イト
「幼稚園の頃一緒だった宮下澄夏だよ、覚えてない?」
そう帰り道に出会った同い年くらいの女に言われた
家に帰り面倒くさいと思いながらも幼稚園の頃の卒アルのページを捲っていった
するとその女の子が居た下の名前にも゛みやした すみか゛と書いてある
あぁ、コイツかと思い卒アルをしまいベッドに横になった
「えーんえーん」
これは・・・小さい頃の僕だ
側には二つくくりの可愛らしい女の子も居る
「ほらっ、しっかりしなしゃいよっ!」
まだ幼稚園の年少なのか上手く言葉が発っせれていない少女が幼い僕に話かけていた
「うえーん、痛いよーっ」
幼い俺は脚を怪我していた
転んだと言うよりは糸のせいだろう足に絡まり強く締め付けられて切れたように血が出ていた
今の自分と同じ現象だった
声を出して泣いている僕に少女は
「男の子がそうかんたんに泣いちゃだめっ」
少女はそう言い僕を立たせてお菓子を渡して先生の所まで連れて行ってくれた
そこで目が覚めた
気付いたら朝になっていた
僕は寝たのか・・・独りでそう解釈して着替えて朝ごはんを食べて家を出た
さっきの夢が本当なら
あの子に酷いことをしたな・・・
そういえばあの制服、同じ学校だったな・・・
その子の事を意識しながら登校した
一人の人の事を考えながら登校したのは小学校以来かもしれない
俺は薄く微笑んでその子の淡い黄緑色の糸を辿った