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|||||||||||||||ドミノ|||||||||||||||  作者: 仙葉康大
並川七実の第四章
23/27

最後の一牌

 完成する。

 私が持っているこの最後の一牌で。

 このドミノは、きっと玄武高校にも負けていない。

 優勝できる。だから、この牌を置けばいいだけ。

 なのに、手の震えは止まってくれない。

 努力は報われない。中学のときに学んだ。

 だから、高校では努力なんてせず、楽しいと思えることをしようと思った。

 ドミノ部に入ってドミノを並べる日々はただただ楽しかった。

 でも、それだけじゃない。

 楽しいことばっかりで気づきにくかったけど、最後の一牌を握った瞬間、気づいてしまった。

 私は努力してきたんだ、ここまで。

 毎日ドミノ牌を並べて、並べて、並べて、汗を流して、倒れた牌をまた並べなおして。

 楽しかった。けど、まぎれもない努力の日々でもあった。

 私だけじゃない。呑神先輩も、一花ちゃんも、なんだかんだ言って帰宅部の人たちだって。

 努力してここまで来たんだ。

 みんなの努力の総量を思えば思うほど、震えてくる。

 あと数秒しかないのに。

 もうダメ。

 目をつむったその瞬間。

 震えが、止まった。

 いや、止めてくれたのだ、一花ちゃんが。私の手に手を重ねて。

「ほら、置くわよ」

「うん」

 最後の一牌を置く。ブザーが鳴る。

 残り時間0秒。私たちのドミノは完成した。


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