わんおぅの冒険2
…
……
………
「グガアァァッッ――――」
ドスンッ!と微かに地響きを立てゴブリンが倒れる。
『ポ――ンッ』
それと同時に頭の中に微かに何かのシステム音っぽい音が確かに響く。
「ぉおっ!ひょっとして何か手に入れたかLvでも上がったか?」
あれだけの強敵を倒したのだからきっと何かしら変化が有るだろうとわんおぅはシステムメニューを開こu…『ドカッ!!』
「…へッ?!」
突然背中に強い衝撃を受けたたらを踏む形で背後を観やると…
「ラット!?」
其処には最弱モンスター『ラージラット』が居た―――。
◇◇◇◇◇◇◇
――ベシャッ!
夜の静寂にサラサラと水の音が背後から聴こえる…
「噴水前?…死に戻り…か?」
其処は始まりの街ウェニストの中央公園噴水広場の一角、丁度目の前には冒険者ギルドが見える。
「うあっーーークッそっーー油断したッ!」
強敵を何とか倒した油断を突かれてしまった。
ゴブリンの攻撃はかするだけでHPを削られていたため倒しきった時には既に瀕死状態、最弱モンスターのラージラットの突進一撃で削りきられる所迄減ってしまっていた様だ。
「あんだけ長い時間戦闘してたんだ、いつの間にかリンクしてたんだろうなぁー」
いくら初心者向けフィールドとはいえ戦闘区域で気を抜いた自分が悪い。
「はぁ始めたばかりでデスペナは痛いなぁ…」
確か所持金の50%だったか?…ミツルギの説明を思い出しつつメニューを開く。
「おぉッ称号が付いてる!」
・・・・・・・・・・・
【ネーム】わんおぅ
【種族】コボルト
【種族Lv】Lv.4
【職業】魔法使い
【職業Lv】Lv.8
【性別】男
【称号】[種の限界に挑む者]
【ステータス】
[HP]26/26
[MP]34/34
[STR]6
[VIT]6(+1)
[DEX]7
[SPD]8
[INT]8
[MAD]5(+5)
[LUK]5
【ボーナスpt】0pt
【アビリティ】
〔魔力Lv3〕
〔魔力回復Lv3〕
〔魔力収束Lv3〕
〔詠唱速度Lv3〕
〔魔法能力拡大[威力]Lv8〕
〔魔法能力拡大[数]Lv8〕
〔魔法能力拡大[誘導]Lv8〕
〔魔法能力拡大[範囲]Lv8〕
〔消費魔力減少Lv3〕
〔無属性Lv6〕〔槍Lv4〕
〔槍能力拡大[突く]Lv5〕
〔槍能力拡大[払う]Lv5〕
〔避けLv8〕〔跳ぶLv3〕
【スキル】
《叫ぶLv1》
《ブリッツLv4》
《ステップLv6》
《限界に挑む向上心》
《共通語》《コボルト語》
・・・・・・・・・・・
[種の限界に挑む者]
※称号ランク[R]
コボルト族の勇士の証、種の限界に挑む挑戦者は無限の向上心を胸に抱くであろう。
VIT+1 MAD+5
コボルト族の別進化の可能性を得る。
称号スキル《限界に挑む向上心》取得
《限界に挑む向上心》
※パッシブスキル
※戦闘系アビリティのLv上昇にプラス補正
※????
「お~コレはキャラクター作成時の説明文のヤツか?」
但しコボルト族の『種の限界』が現状どうゆう事なのか解って無いんだよな…
「後は…スキルの説明に『????』って…」
まぁ悩んでも仕方無いログと素材を確認するか…
〇東の草原のユニークモンスター『ラージゴブリン』を討伐しました。
〇ユニークモンスター討伐報酬が冒険者ギルドに届きました。
〇新たな称号を獲得しました。
〇東の草原で『ラージラット』の攻撃によりHP全損しました。
〇始まりの街ウェニストの転送ポートより復活しました。
………改めてログで観ると結構凹むな…
しかもあのゴブリンはユニークモンスターだったのか!強いわけだよ。
意外とアビリティやスキルが上がっているのはLv適正値以上の相手と戦闘してたからだろうな…
入手素材は…
〇ラージラットの皮×21
〇壊れた皮鎧×1
〇ラージゴブリンの皮×2
〇ラージゴブリンの牙×2
〇ラージゴブリンの骨×4
〇ラージゴブリンの大骨×2
〇ラージゴブリンの棍棒×1
〇ラージゴブリンの魔核×1
…ラット狩りで手に入ったのは全部皮の様だ…
「ハクアさんのドロップ運が妬ましい(苦笑)」
ラージゴブリンに関しては流石にユニークモンスターと云うべきか?
「本来ならパーティーで狩るんだろうな…この報酬からすると…」
明らかに報酬量が多い事やギルドに討伐報酬がまだ控えていると云う事はボスモンスターや犯罪者プレイヤー等と同じ扱いのクエストモンスターって所なんだろう。
「んーこの棍棒はひょっとしてミツルギに良いんじゃ無いのか?」
しかし『わんおぅ』については未だ誰にも話して居ないし話すつもりも無いので…どうやってミツルギに渡そうか?
「悩んでも仕方無い、一旦ギルドに行って報酬の確認するか」
俺は冒険者ギルドへ足を向けた。




