβテスターもレイドの数合わせ狙いで一緒に着いていってるだろうしなぁ~」


 レイドの事が出たのでNEW∞WORLDでのパーティーシステムについて説明する。 基本的に『NEW∞WORLD』においてパーティーに上限人数は無い。

 但し1パーティー内に人数が増えるとモンスター討伐の報酬素材は一体当りの獲得数が決まっているので生活費(宿代)を稼ぐ事すら困難になる。

 だがパーティーに参加しているメンバーに対してしか強化系や回復系の範囲魔法で支援する事が出来ないく、討伐による経験値の共有化が発生しない。

 だから本来ならば俺達みたいな8名でのパーティー等は滅多な事では発生しない。(まぁ俺達は生産系プレイヤーとその専属支援プレイヤーと云うべきなので経験値が減少するデメリットより人数が多くなる事で採取や作製、販売等を一人で兼業すると時間が足りなくなるのを解消出来るメリットが優先された結構稀なWin×Winな関係なのであるが…)

 しかしエリアボス戦に置いては一度に参加可能な人数が決められている。

 其処で使われるのがもう一つのパーティーシステム『レイド(軍団)』だ。

 コレはエリアボス戦でのみ可能なシステムでボスモンスターの上限人数とチェイン数の上限以内で在れば複数のパーティーが支援可能な状態になるシステムだ。


 しかし現状においてはこの『レイド』にも欠点が存在する。

 例えば『A』というボスと戦闘する際、人数上限40最大チェイン8と云う条件であれば40÷8=5で1パーティー5名×8パーティーの40名による軍団を組む事が出来る。

 しかし『A』の条件が人数上限40最大チェイン5だと同じ上限人数でもパーティーは人数8名の5パーティー迄しか組めない。

 すると通常は3名~6名でプレイしている大半の固定プレイヤー達は足りない戦力を上限いっぱいに迄補う為に、ソロプレイヤーを臨時で雇う事になる。

 βテスターからのコンバート組のソロプレイヤー達も出来れば条件の良いパーティーに雇われたい為、己の腕を更に磨き、腕を見せる為に普段から攻略組のパーティーとより多く交流を持てる最前線で狩りをする。

 すると一番のボリュームゾーンとなる新規でソロをしているプレイヤー達とは益々差が開く為、安全な東の草原のソロプレイヤーが何時までも動けないでいる事になる。

 しかもβテスターより新規プレイヤーの方が圧倒的に多い状況な為、新規プレイヤーがある程度動ける能力まで育つか、誰かが新規プレイヤーを導くか、新規プレイヤー同士で固定パーティーを組んで攻略組を追いかけるか…何れにせよ誰かが動かなければ全体が変わる事も無いだろう。



「となると…『南の森』か少し危険ですけど『西の海岸』が良いかもですね」

「あ~森なら~木材系の~素材が~採れるよ~確か~薬に~成りそうな~花系の~素材も採れたかも~」

「後、『魔物』じゃ無いけど『兎』『鹿』『狐』『熊』なんかの野獣が居るな」

「魔物じゃ無いと何か違うのか?」

「あ~大きな差は無いんだが…」

「…?」

「現実準拠で服飾系の素材や食材なんかが手に入る」

「…?良くわからないんだが…」

「え~と、簡単に言えば防御力や攻撃力が発生しない装備品を造る為の素材が手に入る…だな」


 ようするに装備の『飾り物』が手に入るらしい…


「コスプレしたい人には需要が有るけど…ぶっちゃけ獣系好きならまず獣人選択するから、獣人以外で獣耳や尻尾を着けたいって人用の外装素材だな」

「そうか…何かスマン」

「…いや、いいんだ」


 コボルトでのプレイが好きな俺的には少し惹かれる所も確かにあるが…アレは『もふもふ』感より低いステータスによる『儘ならなさ』を楽しむのが目的だしな…いや獣耳は良いものだが…



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