弱虫ダニー①
「いっっっ、、、たくない」
俺たちは寮に帰りティアの治療を受けている。
「これ一度受けてみたかったんだよな、」
怪我する前より体の調子がすこぶる良い気がする。
「ティアもすまない、俺のせいで無駄な労力をかけてしまって、」
反省するキリアン。
「ううん!全然気にしないで!私にできることはこれくらいだから!」
あぁ、天使だ。
「それにしてもほんとみんな無事でよかったぁ」
抱きしめたい。
「アニエス、こっちは特になにもなかったか?」
「特に何も、、、。あぁ、そういえば」
「ど、どうした!?」
ユーリが詰め寄る
「ユーリ、がっつきすぎ、そんな常に気はってて疲れねぇのかよ?」
ダニーが茶化す。
「、すまない。で、どうしたんだ?」
「明日学園長からイベントが発表されるって手紙が」
イベント、、嫌な予感しかしないが。
「イベント、、なんか楽しそうじゃない??!」
「ミューラはほんとにいつもポジティブだな」
引きつった笑顔でアニエスが応える。
「楽しむしかないでしょ!!」
陽キャは異世界にもいるんだな。
「えぇ!!!!????復活の権利を争うサバイバルバトル??な、なにそれめっちゃやばそうじゃん、」
「あはは、ミューラ昨日の調子は、」
次の日、発表されたイベントは死んでも生き返ることのできる権利を争う、まさに『バトルロワイヤル』だ。
「ルールを説明する。クラスから参加できるのは2人まで。参加者は肩に赤いワッペンをつけてもらう。最終的に勝ち取った2人はクラスメイトにその権利を譲り渡すことはできない。また、クラスで片方のみが生き残った場合、もう1人の参加者を復活として、その権利を両方に与える。」
「ユーリ、それは強制参加かい?」
「あぁ、そうだ、おそらく生徒に動きがないから学園側が人数減らしのためにしかけてきたのだろう。」
他のクラスからしたら本格的に戦いがはじまるわけだ。俺たちは例外だが。
「一回生が5クラス、二回生が4クラス、3回生が5クラスだから参加者は28人、」
「つまり、そのうち26人が死ぬ、、」
口にしたその数はクラスに重くのしかかった。
「おい、弱虫、お前出ろよ」
「は?誰が弱虫だぁ?」
「じゃぁ出んのかよ」
「でねぇよ???」
「お前が一番弱いんだからこういう権利もらっとけ」
「あ?なんだと?」
アマーティとダニーのいつもの言い合いだ。
「まぁでもダニーには無理よね、字汚いもの」
リオナの一言。
「たしかに、このまえダニーの部屋行ったけどめっちゃ汚かったしな、」
アニエス。
「まぁ、ダニーも無駄死にしたくないだろう。」
ユーリと続く。
「お、おまえらな!?いい加減にしろよ?」
ダニーがブチギレた。
「わかったよ、出てやんよ!?俺が権利勝ち取って帰ってきたらお前ら全員土下座しろよ??」
「威勢がいいな、弱虫」
「ただし!」
ダニーが俺の肩を掴んだ。
嫌な予感。
「バレッドと2人ででるぜ?」
うわ、だる。
「なんでまた俺なんだよ、1人で出ろ弱虫」
「誰が弱虫だ!ルールだ!ルール!」
少し高い声で怒鳴り声散らかす。
「いや、名案かもしれない」
余計なことはしゃべるなよ、キリアン
「おそらく学園でも最強の部類に入るバレッドとクラスで一番弱そうなダニー」
「誰が弱そうだ!」
「強いものと弱いものが復活の権利を手に入れることができれば有利にこれからの学園生活を進めることができる、、気がする。」
「たしかに、今後のイベントでダニーが外に出ざるを得ない状況が生まれるかもしれない。」
キリアンとユーリにここまで言われてしまったらもう終わりだ。
「わかったよ、出ればいいんだろ、」
「ありがとう、バレッド、毎度助かるよ」
ユーリにはいつも助けてもらってる。
まぁ、この能力を手に入れた者の宿命なのかもしれない。
「申し訳ないが決戦は3日後で時間もない、それまでダニー中心に授業も進めていこう。」
朝のクラス会議終了のチャイムが鳴る。
「それじゃぁ今日は終わりだ、次の授業の準備をしてくれ」
終了後、ダニーが俺の席へやってきた。
「なぁ、バレッドォォォ、まじでよろしくな、、」
「あ、あぁ」
いかにもみんなの前で見栄張ったんだろうな、みたいな口調と形相だな。
「俺そんな強くねぇからよぉ」
「、、、そうだな。」
「そうだなってなんだ???」
なんなんだ、こいつは。
でも校舎の外に出る覚悟を決めただけ大きな成長か。




