006話〜俺ノ実力〜
ユーザンが話しているのを聞いていると突然視界がぐらつき始めてとてつもない疲労感に苛まれた。
「おや、そろそろ休んだ方が良さそうじゃのう」
そう言うと杖を何も無い壁に向けて呪文らしきものを唱えた。
すると、その壁が輝き始めて俺たちを優しく包み込んだ。輝きが収まると何も無かった壁から扉が現れていた。
そして、俺はユーザンの方を借りて扉の中へと入った。
そこには、キングサイズ級のベッドと高級そうな机とソファが置かれていた。
ユーザンは俺をベッドの上に寝かせると
「今日はもう休んでおれ」
と言った。
そこで俺の意識は、闇の中に吸い込まれた。
『次の日の朝』
俺が目を覚まして伸びをしていると扉の向こうから声がした。
「ツキ起きてるか〜?
朝食出来たから食おうぜ!」
俺は体をねじって素早く起きていつの間にか用意されていた服と皮の胸当てを身に付けた。
恐らくユーザンが用意してくれたのだろう。
着替えを終えて、俺は部屋を出た。
すると食事が並んだ机で俺の事を待っていたケンとユーザンの姿があった。
「ごめん、待たせた?」
「いや、大丈夫じゃよ
そんなことより早く食べないとトーストが冷めてしまうぞ?」
そう聞くと俺は急いで席に着いた。
机の上には、焼きたてのトースト2枚に目玉焼きとベーコンが添えてあるものとこれでもかと言うほど大量に盛られたサラダがあった。
とても美味しそうだ。
「「「いただきます!」」」
サラダの量には少し驚いたがあまりの美味しさにものの15分くらいでトーストもサラダも食べ切ってしまった。
「「「ごちそうさまでした!」」」
朝食を食べ終えて、片付けも済ませると
俺はユーザンに聞きたかったことを聞いた。
「強くなるって言っても具体的に何をすればいいのか教えてくれないか?」
「なーに、簡単じゃ
強くなるには魔物を狩ればいいのじゃよ」
「「魔物?」」
「そうじゃ
おぬしらこれを見て見るんじゃ」
そう言って2枚の丸まった紙を懐から取り出して
俺たちに1枚ずつ渡した。
「これは?」
「それは、見てからのお楽しみじゃ」
昨日の今日で、同じことをするとは思えないけど一応頭痛が来ることを警戒しながら紙を開いてみた。
───ツキ=タカハシ───
Lv 1
体力 100/100
魔力 00/00
筋力 1
守備力 1(+30)
素早さ 1
耐性 100
取得スキル:言語理解(初級)
討伐数:0
────────────
と書かれていた。
なんだこれ?
と思っているとユーザンが答えを教えてくれた。
「それはおぬしらのステータスを映し出してくれる紙じゃよ」
(え、俺弱過ぎないか?嘘だろ・・・?)