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武将 古田織部 第18話 古田家の評判

春の陽が村の道を白くしていた。

重然が家の前で荷を受け取っていた。

縄を解き、包みを抱え直したとき、

道の向こうで二人の男が立ち止まった。

声は低く、風に混じって途切れた。

「……古田の家は、よう働く。」

「評判は悪うない。」

その言葉のあと、男たちは歩き出した。

足音が土を軽く叩き、すぐに遠ざかった。

重然は荷を戸口へ運んだ。

戸の影が朝の光で細く伸びていた。

中から爺が出てきて、荷を受け取った。

「重然。

道ばたの声は、よう聞いとけ。」

爺は荷を抱えたまま井戸の方へ歩いた。

重然は箒を取り、家の前を掃いた。

家の前を、別の村人が通った。

ちらりと家の方を見て、すぐに視線を戻した。

歩幅は一定だが、肩の動きが硬かった。

陽の光が家々の屋根に反射し、白く瞬いた。

家の戸が開き、父が出てきた。

衣の裾が風に揺れ、影が地面に落ちた。

父は道を一度だけ見渡した。

その視線に、通りかかった者が軽く頭を下げた。

父は何も言わず、家の前をゆっくり歩いた。

その背に、村人の視線が短く集まり、すぐに散った。

重然は箒を握り直した。

家の前の土が、朝の光で薄く光っていた。


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