家族⑥
スカーレッドはその炎をキリアンに向けて振りかざした。
「なにっ」
「どうやら間に合ったみたいだな」
「バレッド!?」
スカーレッドの放ったフレイムはバレッドがバリアで受け止めた。
「どうしてここに!?」
「あぁ?俺もよくわからん、とにかくお前ら、キリアンをここから離れた場所へ連れてってくれ」
ジェームズとユーリはキリアンに肩をかして岩陰へと連れていった。
「君たちまで」
「まぁクラスメイトだからね!」
「すまない、」
「全くだな、しかしまだこちらが劣勢なのには変わりない」
「あなたはキリアンのお友達?」
「いや、そういうわけではないが」
「それじゃぁなにしにここにきたの」
「敵を殺すっていう目的があればこの学園では十分だろ?」
「そうね」
スカーレッドは少し笑ってみせた。
2人の距離は5メートルほど。周りの炎はさらに燃え上がりどんどん広がっていく。
この火を全て扱えるのは厄介だな。
「フレイム!!!」
バレッドは炎をスカーレッドめがけて大量に炎を放射した。
「そんな使い方したら大火傷するよ?」
スカーレッドは炎に炎をぶつけた。
「敵にそんな心配してる余裕あるのかな」
「ならこっちはもっと使わせてもらうね」
周りで適当に燃え上がっていた炎が急に目の色を変えてバレッドに襲いかかる。
しかし、その炎は見えない壁にぶつかっているかのようで、まるでバレッドには当たらない。
「な、なぜ!?」
〜〜〜
『もし俺と敵、1対1のシチュエーションになったら俺の攻撃の妨げにならないギリギリのところまでバリアをはってくれないか?』
『たしかに別の魔法を使いながらバリアも出すことは不可能だ』
『この前、1-2の青髪もクラスメイト全員を使って岸からあのバリアをつくりあげていたね』
『そういうこと』
〜〜〜
むちゃくちゃ熱いのには変わりないが、死ぬほどの熱さじゃない。
「でも君、炎を前から出してるってことは正面はガラ空きなんでしょ?」
「だからさ、突破してこいよってこと」
「おもしろいね」
スカーレッドは森で燃え上がっている炎、全てを操りその全てをバレッドにぶつけた。
「ユーリ!あれは流石にまずいよ」
「そうだな、しかし、俺たちがバリアを解除すればバレッドは焼け死ぬ」
「ちょっと待ってくれ、あいつはどうしてあの超魔法を使わないんだ?」
キリアンが素朴な疑問をぶつけた。
「それが、」
〜〜〜
『え!?超魔法をつかわない??』
『あぁ』
『どういうことだ、バレッド』
『理由はうまく伝えられないが今回の敵では少し厳しいんだ、』
ユーリとジェームズは顔を見合わした。
『まぁ、絶対勝つ、任せておけ』
〜〜〜
「あいつまさか、、」
キリアンが何かを感じ取った。
「さすがにもう熱くてたまらないでしょ?」
「あぁ熱すぎる、こんな役二度とごめんだ」
「大丈夫、あなたはもう炎を出せない体で生まれ変わるの」
「でもこれがお前の最大限だよな?」
バレッドが少し笑顔をみせた。
「どうかしら」
「俺はまだ1割も出してねぇよ?」
「そんなハッタリ通用するとでも思ってるの?」
明らな嘘だと笑ってみせるスカーレッド。
「じゃぁ、、、見てみるか?」
バレッドの腕は既に大火傷を負っている。いまにもひざから崩れ落ちそうだ。
「体はボロボロなんだが、、炎はまだでるってきかねぇんだよ」
バレッドは息切れをしながら大幅に火力をあげた
「くっ、、、」
さすがのスカーレッドもこれには一歩引いた。彼女の体にも大分負担がかかっている。
「逃げるのか?もっと近くでやり合おうぜ」
バレッドは一歩前に出た。
スカーレッドも最大限まで火力を上げる。もうどちらが倒れてもおかしくない。
〜「お前の魔法が憎い」〜
あの時のキリアンの言葉が俺をここまで苦しめるとはなぁ。
でももう終わらせてもらう。
「なぁ、キリアンの、兄弟」
「なに、?」
「最後に、言い残したことは?キリアンに、伝えておく」
「ふざけないで、」
「だいぶ苦しめられたよ、、お前と、お前の兄ちゃんには」
「でもな、、火力がちげぇんだよ」
バレッドはもう一段階火力をあげた。
外から見ていてもバレッドの炎が敵の炎を打ち消すほどに圧倒した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「キリアン!なに読んでるの!」
「魔法使いの本だよ!」
「魔法使い?」
「うん!すごく強くてみんなを守ってくれてるんだ!」
「かっこいい」
スカーレッドは目を輝かせた。
「だから将来はみんなを守る魔法使いになるんだ!!」
「私もなる!!!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『キリアン、私はただ、あなたと一緒に、』
炎は徐々に消え、完全に力尽きたスカーレッドは地面に倒れ込んだ。
「やった!完全勝利だよ!バレッド!!」
ジェームズとユーリが駆け寄る
「あぁ、そうだな。」
「あそこまで火力をあげれるなんて、すごいな君は」
キリアンは岩陰から動くことができずただバレッドを見つめることしかできなかった。
「なぁ、キリアン」
バレッドは徐々にキリアンに歩み寄る。
「お前が俺のことをどう思ってるのかはどうでもいい、反乱の立役者だと思ってくれても構わない、それでも、、」
バレッドは手を差し伸べた。
「俺はお前らのために戦うよ。」
〜『よろしくね!キリアン!』〜
幼少期の頃の記憶がフラッシュバックした。
「あぁ、ありがとう」
笑顔を見せたキリアンは差し伸べられた手を強く握りしめ再び立ち上がった。




