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ばたばたと魔王城の中が慌ただしくしている中1人落ち着いている男がいた。
「団長この班ですがどこに配置させましょうか」
「…………」
「団長?」
「ん?あぁ、考え事していたんだ。」
「何か気になることでも?」
「んーそうだね」
「団長が気になるってことは結構な確率で当たるんですよ」
「僕の感って案外冴えてるねー」
「それで何が気になるんですか?」
「この襲撃というか周りの被害は首都を一周しているだろ?まるで魔王城の周りを誰も来れないようにしているみたいでさ」
「確かにそうですね」
「………アイロス君さ補佐官くんに着いといてくれない?」
「シンラ殿にですか?」
「うん、魔王様も心配だけどもしかしたら補佐官くんも危ないかもだしね」
「私たちより強い彼に危機が迫ったらそれこそ世界の終わりですよ…」
「あはは!」
――――――――――――――――――――――――――――
「魔王様次にこの件ですが…」
ドォォォォォォォォォォォォォォン!!!
「何事だ!」
大きな音と共に城が揺れる
バタバタと急いでやってくる兵
「魔王様!ご無事ですか!?」
「あぁ、俺は大丈夫だ。何があったのだ」
「それがどこから突然攻撃があり城の一部が破壊されました!」
「何!?」
「至急団長と兵が見に行き対応しております!」
「そして城の周りの森に火がまわってると報告聞きました!そちらは別部隊が対処しております」
「厄介事が次から次へとっ…」
自分の椅子に座り次の行動をどうするか考える。
「魔王様」
「なんだシンラ」
「対応は軍に任せるとして魔王様は一旦奥の部屋に移動すべきかと」
「ふむ。」
「あちらは防御も固くただの砲弾会議はそこでもできます」
「…分かった」
部屋に向かいながら疑問をもった魔王が呟く。
「きっとあの攻撃はアルータ国の仕業ですね」
「奴らは一体何が目的なのだ?」
「恐らくこの国を落として自分の物にでもしようと考えているのでしょう」
「条約を破ってでもか?」
「頭の悪い王の考えです、自分の懐を潤したいだけですよ」
「お前中々言うな…」
「王弟は優秀なんですがね」
「それは聞いたことがあるな、兄とは違って民のことを良く見ていると」
「そうですね、あの方は立場とかを考えず様々な人と交流するのが好きな方ですから」
ふっと穏やかに笑うシンラに少し驚いた魔王様
「……そんな顔もするのだな」
「なにか?」
「いやなんでもない」
その頃、城の一部が砲弾で破壊され瓦礫の山となっている場所を
団長と一部兵が確認していた。
「団長…これは」
「あぁ、この砲弾は人間の国のものだね」
「あいつら協定をなんだと思ってんだ!」
「人間の考えていることは何年経ってもわからないもんだよ」
「シンラ殿も分かりにくいですしね」
「いや、あれは違う部類だろ」
「確かに」
シンラは人間で本来ならば魔族に力が及ばないはずなのに何故かシンラには勝てる気がしない。
「おーい、とりあえずこの状況を魔王様に報告に行くよー」
「はい!」
ガチャ
「魔王様、城への攻撃ですがー」
「あぁ、何か分かったか?」
「あれは人間の国による攻撃ですね」
「やはりそうですが」
「あれ?補佐官くんは分かってたの?」
「魔族へ攻撃しようと思うバカはあそこしかないと思いましてね」
「なるほどー」
「これでとりあえず敵は分かりましたので後はどう対応するかですね」
「外の森の火災はアイロスがなんとかしてくれるだろう」
「はい、ただそれのせいで今はどこも手薄になってしまっています」
「そうだな」
「人間が城を攻めようと思うのなら先にこっちから攻めてもいいよね」
「だが、何処にいるのか分からんぞ?」
「それは大丈夫です、騒ぎが始まってから諜報部員を走らせて怪しい所を探してもらってたのである程度場所の特定はできてますよ」
「そうか、ではそっちはお前に任せるとしよう」
「分かりましたー、補佐官くんは魔王様の側にいてついといてね」
「お任せ下さい」
「はは、ネズミみたいにうろちょろするからそろそろ叩きのめすかー」
「……殺しはするなよ」
「分かってますってー!ただちょーっとお話でもしようかと」
「…………」
「ではいってきまーす」
「あぁ。」