つぶすひとつぶされるひ
ここはこの国で一番美味しいと有名な林檎農園でした。
ある日りんごの中から青虫が出てきました。
「なんだよ、また不良品かよ」
農園の人達はその林檎を枝から切り、青虫ごと捨ててしまいました。
廃棄する林檎は沢山あったので、すり潰して肥料にするための機械に放り込みました。
青虫からしたら、それは残酷だったかもしれません。
ある朝、農場のみんなの顔のあちこちに、吹き出物ができてしまいました。
みんな吹き出物をぷちっと潰しました。
その後絞り出すと、にゅるにゅると中身が出てきました。
汁が出てきたので、ガーゼで抑えました。
それからというもの青虫が出る、吹き出物ができるという不思議な順番ができてしまいました。
みんな吹き出物を潰しすぎて、顔に穴が開いたように見えました。
みんな鏡を見るのも酷く嫌がるようになりました。
こんな符合は初めてだったので、みんな戸惑いました。
ある日芋虫ごと林檎を捨てるのをやめてみました。
すると次の日みんなの顔には吹き出物もできず、つるつるの綺麗な肌になったのです、みんなは大喜びでこれからは青虫のいるリンゴを捨てるのはやめようと誓いました。
その次の日農園は一人一人空から出てきたクレーンに引き上げられ、そのまますり潰す機械に放り投げられました。
空からは「そんなことぐらいで反省したと思うわけないだろう」という声が響きましたとさ。
おしまい。
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