第1話.虎と龍
今日からここの生徒かぁ。
桜並木の道をゆっくり歩いて立ち止まる。地面にはピンクのじゅうたんが出来上がっていた。
真新しい制服、スクールバック。これらを見るたびに、緊張が高まる。
学校の校門前で立っているのは、櫻井 明日香という名前の女子高生。理由ありで西城高等学校に転入することになった。長い黒髪をポニーテールにし、何度も何度も手鏡で身だしなみを確認する。
変じゃないかな。最初って肝心だから緊張するよ…。
そう思いながらも、校門を通り、靴箱へ向かう。
確か、事務室へ向かうんだよね。あ 校内の案内図貰ったのに忘れた。
しまった…。ますます緊張するよぉ…。
「そこのレディー」
真正面からここの生徒に声をかけられた。
“レディー”って言われた…。うわ、見た目柄悪っ。
男子が3人。全員柄シャツが白いシャツから丸見えで、髪が派手。どこからどう見ても不良だ。
「見ない顔だな。転校生?何年?」
これってナンパ!?こういうの怖いし、何されるか分かんないし…。答えた方がいいのかな。
明「あ、あの」
『答えなくていいぜ。転校生。』
私の肩に大きな手が乗っていた。自分の手より大きな手は、肩から離れ、先頭にいた柄の悪い男子の顔面を殴った。一瞬のことだった。私でもよく分からなかった。柄の悪い男子たちは目を丸くして立ち尽くしてしまっていた。
『ほら、次』
「虎ぁ…てめぇ…!!」
“虎”と呼ばれた男子は、髪が紅色。あの柄の悪い男子たちより綺麗に見える。この人は不良なの?見た目はそうかもしれないけど、私から見れば、そうじゃないかもしれない。
『もう終わりか。』
くるりと不良たちに背を向け、歩き出した。
明「あ 待って!!」
『ん?』
明「お礼言ってない!!」
「隙あり!!」
虎さんが立ち止まった時、不良の一人が飛び出す。
明「虎さん!!あぶな…!!」
あれ?
不良が私の目の前でいなくなっていた。下を向くと、うずくまって倒れている姿を見つけた。
「お、お前…龍…!!」
龍と呼ばれた男子は、髪が銀色。虎さんと同じ感じがする。
『ったく…探したぞ。』
『悪い悪い。』
虎さんと龍さんは知り合い?
『さ、行こうぜ。』
明「え、あ あの!!」
『ん?』
明「助けてくれてありがとうございました。」
深深く頭を下げる。
『えっと…とりあえず頭上げなよ。』
『そんなに堅くなるなって。』
私の右手は虎さん。左手は龍さん。二人の手が私の手を引いた。
『事務室はこっちな。櫻井明日香ちゃん。』
明「私の名前分かるんですか?」
名乗ってもいないのに。
『これなーんだ?』
虎さんの左手には西城高校の生徒手帳。名前の欄には“櫻井明日香”と書いてある。
明「私の!?」
ブレザーのポケットに入れたはずの生徒手帳が無くなっていた。
『校門で拾ったんだ。』
そう言って、明日香に返す。
全然気づかなかった明日香は、生徒手帳をブレザーのポケットではなく、鞄の中に入れた。
『着いたぞ。俺らはもう行くから。チャイムなるし。』
『後は事務の先生に聞けば分かるだろ。』
二人は私より何歩か前を歩く。
明「色々ありがとうございました。」
『いいってことよ。またな。』
ヒラヒラと手を振り去っていった。
私の脳内では、あの二人のことが浮かんでいた。
あの二人、一体何者?
初めまして&こんにちは
鷹羅と申します。
前から投稿していたもの新しく書き直しました。
前から読んでくださっていたら申し訳ありません。
書き直しました!!以上です!!
描いた後に「あーこれってこうした方がいいかなぁ」って思ってしまう系なんです(笑)
いつ編集しているか分からないので、その辺はご了承ください。
キャラクターはあんまり変わってないと思います。
主人公は、櫻井 明日香という、ごく普通の女子高生です。
虎と龍のプロフィールは、この次の話で分かると思いますので。
次回も頑張ります。
暑いけど、扇風機に当たりながら頑張ります。(アイスが欲しいです)