家族③
「こんな手紙が届いたんだ」
ユーリが持っていたのは一枚のくたびれた紙切れだった。
『たすけて パレットカイ山 スカーレッド』
「なんだそれ、送る相手間違えてんじゃねぇの?」
「こういう手紙は普通自分のクラスの校舎に送りつけるよね」
「スカーレッド、、、」
キリアンの様子がおかしい。
「どうしたの?キリアン、何か知っていることでも?」
リオナが問い詰める。
「家族、なんだ。」
少し怯えた様子のキリアンは確かに家族と言った。
「たすけに行かないと」
ほうきを出すキリアンの腕を掴んだのはダニーだ。
「ちょっとまてよ、また騙されるにきまってんだろ!」
「スカーレッドがそんなことするわけない」
キリアンは思い切りダニーの手を振り払った。
「今回ばかりはこの腰抜けと同意見だ、怪しすぎるぜ」
アマーティがダニーに賛同するほどに危険な手紙だ。キリアンがその異様さに勘付かないわけないが。
「俺は一人でもいく、だからとめないでくれ」
そう言い放ちキリアンはほうきに跨り校舎を飛び出した。
「キリアン!戻ってくるんだ」
ユーリの声もキリアンには届かず、
その俊敏さについていけるものは誰もいなかった。
「もうほっとこうぜ、あんなやつ」
早々に授業に戻ろうとするのはダニー。
それに続いてみんな授業に戻っていく。
「待てよ、みんな!さすがに危険すぎる。
キリアンを追う意思のある者はいないのか?」
「わりぃけどユーリ、今回俺はパスだ。どうやらあいつの頭はいかれちまってる。行っても意味ないぜ」
アマーティですら名乗りをあげなかった。
一体誰がいくのだろうか。
「僕とバレッドはいくとして、ユーリもついてきてくれるのかい?」
「本当か?俺は行くつもりだが」
「おまっ、、今回ばかりは俺もあまり行きたくないんだが」
軽く無視された。意思のないイエスマンだと思っているのだろうか。
「君たちがついてきてくれるのはとても心強い、ありがとう」
「まぁありがとうは皆んな生きて帰ってきた時にキリアンから死ぬほど言わせるとして、今は急がないと」
「そうだな、急ごう」
「本当に行くのかよ、」
意味がないことはわかっているが軽く呟いた。
そうして俺たちはほうきにまたがりパレットカイ山まで向かった。
〜パレットカイ山〜
「スカーレッド!スカーレッド!どこだ!!返事をしろ!!!」
返事は無く昆虫の鳴き声だけが鳴り響いた。
薄暗くとても不気味な森だ。
ガサッ
「誰だ!?」
人気を察知し、構えをとるキリアン。
「後ろだよ、」
「クッ、」
キリアンは背後を取られ首を絞められた。




