南木アヤネ4
योद्धा गुलाब की तरह नाचते हैं
(戦士は薔薇のように舞う)
黒い血がアヤネの腹部で形成した自動詠唱機が作動し
彼女の体内でアドレナリン類似物質を分泌
意識を戻し身体能力を上げる
खून से नहाया पक्षी उड़ नहीं सकता
(血を浴びた鳥は飛べない)
自動詠唱機が作動しグリコーゲン類似物質を分泌
アヤネの筋力を強制的に増強する
मूर्ख तब तक नाचते हैं जब तक वे मर नहीं जाते
(愚者は踊り死ぬ)
自動詠唱機が作動しエンドルフィン類似物質を分泌
アヤネを強い覚醒状態に導く
जिन्हें प्यार किया जाता है वे धरती पर लौट आते हैं
(愛は地に帰る)
自動詠唱機が作動しドーパミン類似物質を分泌
アヤネは止まるを知らない
自動詠唱機は常に観測する
状況に合わせ体内で必要に応じた物質を生成・分泌を行う
これは利用者本人の意思・生命に関係なく任務を強制執行するための装置であり
現在は第三種執行状況であると判断されている
「ぶ……ぶぶ………」
南木アヤネは口から黒い泡を吹き
瞳孔の開いた目をギラつかせ
黒い鼻血は流れるままに
周囲の重力を捻じ曲げた
女の持つ瓦礫は数本の鉄筋を残して崩れ去り
彼女のまとう光も
アヤネの黒い瘴気に吸い込まれていく
アヤネは再び殴りかかる
やたらと重い打撃は不完全な質量では防ぎきれず
光の壁はやがて亀裂が入り
女にアヤネの手が伸びる
救いの手だ
救いの手だ
私を地獄から引き上げてくださる救いの手が
いま初めて私に差し伸べられている
女は泣いていた理由を変えることが出来た
しかしアヤネの手は赤子に伸びた
मौत दे दो
(死を与える)
自動詠唱機が状況を判断
目標を確認
黒い血に含まれるニュートラリーノを右手掌より放出
神を殺す
女に抱かれた赤子が黒く燃える
女は輝きを失うも赤子を離さない
やがてそのまま赤子は消滅し
微笑む女も息絶えた
辛い現実を信じることが出来なかった
優しい嘘を信じることでしか救われなかった
悲しい女は死して涅槃に辿り着いたと信じよう
तुम शुद्ध हो जाओगे
(魂の潺)
自動詠唱機が作動し
アヤネを支配する過剰な物質を中和する
思考を取り戻し状況を認識した南木アヤネ
面倒に巻き込まれる前に逃げるのはもちろん
黒い血の装甲を一刻も早く取り除かないといけない
色々危険だからというのもあるが
なにより悍ましくてたまらないのだ
実際似たようなものだが
かさぶたを剝がすように装甲に手をかける
隙間から指を入れびりびりとめくる
気持ち悪い
状況終了を判断した装甲は蒸発するように消えていく
主成分は体内に吸収されていくのだろう
カランと軽い音を立て
アヤネの股間から短刀が排出される
正確には下腹部の皮膚より生成され放出されているのだが
彼女は制作者の悪趣味に嫌悪感を覚えずにいられない
「さて、逃げるか」
アヤネは路上に転がるバイクにまたがり颯爽と逃げる
今回は街が壊れて数千人が死んだ程度で済んだ
次も上手くいけばいいのだが
「兄貴のようには、なれないからな」