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マキリ   作者: 黛 凡応
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北海道開拓物語

シャッ、シャッと男は大きな鉈を研いでいた。


 男は呟いた。


「サク、お前の敵は俺が取ってやるからな。お前は心おきなく成仏してくれ…」


男の脇には小さな位牌があって、表に「釈尼浄睛」と戒名が彫ってあり、裏には「昭和十年七月十日 俗名 咲之」と彫ってある。


そこへ妻のミヨが茶を持って来た。男が位牌を持って震えているのを見てミヨは隣に座って茶を出しながら言った。


「しかしなんでここまで不幸なことがうちは起きるんですかねぇ・・?サクちゃんなんてあんな綺麗な子がクマに足引きちぎられて片足になって、死んでからまたクマに喰われて・・・。ウチはクマに呪われてるんでしょうか・・・?」


「熊の呪いか・・・・・・。言われてみればそうかもしれんなぁ・・・。しかしいろんなことがあったがあのクマだけは許せん!」


男の名前は清作という。この位牌は妹のものなのだ。


清作は仏壇から何やら錦の袋を取り出した。

そうしてまた呟いた。

「あのクマ野郎は絶対に許さん!」

そしてそれを元あった引き出しに入れると、その晩は寝た。明日からはクマ狩だ・・・。




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