家族④
「一人で来てくれたんだね、ありがとう」
「スカー、レッド、何のつもりだ」
「私たちはもうここで死ぬんだよ」
「ラニエニ、さんの復讐はどう、した」
「まだそんなこと言ってたんだ、ちょっとがっかり」
「アイ、ス」
キリアンは特殊魔法でつくった氷の槍をスカーレッドの腕に突き刺そうとした。
「おっと」
腕を緩めた瞬間を見逃さず、なんとか首絞めを掻い潜ることに成功した。
「ゴホッゴホッ、ゴホッ」
「そんなに鋭利な槍つくれるようになったんだね、避けなくてもいいかなぁって思ったんだけど、ちょっと怖かった」
そう言って微笑むスカーレッドから恐怖心は感じられなかった。
「なんのつもりだ」
「キリアンを殺そうと思ってね、そして私も一緒にね」
「それをどういう意味だか説明しろ」
「私、ずっと考えてたんだよね」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1人の少年は虐待を受け続け、最終的に家から追い出された。
居場所を失った少年はゴミを漁りながら生活をしていく。
汚い身なりで誰も少年に手を差し出す者はいなかった。
もう無理かもしれない、全ての希望を失った少年はいっそもう死んでもいいと考えていた。
そんなある日
「君は帰る家がないのかい?」
声をかけてきたのはひとりのおばあさんだった。彼女の名前はラニエニ。孤児を見つければ引きとり大人になるまで育てる、それが彼女の人生であった。
「名前は?」
少年は名前で呼ばれたことがなく自分の名前を思い出すことができなかった。
「そうかい、それじゃあ今日からキリアンだ」
それから少年はキリアンとしてラニエニの下生活をするようになった。
「今日からここで生活をするキリアンだ、みんな仲良くするように」
そこには少年と同じくらいのこどもが何人もいた。
「わー!新しい家族だ!私スカーレッド!
今日からよろしくね」
差し出された右手に少年ははじめて人のぬくもりを感じた。
それから少年は不自由なく、たくさんの愛を受けて幸せに暮らしていく。
あの反乱があるまでは、、。
キリアン13歳。
燃える村、焼け野原、人の死体。全て少年にとってはじめての光景であった。
「おい!そこの建物の裏!!!誰か隠れてるなぁ??出てこい」
建物の裏に隠れたラニエニと孤児たちであったがキリアンがたまらず咳き込んでしまい魔法使いに見つかってしまった。
「出てこねぇならこっちから向かわせてもらうぜ!?」
絶対絶命。
「みんな、私が時間を稼ぐからあの方面に向かって走りなさい!」
「そ、そんなの無理だよ、ラニエニさんがいないと」
「絶対に戻ってくるから、あなたたちなら大丈夫。」
そう言って少年、少女たちを抱きしめた後ラニエニは飛び出した。
「いきなさい!!!!!」
その合図で涙ながらに少年たちは一斉に走り出した。
最後に振り返った時ラニエニは魔法で脳天を撃ち抜かれ焼けた野原に倒れ込んでいた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




