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こちら筋肉防衛軍。  作者: マッスルハッスル。
第①マッスル ◆筋肉への誘い!!◆
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部屋とビキニと私!!

「SEが現れる頻度ってのはどのぐらいなんでしょうか?」

「はい。奴らの出現パターンはこれといって決まってないんですよ。ただ、真夜中の人気(ひとけ)の無い場所に現れることぐらいしかわかってません。なぜこの県のこの市なのかも不明です。」 

 腕組みしながら、首をすぼめる三国。

 その話を聞きながら、あらかた菓子を食い尽くしたチャックが久しぶりに口を開く。

「ワタシたちは、深夜サギョウがメインなんで〜す」

「あの……それもそうなんですが、なんでSEが現れる位置や時間がわかるんですか?」

 金平はチャックに素朴な疑問をぶつける。

「ソレハ、ミクニさんが作ったキカイが教えてくれマ〜ス」

 三国に視線を送り、相変わらずの笑顔を見せるチャック。

「社長が初めてSEと遭遇した時に、持っていた通信機器にノイズが入ったそうなんです。SEの接近と共にそのノイズが大きくなったらしく……どうやらやつらは固有の電波を発しているようで。その後の研究で、その周波数を特定できました。やつらは出現する数日前から微弱な電波を出すんです。それを私が開発したセンサーで拾って、出現時間と場所を特定できるようになって」

「やつらが出現して人家にたどり着くまであまり時間が無い。それに我々が街中であのかっこもできないから、出現と同時にやつらを叩かなければならない。三国さんの探査能力が非常に重要なのさ」

 増山が隣の三国の肩をポンポンと叩いた。恥ずかしそうに頭をかく三国。

 確かにあの格好で街中に出たら、SEより前に彼らが警察に捕縛されるだろう。そう思いながら、金平の脳裏に一つの考えが浮かんだ……。

 それは金平にとって、あまり歓迎すべき出来事ではない。

「あの、増山さん、一つ聞きたいんですが」

 思いを口にする。

「どうした?金平君?」

「やっぱ俺も着ないとなんですかね?……テラテラのビキニ……」

 その言葉に、一堂の間に沈黙が。

 眉間に三本の深いシワを刻んで、金平に見入る社長。

 屈託の無い笑顔で金平を見つめるチャック。

「もちろん」

 増山は軽く顎を引いてキッパリ言った。

 眉間のシワを解いて、社長が金平へウィンクと投げキスを送る。

 意識が遠退きそうになる金平だった。


◆◆◆


 社長がティータイムの終了を告げると、各自部屋に戻ることになる。一人きりになったことで、幾分落ち着きを取り戻した金平は、昨日と同じようにベッドに身を投げた。

 幾らもしないうちに、部屋をノックする音が。

「どうぞ」

 前夜かなり熟睡したのと、興奮で寝つけそうに無い金平がドアに向かって答えた。

 ゆっくりとドアが開き、スキンヘッドがにょきりと覗きこむ。

「金ちゃん、制服持って来たんだけど……」

 社長の手には、ビニールにパックされた新品のビキニとビーサンが。

 顔を引き攣らせる金平。

「もし良かったら、新品か私のお古、どちらか好きなほう選んで」

 恥じらう乙女のように目を伏せ、頬を朱に染める社長。

「新品でお願いします」

 光の速さで即答し、新品を受け取りドアを閉める金平だった。


◆◆◆


 テーブルの上にポツンと置かれたビキニとビーサンを眺めながら、SEと壮絶な戦いを繰り広げるビキニ姿の自分を想像し、金平は一人部屋で吹いてしまう。

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