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プロローグ
14年前——リバレディアのスラム街の一角で、「ワー!」という赤ん坊の産声が上がった。「うるさい!いったい誰の子だよ?!あの女、自分の子の世話もできねえのかよ!」 と、隣人が鼻でフンッと笑った。「はあ……そんな言い方やめろよ。あの女、どっかの男と関係してたらしいけど、迎えに来るって約束は結局守られなかったんだってさ。家のやつらは、女なのに子供の父親も分かんねえなんて恥だと思ってるらしいし、聞いても本人は何も言わなかったんだ。だから今は、一人で暮らしてるんだよ。それに、あんな長いことここにいるけど、悪い人間じゃねえ。ただ貞操にちょっと問題あるだけなんだから、そこまで責めなくてもいいだろ」隣人たちの皮肉な言葉は彼女の耳には少々きつかったが、彼女は後悔していなかった。結局のところ、その人と別れたのは彼女自身の決断だったのだ。




