誘い③
俺たちは寮に帰りクラス会議を開いた。
「俺は帰る!」最初に口を開いたのはダニー。まぁこいつは脱出するだろうとは思っていたが。続けてリオナ,アニエス,キリアン、ミューラと脱出を望んだ。
「他に脱出するものはいないか?」
もう誰も手をあげなかった。
「それでは俺も脱出させてもらう」
ユーリもか、意外だ、こいつがいなくなるのはだいぶ痛手だが。
「やはりこのシステムはおかしいと思っている。他の方法で魔法使いになれるのであればそちらを選びたい」
まぁ真っ当だな。
それならもういっそ全員で脱出したほうがよくないか、とは感じたが異世界素人はあまり発言しない方がいいのだろう。
「ティアは一緒にこないのか?」
「ありがとうユーリ、でも私は残るね」
「そうか、、それでは今から南西の海岸に向かう、それぞれ準備はいいな」
「ほんとっ腰抜けばっかりだぜ」
相変わらずのアマーティー。まぁこいつは仮に残ったのが自分1人でも脱出はしないだろうな。
「それではティア、アマーティー、ジェームズ、ジェラード、バレッドとはここでお別れだ。短い間だったがありがとう」
「待って、僕とバレッドついていってもいいかな」
こいつまた勝手に
「ジェームズも行くのか?」
「あぁ、やっぱりこのやり方はおかしいかなって、」
「そうか、それでは向かおう」
もうここに戻ることはないのか、まぁもっと平和な暮らしがしたいと思ってたからちょうどいいのかもな。
俺たちはほうきにまたがり南西へ進んで行った。
海岸につくとそこには1-2の生徒と2隻の船がとめられていた。
「みなさん、こちらの船です、15人乗りになります!狭いですがご了承ください!」
声をかけてきたのは先ほどの青い少年。
「ありがとう、サイド。恩に着るよ」
「全員はこられなかったのですね」
「そうなんだ、強い意思を持ったものは中々意見を曲げないからな」
「ティア様もですか?」
「あぁ、そうだが、なぜティアを?」
「それはもう入学前から有名でしたので!
私の憧れの存在でもあります。一度お目にかかりたかったですが少し残念ですね。」
雑談を交えながら出航の準備を進めてくれている。単純にいい奴だ。でもなぜ1-1なのだろうか。
「それでは出航準備ができました、ご搭乗ください!」
「みんな行こう」
俺たちは船に乗り込んだ。
「操縦はできますか?」
「あぁ、問題ない、ありがとう、助かったよ。」
そうして俺たちは離岸した。
「やったぁ、このクソみたいな島から脱出したぞ!!」
ダニーが雄叫びをあげた。
「と思ったらサメに食われたりしてな」
ミューラがおもしろおかしく茶化した。
「怖いこと言うなよ」
こいつらもただの少年少女なんだよな。重すぎたおもりから解放されたように見えた。
「どうした、ジェームズ、元気ないな」
「僕は騙されてると思ってついてきたんだ、でも何もなかったみたいだね」
「おいおい、ジェームズ滅相もない事言うなよ〜やった島から出れたんだぜぇ」
ダニーはそう言いながらバナナを貪っている。
その時急に船が大きく揺れた。




