表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋の義姉が俺をいじめている男と付き合い、俺は冤罪で家と学校から追い出される。 もう俺には何もわからない。  作者: panpan


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/28

金河 誠児③

かなり短いです。

「夜光の・・・友達?」


「はい。 友達と言っても子供の頃の話なんですけど・・・」


「本当に夜光の友達なんですか? そんな話、聞いたことがありませんが・・・」


「仕方ありません・・・引っ越してから1度も会ってませんから。

でも小さな頃の写真なら持ってます」


 俺はポケットから古びた写真を夕華さんに手渡した。

それは、子供の頃に取った俺と夜光の数少ない写真だ。

そこに映っている俺達は、無邪気に笑っていた。


「・・・確かに、子供の頃の夜光ですね・・・」


「あの・・・夜光は元気にしてますか?」


「・・・」


 俺の何気ない問いに、夕華さんはなぜか目をそらし、写真だけを返還した。


「どうかしました?」


「・・・元気と言えば元気です」


 釈然としな言い方に、俺は夕華さん何かを隠していると直感的に感じ取った。


「夜光に何かあったんですか?」


「それは・・・」


「教えてください・・・夜光に何かあったのなら、俺は力になりたいんです!」


「・・・」


※※※


 俺の気迫に押されるような形で、夕華さんは夜光の話をしてくれた。

立ち話もなんなので、近くの喫茶店に場所を移して。

夕華さんが傷ついた夜光を養っていること・・・夜光と夕華さんが、義兄妹の壁を越え、愛し合っていること・・・そんな夜光が、複数の女性を関係を持っていること・・・。


「そんな・・・」


 俺には信じられなかった。

ちょっと人間不信なところはあるが、夜光はとても心の優しい男だ。

一緒に笑って遊び、俺がケガや病気になった時は、自分のことのように心配してくれた。

子供の頃の話だけれど、俺にとっての夜光はそういう人間だ。


「正直、ショックが大きすぎて、自分でもどうすれば良いかわかりません」


 語り終えた後、夕華さんはぽろぽろと泣き出した。


「夕華さんは今でも夜光を愛しているんですか?」


「・・・はい」


「俺には何が本当なのかはよくわかりません。

夜光のことは信じていますし、あなたの話が嘘だも思えません。

だから・・・俺は直接夜光と話をしたいんです。

それでどうなるかはわかりませんが・・・本当に夜光があなたを裏切ったというのなら、俺はあいつにきちんと詫びさせたいんです。

会ったばかりの俺のことを信用するのは難しいと思います。

だけどどうか・・・信じてください」


「・・・」


「夜光は今どこにいますか?」


「・・・私の家にいると思います」


「案内してくれますか? 話がしたいんです」


「・・・はい」


 俺は夕華さんの案内で、彼女と夜光が暮らすマンションへと向かった。

この時の俺の心情は不安定だった。

時が経って、あいつにも変化があっただろう。

だがどんなに変わっても、夜光は俺をこの世につなぎとめてくれている最後に繋がりだ。

これを失えば、俺はきっと生きていくことができなくなる。

だからこそ、何が起きても、俺は夜光を信じると決意していた。


※※※


「ここです・・・」


 夜光と夕華さんが暮らしているマンションはかなり高級な場所だった。

俺は2人の部屋の前に立ち、夕華さんがドアのカギを開錠する。


「どうぞ・・・」


「おじゃまします・・・」


 俺は意を決して中に入った。


※※※


「なんだ?この声?」


 リビングに入るのと同時に、俺の耳にうっすらと声が聞こえてきた。

何を言っているのかはほとんど聞き取れないが、その声が発生している部屋は特定できた。

俺が動く前に、夕華さんがすばやくその部屋のドアを開いた。


「なっ!!」


「!!!」


 俺と夕華さんが見たのは、ベッドの上で全裸の男が全裸の女2人と行為に及んでいた光景だった。



次は夜光視点を挟んだ後、誠児視点に戻りたいと思います。

話もいよいよ終わりに近づいてきました。

マインドブレスレットもよろしく。

<https://ncode.syosetu.com/n4723ec/>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ