第3話
昼休みの時間。
いつも通り学校のテレビをつけ、魔法の粒子が流れ始める様子を見守っていた。
《今、全世界に魔法の粒子が流れました。》
アナウンサーの言葉が終わった次の瞬間。
「ステファイ、ステファイ」
「マジック、我の下に発動せよ。」
「※〇#£○◇◆*@」
呪文のような言葉が教室中に響き渡る。隣のクラスからもそのような言葉が聞こえる。
きっと学校内の全員が唱えているのであろう。俺と佐川以外は。
「「お前らバカだな。そんなに定番な呪文を唱えても意味ないだろ。なんか変わった呪文でやってみろよ。『メドゾック』とかさ。」」
「!!!」
俺と佐川の言葉がすごいくらいハモった。すると、みんなが目を丸くして俺らを見てきた。
「ん、どうした?」
「佐川と吉田。お前ら背中。」
沢田が俺らの背中を指す。
「は?」
俺が背中を見ると、翼が生えていた。
「「・・・・・・なんじゃこりゃーーーー!!!!!」」
思わず佐川と絶叫。
「なぁ光輝。飛べるかな飛べるかな?」
なんか佐川が超目を光らせて聞いてくる。
なんかキモい。
「さぁ?やって見れば?」
俺も少しどんな感覚なのか知りたくて、少し羽をパタパタさせていた。うん。動かしやすい。
「ヤッホー!!」
すると佐川が開いてる窓に向かって走りだし、外にダイブした。
「あっ、ちょっと待て!!」
俺も翼を広げ、窓から飛び立った。
そのまま楽しく30分位校庭の上空10メートルを飛び回った。
~帰り道~
「なぁ光輝。今日お前の家で遊んでいいか?」
「良いぜ。」
そんな会話を佐川としているうちに、家に着いた。
「ん、光輝。お前のポストになんか大きな封筒が入っているぞ。」
佐川が、ポストの中に入っている封筒を取り出しながら言った。
「差出人は国からだ。」
俺が封筒を開けながら佐川の言葉を聞き流す。
すると中には、青くて直方体の物体に、ホログラム機能が埋め込まれている腕時計のようなものが入っていた。
「何これ?」
佐川が顔を突っ込んできた。
「さぁ?」
「国からの封筒なら俺の家にもあるかもしれない。ちょっと取ってくる。」
佐川は自分の家の方向に走って行った。
それを見送った後、俺は歪んで空きにくい家の鍵を開け、家の中に入った。
(なんだこれ。)
俺は取り敢えず左腕に着けてみた。
そして、封筒の中に一枚の紙を見つけた。
その紙には、『取り扱い説明書』とかかれていた。
四つ折りにされたA4の紙を開くと中には、大きな字でこう書かれていた。
『魔法の腕時計で検索』
「説明書けよ!!!」
思わず怒鳴っちゃた☆