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10.欲望と拘束の夜

「……マダム、マダム大丈夫ですか?」


 イレーヌがゆっくりと目を開けると、朧気ながら金髪の男の端正な顔が見えた。彼は仮面を取り外していた。


 その背後には、シックな背景に金色のダマスク模様が描かれた壁紙が映し出されている。

 自分の仮面も外され、小さなテーブルに置かれていた。


 ここは……? と彼女が起き上がると、フィリップは急に倒れてしまったから休憩室を開けてもらったのだと答えた。

 そして彼女は、その休憩室に置かれていた長椅子に寝かされていた状態だった。


 確か自分は、大階段のところであの女の姿を見たはず。なんと気味が悪い。


 彼女は両手を交差させて自分の腕をさすると、やはりここには来るべきではなかった。

 さっさとディミトリを連れて帰ろうと、床に足をつけて立ち上がろうとした。


「あぁ、どうかそんな無理をなさらずに。もう少し休んでいきませんか?」


 フィリップはそう彼女に優しく声を掛けたが、彼女はフィリップのことをキッと睨むと、彼に向って

「何を考えているのかわからないけど、私に優しくしてくれなくて結構。色男の詐欺師さん」

と冷たく言い放った。


 詐欺師と言われてしまったフィリップは、一瞬目を瞬かせた。


 そのあと、軽く笑うと彼女に向ってこう言った。

「助けたのに詐欺師だなんて、なんて酷い言われようだろう。何をもって僕を詐欺師と呼ぶのでしょうか」


 すると、イレーヌは彼に向ってこう返した。

「自分の子供を悪く言うのも悲しくなるけど、あの子は女にもてるような男ではないわ。それをわざわざ会いたいだなんて。しかも、あなたたちの格好を見たら、さほど裕福なようにも見えないし」


 うまいことディミトリを騙して、結婚するのにお金が必要だとかなんとか言って、大金を巻き上げようとしていたのでしょう? と彼女は言った。


 彼女の言い分に、フィリップは素晴らしい名推理だ、とわざとらしく驚いた後、また軽く笑った。


「それで詐欺師だと思われていただなんて。あぁ、心外だ。でも、あなた方の立場になったら、そう疑われるのも仕方ないと思います」


 では、僕の方から弁明させていただくと、今日の服装はあえて目立たなくするためですと彼は言った。


 ここは様々な階級の人間が入り乱れる場だ。逆に言えばどんな人間が来ているのかわからない。

 目立つような恰好をしていたら、自分たちの身分を知る悪い人間に誘拐され、政治的な取引にされる可能性もある。

 もし、あえて権力や富を示すために、あえて目立とうとする王家の人間がいたら相当愚かだと。


「それに、僕らは一応公務としてこちらに来ているのです。だから、夜遊びしていると知られるのは好ましくない」

 フィリップは彼女に向って、少し挑発するような笑みを浮かべた。


 だが、そうは言われても、イレーヌはまだ信じようとはしなかった。

 そんな尤もらしい理由なんて、詐欺師なら簡単に思いつくだろうと。


「やれやれ。では、その扉を開けて廊下を見てください。きっと、廊下の両端で怖い顔をした男たちが背筋を伸ばして立っていますから」

 

 イレーヌは言われた通り扉を開けた。

 すると、開けたと同時に男たちはこちらの方をちらりと見た後、一瞬彼女に向って頭を下げ、すぐに元の位置に戻り背筋を正した。


 彼女がそれを確認して扉を閉めると、フィリップは言った通りでしょう? と彼女を見つめながら軽くため息を吐いた。

「彼らは僕の護衛なのです。今踊っているマリアにだって、遠くで見守るようについている護衛がいますから」


 フィリップの話は本当なのかもしれない。しかし、彼女は彼に対しての不信感がぬぐえず、彼に笑顔を見せようとはしなかった。


「まだ信用できないと言った様子ですね。では、これならどうでしょうか?」


 そう言って彼は、シャツについているジャボを外し、襟を緩めると首にかけていた金のペンダントを外した。

 そしてそのペンダントトップを開けて、どうぞと言ってイレーヌの手に差し出した。


 彼女はなんだろうと手渡されたそれを見ると、ロケットの中には某国の女帝と金髪の幼子が小さく描かれていた。

「今、出せる証拠はそれで最後になりますけど」

 フィリップはそう言って彼女に向って微笑んだ。


 その絵が収まっているペンダントは、見た目も、感触も決して安物ではないのが明らかだった。

 蓋の部分にはエメラルドが使用されており、彼の出自が例の女帝だとわかるように一族の紋章が彫られている。

 裏側には女帝とフィリップのことを意味するのだろう、キリル文字があしらわれていた。


「それでは、あなたはやはり本物……」

「まぁ、庶子なので正統派ではありませんが」


 彼は、妹も同様に女帝が秘密裏に出産した後、信頼している貴族へと預けられたと言った。

 育ててくれた両親とともに、幼い頃より宮廷にはしょっちゅう行っていたが、真実を告げられたのは農奴の反乱を抑え込み政権が安定した後だったと。


 その話が終わった後には、イレーヌは信じられないと言った様子で、強張っていた表情がすっかり和らいでいた。


「あなたはご子息が女性に好かれないと言っていた。しかし、妹は波乱に富んだ世界を見てきたため、柔で優しいだけの男よりも、どんな環境でも生き残れそうな野趣溢れた男に魅力を感じるようなのです」

 

 妹は僕にとって可愛い存在です。

 だから、ディミトリ君を初めて見た時に、彼こそ彼女が求める男性像だと思いました。

 事実、彼は若いながらも商会を引っ張っているではありませんか。

 ぜひとも、二人にはうまく行って欲しい。


 フィリップがそこまで言うと、イレーヌは満更でも無いと言った顔になっていた。


「そう。あなたの気持ちはわかったわ。でも、あの子は今別の女性と婚約しているのよ? もし、あなたの妹君との仲がうまく行くようなら、どうやって先方と解消すれば良いのかしら」


 イレーヌがわざとらしく尋ねると、フィリップはそれについてはご安心くださいと言った。

「やりようはいくらでもあります。あなた方が直接婚約を破棄すると宣言しなくても、あちら側から婚約を解消すると申し出る事だってできなくはないのですから」


 その言葉に、イレーヌは初めて顔を綻ばせた。


「ふふふ……まあ、怖い」

「欲しいものがあるなら、使えるものは使わないと勿体無いですからね」


 フィリップはそう言った後、扉の方に向かって何故か閂をかけた。


 そしてイレーヌの方に向かって振り返ると、ただしディミトリと彼の妹の仲をうまく行かせるためには、妹が彼を気に入っているだけだとは足りない、と彼は言った。


「母だって、親として娘には幸せになって欲しいという気持ちが当然あります。ですが、ただ好いているというだけでは納得しないでしょう。娘が良くても親が相手の人間性を見抜き、反対する話はごまんとありますから」


 ですが、そこに信頼するものの一声が加わったらどうなると思いますか?

 僕は母からかなり信頼を寄せられています。

 元に、庶子でありながら護衛までつけてもらえるほど、大切にして貰えているのですから。

 それに、出会ったのが僕からの紹介だったと知れば、尚更良い方向に流れるとは思いませんか。


 だけど、僕はそんな簡単に協力するような事をしたくない、とフィリップは言った。


「えっ? どうして? あなた、妹君を応援しているのでしょう? それなら口添えくらいしたって……」

 彼の矛盾している言い方に、イレーヌは驚くと同時に顔を顰めた。


「そう。妹にはうまく行って欲しいと思っています。でも、せっかくのチャンスなのだから、これを取引材料にしない訳にはいかない。今からいう条件をあなたが飲んでくれるのなら、僕は喜んで母にディミトリ君の事を推薦しましょう」


 取引材料ですって?

 その言葉に、イレーヌはまた顔を強張らせた。

 やはり、この男は詐欺師なのだろうかと。


「条件とは何? 金銭? それとも我が家の土地が欲しいとかそんなこと?」

 彼女は声を冷たくしながら、彼に向かってそう尋ねた。


「いいえ。そんな物には興味ありません。僕が欲しいと思っているのは……」

 フィリップはそう言って急に彼女に近づくと、片手を彼女の頬に当てた。


「あなたですよ。イレーヌ」


 ディミトリ君と先日あった舞踏会で、美しいあなたが踊っているのを見かけた。

 でも、何の接点も無いため声を掛けられなかった。しかし、まさかあの時の女性があなただったなんて。

 こうやってお会いしてみて、やはりあなたの事を欲しいと思ってしまった。

 僕に劣情を抱かせるとはなんて罪な人なのだろう、とフィリップは言った。


 思いも寄らない彼の言葉に、イレーヌは冷笑した。何をこの男は考えているのだと。


「口説き文句としては、とても最低ね。こんな脅しみたいな、いいえ、脅して迫るなんて……」

「ええ。自分でも最低だと思っています。ですが、先ほど言ったでしょう。使えるものは使わないと勿体無いと」


 それにと彼は言葉を続ける。


「あなたは未亡人となりながらも、未だ恋人を作らず一人でいるとディミトリ君から聞いています。とても魅力的でありながら、愛想を振りまかず高圧的に振る舞う様子は……まるで男を大して知らないのに、勝手に憎悪を募らせている無垢な女性のようだ」


 フィリップは少し目を大きく開き、意地悪な笑みを彼女に向かって浮かべた。

 一方、自身の触れて欲しく無い部分に触れられたイレーヌは途端にムッとした表情を浮かべて右手を上げ、彼の顔を平手打ちにしようとした。


 だが、フィリップはその手を左手で素早く受け止めると、怒る顔も素敵だと言って、反撃の代わりにその手にキスをした。


「図星なのでしょう? きっと、男の体を知っているのは亡くなったご主人くらいで」

「何て不躾な男だこと……」

「ええ、どうぞ。僕を好きなように罵倒して貰って構わない。それで気が済んで、あなたを手に入れられるなら。僕はそんなあなたが不器用だけど、とても真面目で、可愛らしい女性だと思っているのだから」


 フィリップはそう言った後、先ほどよりも彼女の手に激しく口付けをして、本当に僕はあなたが欲しくて堪らない。先日見かけてから昨日の晩まで、連日であなたの夢を見たと付け加えた。


 彼女は彼と目線を合わせようとはしなかったが、その顔からは先ほどの怒りはいつの間にか消えていた。


 彼女だって、若い頃は散々口説かれてきたのだから、口説かれるのには慣れている。

 しかし、ここ何年かは若さの衰えか、そう言った声が殆ど掛からなくなっていた。

 そしてまさか、この年になって自分の息子とほど近い男にそれをされるとは。しかも、若さ故か激しく素直に求めてくる。


 若い頃の自分なら、絶対にこんな誘いには乗らないと突っぱねていた。だが不思議な事に、今の彼女の中では好奇心の方が沸々と湧き上がっていた。


 それを見透かしたように、フィリップは彼女の腰を抱いた。

 彼女が拒否をしなかったため、彼は彼女を長椅子に腰掛けさせると、自分もその横に座った。


「僕たちはもう大人なんだ、イレーヌ。だから、本能のままに体から始まる恋があっても何らおかしく無いと思う」

 そこには願いを懇願する祈り人の姿はなく、獲物を狙う獣しかいなかった。


「ふん、偉そうな事を言っても大した事無かったら笑えるけど」

「いいや。終わった後はまた僕に会いたいとあなたは思うはずだ」

「凄い自信ね。一体、その年でどれだけの女を抱いてきたというのかしら」


 それこそ無粋だ。知らない方が良い、とフィリップはイレーヌを見つめながらそう言うと、彼女の顎に指を当てて自身の唇に引き寄せた。


◆◆◆


 マリアと何曲目かのダンスを踊っていたディミトリは、相変わらず鼻の下を伸ばしていた。


 あぁ、堪らない。彼女から感じる蠱惑的な香水の香り。今日はハメを外す事は出来なくても、踊り終わった後にキスくらいは……と彼は考えていた。


 しかし、踊り終わった後、マリアの方から彼に向かってこう声を掛けた。

「ご覧になって、ディミトリ様。兄達はこの場におりません。私と一緒に来てもらえますかしら?」


 確かに踊りが行われている大広間を見れば、マリアの兄も自分の母もどこかに行ってしまっているようだった。


 これは彼女と親密になれるチャンスだ。しかし、一体どこに行くというのだろうか。


 ディミトリは期待を胸にして、彼女に誘われるままついて行くと、彼女はこの会場にある小部屋へと案内した。


 中に入ると来賓用に使う部屋なのか、高級感のあるシックな長机と長椅子が配置されていた。

 彼女によると、自分が踊って疲れてしまった時にゆっくり休めるように念のため取った部屋だそうだ。


 そしてなぜか、彼女は閂を掛けると、自らの仮面を取り去り、ディミトリにも仮面を取るように求めた。


 仮面を外したマリアはフィリップと同じ深く青い目をしているが、彼に比べたら若干形は丸く、それがなお一層女性らしくて可愛らしい印象に見せていた。

 ディミトリは期待以上だった、いや、今まで出会った女の中で一番良い女だと口元を緩ませた。


 そんな彼女も彼女で、ディミトリの事を大いに気に入ったらしい。

「あぁ、やはり想像していた通り、何て素敵な方なのでしょう!」


 彼女はそう言うと、大胆にも自ら彼の首に腕を巻きつけ、その胸を彼に押し当てた。

 ディミトリは今日はキスだけで良いと思っていたが、まさかそれ以上の事が出来るのでは……と自然と下半身が熱くなるのを感じていた。


「ねぇ、ディミトリ様。夫婦になる上で、大切な事は何だと思いますかしら?」

 突如、マリアはそんな問いを投げかけた。


 興奮を覚えていたディミトリだが、まだ理性は残っていたため、自分は冷静で落ち着いている男だと努めようと、互いを尊重したり、愛情をもって接する事じゃ無いかと模範的な回答を述べた。


「ふぅん。思いの外、真面目にお答えになられるのですね……私の答えとしては、体の相性が大事だと思いますのに」


 マリアはふふふと笑って、またわざとらしく彼に向かって胸を押し付けた。まるで彼の反応を楽しむように。


「実は、今まで縁談を持って来られてもお断りしていたのは、その事が原因でしたの。体の相性が悪かったら、愛情が続くのか怪しくなるそうですし。皆、私の事を満足させるには至りませんでしたもの」


 でも、あなたは違う。無骨で荒々しくて、野心に溢れている。きっと、寝台でも私を満足させてくれるに違いありませんわ。

 とマリアは潤んだ目でディミトリのことを見つめた。


 なんと、聞いていた以上に破廉恥な女だったとは。


 ディミトリはそう思ったものの彼女を軽蔑するどころか、抑えていたものが外れ、我慢できずに彼女に向かってキスをしようとした。

 しかし、マリアはそれはまだいけないと言って、なぜか手で彼の唇を押さえた。


「理想の男性を求める一方で、私はとても嫉妬深い女ですの。男の方は一人の女に満足すると、別の女に行きたがるようですし。だから、あなたが誘惑に耐えうる男であると、証明していただけないかしら?」


 おあずけを食らったディミトリは、証明? なんだそれは、と眉間にシワを寄せた。

「でも、それをクリア出来たら、私のことを好きにして構いません。このお話……どうでしょうか?」


 マリアの言う証明とは一体なんなのだろう。

 しかし、彼女を手に入れられるのなら、やるだけの価値はあるに違いない。


「わかりました。あなたの言う試練を受けましょう。どうすれば良いのですか?」


 ディミトリがそう尋ねると、彼女は部屋の片隅に置いてあったカバンから布を取り出して、彼に目を瞑るように依頼した。


「今からする事はとても恥ずかしい事ですので、貴方には見ていて欲しくありませんの」


 そう言ったマリアは、その布を彼の目を覆うように巻きつけて視界を完全に塞ぎ、さらになぜか手も後ろで組ませて布で縛った。


「ちょっと、何をするつもりですか?!」

 流石に、手まで縛られてしまったディミトリには不安の色が現れていた。

「しーっ! 言ったでしょう。とても恥ずかしい事をするのだと。痛くするつもりはありませんから、その点は安心してください」


 何も見えなくなったディミトリは音しか頼れるものがなくなった。

 聴覚を研ぎ澄ますと、マリアはカバンの方から何やらカチャカチャと音のなるものを取り出しているようだ。

 

 それを多分テーブルに置いたかと思うと、今度は自分の方に戻って来て、何をするのかと思えば彼女は大胆にも自分のキュロットと下着を取り払っているようだった。

 冷たい空気が彼自身に当たるのを彼は感じていた。


 ああ、きっとこれはそう言う事だろう。

 まさか、そんな事をするなんて!

 ディミトリは大体何されるのか想像がつき、顔がニヤけるのを抑えられなかった。


 しかし、彼自身に触れるのは想像していたようなあの感覚ではなかった。

 代わりに何か布地が触ったかと思った瞬間、そこを締め付けるような冷たい何かがあてがわれた。

 加えて、腰にも冷たい何かが巻きつけられて、ガチャンという音が彼の耳に届いた。


 マリアは準備を全部終えたのか、ディミトリの手を縛っていた布を外し、その後、目隠しをとった。


 彼が目を開けるとーーー


 なんと彼の腰には金属製のベルト、そして彼自身には、それと繋がって取り外せない様になっている同じく金属製のパーツが嵌められていた。


「なっ! なんなんだコレは!」


 ディミトリは大きく叫んだが、マリアは涼しい顔をしながらこう言った。

「言ったでしょう。私はとても嫉妬深い女なの。だから、指定の期間、そうね一週間後までそれをつけて過ごしていただきます」


 マリアが言うには、この拘束具は鍵がないと外れない上、興奮するとそれなりの痛みが伴うと。

 つまり、指定の期間中は"何もできない"ということだった。


「当日になりましたら、迎えの馬車をあなたのご自宅まで寄越しますわ。お越しいただいたら、ちゃんと鍵はお渡しするのでご安心くださいませ。では、失礼いたします」


 そう言ったマリアに向かって、ディミトリはいや今すぐ鍵を外して欲しい! と飛び掛かろうとした。

 ところが、彼女は重たいドレスを来ているというのに、意図も容易く彼のことを避けると、素早く扉の方に向い部屋から出ていってしまった。


 ディミトリも急いで彼女を追いかけようと思ったが……それは無理だった。

 なぜなら、下半身に服を身につけて無いのだから。


 彼は大急ぎで衣服を身に纏い、会場にいるはずのマリアを探し回ってみたものの、結局彼女の姿はどこにも見当たらず途方にくれるのだった。

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