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異世界美容院Angeli  作者: イタズ
第4章 変わりゆく異世界編

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新たな美容師の誕生

パーマ液が完成してから半年が過ぎていた。

パーマ液はその後何度もバージョンアップを繰り返し、匂い問題は概ね解消した。

未だ僅かながら気になる匂いは残っているものの、ここまでくれば施術に支障をきたす者では無くなっている。

ジョニーや髪結いさん達が懸念した、お客への負担は無くなっていた。




今日の俺達は一段と気合が入っていた。

それもその筈で、遂に髪結いさん達の美容師試験を行うからである。

審査官は美容師の『ANGELI』一同が務める。

この試験を合格すれば、俺の名の下、国王へ推挙されることに成っている。

即ち合格者は国が認めた美容師となる。

そして美容師免許が発行され、美容院を開業することを許されるのだ。


まさか、自分が異世界で美容師試験の試験官を勤める事になるとは、想像の斜め上をいっている。

でもそもそも異世界で美容院を開業することがあり得ないことだ。

今となっては随分と慣れてきってしまったのだが・・・

それに家族公認だしね、俺よりも美幸や親父の方が楽しんでいる気がするのだが・・・気の所為だろうか?


そんな事はいいとして、筆記試験は既に終わっている。

全員筆記試験は合格していた。

受験者はアイレクスさんと、幹部の二人、副会長のブレンダさんと、フィービーさん。

他にも受験したいと望む声もあったが、まだそのレベルに達していない為、お断りさせて頂いた。

そう簡単に受験できるものではないと考えて貰えると助かる。

因みにシャンプー試験同様にこちらも費用が掛かる。

受験費用は金貨二枚とそれなりに高額だ。

でも合格すればそんな金額は簡単に稼ぐ事ができる。

市井では『ANGELI』以外の美容院を待ち望んでいる者は多い。

その理由は『ANGELI』は超人気店の為、予約を取れない事で有名であるからだ。

予約の予約は受け付けていない為、時には一日に何度も予約を入れようと訪れる者もいるぐらいだ。

本当に申し訳ないと思う。


さて、実技試験に入ろうと思う。

お題はオールパーパスだ。

決められた時間内に完成させなければならない。

そして俺を含む四名の美容師が合議制で合格か不合格かを判定する。

俺以外の内のスタッフ達も鼻が高いのだろう。

何時になく気合が入っており、顎が上がっている。

気持ちは分かるが程々にね・・・


モデルのお客さん達も心なしか、緊張している様子。

まあ、そうなるよね。


「さて、始めようか?」


「「「はい!」」」

力が入っている三人、今にも鼻息が漏れそうだ。


「では!始め!」

施術に取り掛かる三人。

緊張感がひしひしと伝わってくる。

眼を皿の様にして見つめているシルビアちゃん達。

おおー!審査員の顔になってますねえ。

いいじゃないか。


忙しなく動く三人。

真剣そのものだ。

俺は指の動かし方や、姿勢等を入念にチェックする。

特に姿勢は大事だ。

これが崩れるのは頂けない。

やはりアイレクスさんがずば抜けて施術が上手だった。

そりゃそうだろう、しょっちゅう家の店に出入りしては、俺の眼を盗んで俺の弟子達から教わっていたんだからさ。

ちゃんとばれてますよってね。

今と成っては別にいいけどさ。

それに噂によると、伯爵の娘さん相手に毎日練習をしているのだとか。

まああの子も好きに受け入れている様なので、文句はないけどね。

意外にモニターさんを集めるのって大変なのだが、この世界ではもうモニターはよく知られており、逆にモニターになりたいという人が多いのだとか・・・

確かに無料で施術が受けられるから経済的にも良いのだろう。

世知辛いですなあ。


そんな事はさておき、終了時間を前にしてアイレクスさんが手を挙げていた。

これは終わりましたよのサインである。

それを受けて審査員が全員集まり、審査を開始した。

それに続く二人も、三分後には揃って手を挙げていた。

俺は心の中でウンウンと頷いた。

練習の成果が発揮できた様子。

三人ともやり切った表情をしていた。

それは爽やかな笑顔だった、全力で挑み、真剣に向き合ってきた証であろう。

俺はそんな彼女達を誇らしげに感じていた。




数日後の伯爵邸では、美容師免許の贈呈式が執り行われていた。

三人とも無事合格を果たしたのである。

ヘンリー国王から美容師の証となる賞状が授与されていた。

アイレクスさん始め、髪結い組合の髪結いさんが遂に美容師と成ったのであった。


この快挙にメイデン領は沸いた。

美容院『ANGELI』以外にも、美容院が開業されると期待の眼差しが多く向けられていた。

競合を作ろう作戦は遂に完結しそうである。

だが、そうは問屋が卸さない。

そう安々と事は運ばなかったのである。



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