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第4章の登場人物・用語・国家

※第4章に登場する主な人物と国家について、なるべくネタバレしないようにまとめました。

備忘録としてご利用ください。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆登場人物◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


【帝国(ブルグント帝国)】

●エリザベス・エヴルー(女主人公)

金髪、緑色の瞳。21歳。愛称:エリー。

エヴルー“両公爵”家当主。

ラウリカ王国国王の養女となり、第一王女殿下の称号も得る(婚姻後も継続)。

面立ちは亡き母に酷似、瞳と髪は父譲り。

ラウリカ王国アルトゥール王太子の婚約者だったが諸事情で辞退する。

その直後母の故国であるブルグント帝国に“大移動”しエヴルー女伯爵となる(この一時期、氏名がエリザベート・エヴルー)。

帝室の第三皇子ルイスから求婚され、婚約者となる。しかし帝室の家族事情に巻き込まれ、第二皇子による毒殺未遂の被害者となる。

また数度に渡り、皇太子からルイスとの結婚に圧迫をかけられる。

実父ラッセル公爵と、義父となったラウリカ王国国王の援護を受け、ルイスと共に皇太子の目論見を回避し、皇太子は重罪により最終的に毒杯を与えられる。

婚約式の半年後に結婚式を挙げ、無事に婚姻するが、皇太子の葬儀中、皇太子妃への襲撃事件で負傷する。

皇太子の弔問団と条約締結でメアリー百合妃と共に、帝国を訪問していたアルトゥール王子に薬物を使われ、クレーオス医師により解毒される。実は第二皇子が脱獄し、皇太子とある医師とで企てた計画だった。

皇妃の出産に伴い、“中立七家”のエリザベスを始めとした当主夫人が乳母兼教育係となる。

またアンジェラを負傷させ追放処分となり、逆恨みしていたラゲリーの計画を予想し対策を提案する。

帝都邸で発見された抜け道案件に捜査協力し、利用者は脱獄した第二皇子と侍医で逮捕される。

エヴルー“両公爵”領に初等学校を設立し領歌を定める。

20歳で第一子を妊娠するが、安定期になるまで公表は控える。

帝国南部の不作原因、“熱射障害”に気づき、対策を立案し王国にも助力を求める。

帝国南部に接する連合国の動きを把握し、“限定的天使効果”の持ち主である先代大公妃の“手紙”を用いるなどの手法を献策し、南部戦争を陰で支えた。

これらの功によりミネルヴァ第一等勲章を授与される。

ルイスと共に家訓を定める。

第一子を出産、ルイスがオリヴィアと名付ける。


●ルイス・エヴルー

黒短髪、青い瞳、右頬に傷痕あり。23歳。愛称:ルー。

エリザベスの夫、エヴルー“両公爵”家当主。エヴルー騎士団団長。

ブルグント帝国第三皇子から、エリザベスとの婚姻を機に臣籍降下する。

エリザベスが帝国へ“移動”する前に発生した前回の南部紛争で、皇帝の勅命により指揮官となり勝利する。英雄とされるが、帰還後、味覚や嗅覚を消失し、日常生活に適応できない、戦時ストレスとなっていた。

エリザベスと偶然に出会い、症状が寛解する。その後、出会うたびに惹かれ、エリザベスの才能を利用しようとする皇太子から守る意味でも求婚し婚約する。

その途上で、6歳の時、皇太子と第二皇子により服毒させられ、毒殺未遂の被害者となり、毒見役の乳母は死亡した事を知る。

7歳で帝国騎士団の小姓となり、帝室の後宮から離れた生活を騎士団で送る。

順当に騎士見習い、史上最短の15歳で騎士となり、参謀部に勤務していた。

脱獄した第二皇子が関与した事件、帝都邸の抜け道事案も捜査し、第二皇子を処刑した。

エヴルー公爵家騎士団が認可され閲兵式を行う。

エリザベスの妊娠後、情報的“籠城戦(ろうじょうせん)”などで妻子を守る。

“熱射障害”により不作となった南部の治安維持に貢献し、南部戦争を指揮し勝利に導く。ミネルヴァ第一等勲章を授与される。

エリザベスと共に家訓を定める。

帝国騎士団参謀部を辞職し顧問となり、他公爵家騎士団との連携を取る。

エリザベスとの第一子をオリヴィアと名付ける。


●アーサー

亡き母アンジェラからエリザベスが相続していた、エヴルー伯爵領の代官を経て、エヴルー“両公爵”家領 地 邸(カントリーハウス)を任される。エリザベスとルイスからの信頼が厚い。


●マーサ

エヴルー伯爵領地邸の侍女長として登場し、後にエリザベスの専属侍女となる。エリザベスへの忠誠心が非常に強く、エリザベスとルイスからの信頼も厚い。

皇城へ入城するため子爵家と養子縁組する。

元々は帝国南部出身で男爵令嬢。

二十数年前に発生した南部紛争で被害を受け、父と兄は戦死、母と帝都への避難中に、天使の聖女修道院院長の元で保護される。

エヴルーでエリザベスの母アンジェラの専属侍女となり、王国へも随行するが、エリザベスの妊娠中に母が病に倒れ帝国へ帰国。3年後に母とアンジェラを相次いで亡くし、王国へは戻らず、エヴルー伯爵家に仕える。

南部戦争に際しエリザベスの立案に貢献する。

前々回の紛争で戦死した父と兄の墓があるとわかり、エリザベスから南部の旅行に同行を求められる。


●クレーオス(マキシミリアン・リュカ・クレーオス)

休暇中の王国侍医長として登場。

若い時に用いていた通称は、マックス・リュカ。リュカは母の実家、一代男爵家の姓。

第二皇子に毒を盛られたエリザベスを心配した、父・ラッセル公爵の依頼を受け帝国を訪問する。

王国きっての名医。

正式にエリザベスの侍医となる。

若い時、帝国の医術学校研究科へ留学。同窓の親友の妹が、“天使効果”の持ち主で研究を始める。効果ある治療法を見つけ、帝国に再留学した際には兄妹は殺害されていた。

その後も研究を重ね、“心酔者”になった者の治療に成功している。

抜け道事案でも協力、第二皇子母の治療も行う。

エリザベスの妊娠後も献身的に支え、出産時はオリヴィアを取り上げる。

また皇帝からも相談などを受けている。


●天使の聖女修道院院長(女性)

エヴルー伯爵領内にある、帝室の庇護も受けている歴史ある修道院の院長。

エリザベスの亡き母アンジェラとも深い関係があった。

元画家のシスターの手によるアンジェラの絵画を、エリザベス、タンド公爵家、ラッセル公爵へ譲る(タンド公爵家やラッセル公爵家では、“天使効果”により画家が“心酔者”となり、絵画を残せなかった)。

エリザベスのエヴルー伯爵家時代から、領地運営に力を貸し、“新殖産品”に協力する。

エヴルー“両公爵”家となった後も、良好関係を継続する。

南部戦争の工作として炊き出しの会を指揮し、連合国で困窮している民を救い帝国への難民になるよう誘導する。

この功績により修道院にミネルヴァ第一等勲章が授与される。

エリザベスの安産祈願をルイスに依頼され毎日行っていた。


【タンド公爵家】

●公爵[ラルフ]

アンジェラの兄。エリザベスの伯父。皇帝の側近を務める国務大臣。

エリザベスから伯父様と呼ばれる。

ルイス6歳児の毒殺事件などに関して、さまざまな資料をエリザベスとルイスに提供する。

エリザベスのエヴルー公爵家のお披露目に、エメラルドのパリュールとドレスを贈る。

アンジェラを負傷させたラゲリーの逮捕を見届けた。

南部の不作の“熱射障害”、南部戦争、北部の熊害(ゆうがい)対策に奔走し、ミネルヴァ第二等勲章を授与される。


●公爵夫人[エレナ]

アンジェラの親友。“天使効果”が効かなかった一人。エリザベスの伯母。

社交界のファッション・リーダーの一人。

エリザベスを非常にかわいがり、伯母様と呼ばれる。“中立七家”の調整役。

学遊玩具(がくゆうがんぐ)”の店“フォンス”を“中立七家”で経営する。

南部の不作支援の支持を“シリアリス(穀物)派”というファッションで示す。

また妊婦と子どものための店“テルース”のため、エリザベスや嫁達でテストを行い開店させる。


●長男[デュラン]

エリザベスの従兄弟。皇城の文官。

タンド公爵家の従属爵位であるノール侯爵を継ぐ。

南部の“熱射障害”、南部戦争関連で働き、また熊害(ゆうがい)が発生した領地で指揮をとる。


●次男[ピエール]

エリザベスの従兄弟。ルイスの親友。帝国騎士団勤務。

タンド公爵家の従属爵位であるウィンド伯爵を継ぐ。

エリザベスがエヴルー伯爵を継承したことにより従属爵位などで皺寄せを受け、アンジェラと共に悪感情を持っていたが、エリザベス本人と交流し考えを改めた。

南部戦争に隊長として参戦し第三等ミネルヴァ勲章を授与される。


●長男の妻[ハンナ]

●次男の妻[シェリー]

ピエールの妻はアンジェラの“天使効果”により、婚約解消となった縁戚(マギー伯爵夫人)がいる。相手方一族との関係改善のための政略結婚。

マギー伯爵夫人:無自覚だった“天使効果”の後遺症でエリザベスに赤ワインをかけようとし、ルイスにかけてしまう。本人は修道院に入ると強く希望したが、周囲に取りなしで謹慎処分となる。

※ハンナ・シェリー共に、エリザベスからお義姉様(ねえさま)と呼ばれ、友好関係を結ぶ。

第三章終了時、二人ともに妊娠中。



●先代公爵[エリック]

亡き母アンジェラの父。エリザベスの祖父。

アンジェラの“天使効果”に理解しておらず、帝立学園でのイジメなどを阻止できなかったと強く後悔している。

領地運営には長けていたが、熊害(ゆうがい)に会い、重傷を負う。クレーオス医師の形成手術を受ける。


●先代公爵夫人[ミカエラ]

亡き母アンジェラの母。エリザベスの祖母。

アンジェラの“天使効果”による事件以降、心が弱っていたが、夫の負傷によるショック療法で、以前の騎士の妻らしくしっかり者に復活する。


【帝室】

●皇帝[オットー]

皇妃を溺愛するあまり、第二皇子母側室の悪阻中に皇妃へ通い、第二皇子と第三皇子(ルイス)は数か月差で生まれた同い年となる。

この事により第二皇子母側室に同情が集まり、後宮でのルイスの立場が悪くなる原因を作る。

私的なコミュニケーション能力が低く(本人の自覚なし)、周囲がフォローしている。

ルイスに前回の南部紛争の出征を命じた際、『“絶対”に事態を収拾させろ。前回の二の舞はするな』との過酷な帝命を下す(前回の紛争は全面戦争一歩手前で、人心をまとめるため皇子で帝国騎士団参謀であるルイスを指揮官として派遣する“絶対”の帝命のため、達成できなければ生還するな、と言われたも同然とルイスも周囲も理解していた)。

ラゲリー事件では“限定的天使効果”の手紙に対処した。

後継者を第五皇子と定め、その次代はカトリーヌ嫡孫皇女と第五皇子の子女から選ぶ方針とする。

南部の不作の“熱射障害”、南部戦争、北部の熊害(ゆうがい)の中、側近達と共に政務を執る。

“熱射障害”に協力を申し出た王国と、二国間協定を結ぶ。

私生活ではその言動により、皇妃から離婚届を突きつけられ、サインさせられる(皇妃預かり)。

皇妃が可愛がるエリザベスに嫉妬し、ウォルフに加減した嫌がらせを引き受けさせていたが、クレーオス医師などに相談し改心、ルイスとエリザベスに手紙を記す。


●皇妃

皇太子、第三皇子、第五皇子の母。第一皇女マルガレーテを出産する。

“限定的天使効果(声)”の持ち主。第二皇子母の側室に恨まれ、絡まれている。皇帝のフォローに努めていたが、ピンクダイヤモンドの件で悩まされ受け取りを拒否する。

ルイスに対しすまなく思い、陰ながら目をかけている。

年齢による不調のため、エリザベスをハーブティーの調合師に任命する。

“中立七家”が第一皇女マルガレーテと皇妃の後ろ盾となる。エヴルーへ“里帰り”する。

南部の不作の対策“シリアリス(穀物)派”の広報に務める。エリザベスの妊娠をルイスの情報的な“籠城戦(ろうじょうせん)”に加わり安定期まで隠す。妊娠中のエリザベスを気遣い、皇帝とウォルフ騎士団長の言動を怪しみ、離婚届を突きつける。

オリヴィアには受洗式のベビードレスと銀のスプーンを贈る。


●皇太子(故人)

サイコパス。“限定的天使効果”の持ち主である母・皇妃に執着するあまり、第二皇子を籠絡し、6歳のルイスに毒を盛り、乳母を殺す。

エリザベスとルイスの婚姻の妨害も度々行う。

過去の悪行と異常行動が皇帝にも知られ、表向きは季節外れの疫病に倒れ療養中だが、実際は薬剤による不調で、皇太子妃の出産後、毒杯を与えられ死亡する。死亡後も仕込んでいた事件が発生する。


●皇太子妃→皇女母

“限定的天使効果(声)”の持ち主。皇太子に娶られる。侯爵家出身。

カトリーヌ嫡孫皇女を出産する。

悪阻による不調のため、エリザベスをハーブティーの調合師に任命し、出産後も続く。

亡き夫皇太子への思い入れが強く、三毛猫の編みぐるみをそっくりに仕立てたり、使っていたコロンを用い、一緒に食事をしようとしていた。

皇妃の導きにより、カトリーヌ嫡孫皇女のため、“シリアリス(穀物)派”の広報など積極的に行う。私的には居室に『亡き夫(前皇太子)の部屋』を作り遺品を飾り安心する場所を作っていた。


●第二皇子(故人)

皇太子の策略によりルイスに悪意を向け、イジメ行為を繰り返す。ルイス憎しのあまり、エリザベスにも毒を使うが失敗し、生きては出てこれないとされる塔に幽閉される。しかし皇太子の工作で脱獄し、アルトゥールをたぶらかし、エリザベスに薬剤を用い暗示をかけ王国に連れ戻させようとするが、クレーオス医師が解毒する。

エヴルー帝都邸の抜け道事案で逮捕され、秘密裡にルイスにより処刑される。


●第三皇子

ルイス・エヴルーを参照。


●第四皇子

15歳(デビュタント済み)。母は側室で同盟国である大公国公女(養女)。

非常に賢く、帝王学などの評価は死亡した皇太子より上だった。

後継者に選ばれた第五皇子が即位した際は、皇兄として支えるよう、皇帝に命じられている。本人もわきまえた言動を取る。第五皇子との関係は良好。


●第五皇子

13歳(異例ながらデビュタント済み)。皇妃腹の第三子。

非常に賢く、帝王学などの評価は死亡した皇太子より上だった。

前皇太子没後、後継者に選出される。立太子の儀が南部の“熱射障害”による不作、南部戦争などで延期されるが、今年執り行われる。

皇太子妃は選出委員会により定められる予定。


●第一皇女[マルガレーテ]

皇妃腹の第四子。2歳(8月で)。

カトリーヌと面立ちが非常に似ている。賢帝とされた7代前の皇帝陛下の皇女殿下似で、カトリーヌと共に“吉祥の皇女”と呼ばれる。

水面下で王国のフレデリック王子との縁談が進行中(?)。


●嫡孫皇女[カトリーヌ]

前皇太子(故人)と皇太子妃(現皇女母)との子。2歳(7月で)。

マルガレーテと面立ちが非常に似ている。賢帝とされた7代前の皇帝陛下の皇女殿下似で、マルガレーテと共に“吉祥の皇女”と呼ばれる。

その血統により第五皇子が即位した際、後継者候補の1人とされている。


●第二皇子母の側室

同盟国である公国の公女。第二皇子を産むが、苦しい悪阻の際に皇帝が皇妃に通い、ルイスが生まれたため、皇妃とルイスを憎んでおり、後宮で皇妃に度々嫌がらせを行う(ピンクダイヤモンドも絡んでいた)。

第二皇子から薬物を盛られており、皇妃への度重なる無礼を理由に、離宮に幽閉され治療中。


●第四皇子母の側室

大公国の大公女(養女)。同盟の象徴意味を理解しており、目立たないように後宮で暮らす。穏やかで賢い。



【帝国騎士団】

●ウォルフ・ゲール

帝国騎士団団長、皇帝側近。

侯爵家出身(次男)だが、気さくな性格。

愛妻家、子ども有り。従属爵位の伯爵位を持っているが、領地経営は兄当主に任せている。

ルイスが小姓として入団した当時から、騎士叙任まで付いた騎士。入団当時は第三隊長副隊長。

ルイスの騎士叙任後もほぼ上官。子飼いの部下と目されている。

『人喰いウォルフ』と呼ばれるほど、コミュニケーション能力が高く、皇帝のフォローに回ることが多い。抜け道事案でエリザベスの助力を受ける。

南部戦争においては、大公国と交渉し、“限定的天使効果”の持ち主である先代大公妃の“手紙”を取得、連合国に潜入し工作、代表モランド伯爵に副代表ダートン伯爵を殺害させる。離脱に失敗し、ルカッツ伯爵に助けられ、戦場に援軍を指揮して現れた。

皇帝に泣きつかれた、エリザベスへの手加減した嫌がらせについては、愛妻エヴァから制裁を受けている。



【その他】

●マダム・サラ

帝都で1、2を争う人気服飾デザイナー。

タンド公爵夫人が後援している。エリザベスのドレスはここで調製されている。“シリアリス(穀物)派”のファッションや、“テルース”の妊婦のための衣服開発にも加わっている。


●アンナ・ノックス

エリザベスの友人。“中立七家”(用語参照)の侯爵家夫人。ノックス侯爵領には鉱山があり金属加工に優れている特性を生かし、新製品を開発している。


● マキシミリアン・オレトス

医術学校研究科の同窓生。

クレーオスの親友の兄妹を殺した犯人。皇太子に利用され、協力者となる。

最後は、全ての記録から名を削られるダムナティオ・メモリアエ(記憶の破壊)を受けた上、両脚を切断し、地下牢に“永年(えいねん)留置”にされ薬や治療方法の試験体となる。


● ドーリス公爵家

皇妃の実家。勢力争いに終始し、領地運営は放置状態。自分を私欲のために利用しようとし続けたため、皇妃は見放し、マルガレーテ第一皇女出産を契機に“中立七家”の後ろ盾を得た。

公爵家の序列で、2位から7位に転落。

さらに南部の連合国副代表ダートン伯爵家と通じていたと露見したため、侯爵家(序列最下位)へ降爵。当主は表向きは毒杯だが、皇帝の強い怒りのためオレトスと同じ処遇(両脚切断、生体実験体)となる。



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【王国(ラウリカ王国)】


●アルトゥール・ラウリカ

王国の王太子。金髪、赤紫色の瞳。21歳。

エリザベスとは6歳で婚約。16歳までは良好な関係だった。

“真実の愛”の相手、シャンド男爵令嬢をイジメたと婚約者のエリザベスを追及し、婚約を辞退され、立太子を取り消され、王子の身分に戻る。

男爵令嬢や、裏切っていた側近などの調書を読み上げ、男爵令嬢と性的関係を持っていた側近二人の肉体的処分の見学を、国王より命じられる。

また半年間、騎士団で地獄の特訓後、ソフィアとメアリー二人を正室として婚姻するが、エリザベスに執着するあまり、脱獄した第二皇子に暗示をかけられる。

皇太子の弔問団と条約締結のため、帝国を訪問するが、エリザベスを王国へ連れ帰ろうとし、皇女母と共に薬剤を盛る。クレーオス医師に解毒され、逆に王子として更生するよう暗示をかけられる。この件で帝国へは入国禁止となる。

二児(フレデリック、レティシア)の父親となる。エリザベスへの想いは残っているが制御している状態。新年の儀の際にエリザベスの妊娠を知り動揺していたが、ラッセル公爵に祝いの言葉を贈る。


●レオポルト・ラッセル

エリザベスの父。金髪、緑色の瞳。

公爵で宰相を務める。

エリザベスと亡き妻アンジェラを今でも溺愛している。“慈愛の宰相”と言われているが、非常に冷酷で有能。

皇帝にピンクダイヤモンドで交渉し、王国との友好通商条約を結ぶ。エリザベスへの助力を続けている。またアルトゥールの再教育も行い、ソフィアとメアリーには気遣う。

帝国の南部問題について、エリザベスを支援し、ソフィア薔薇妃を帝国へ派遣し、米の栽培支援などについて二国間協定を調印する。

エリザベスの妊娠に際し妻や自分の育児記録を送ったり、ベビードレスや魔除けのピアスを贈る。


●アンジェラ・ラッセル(旧姓タンド/故人)

エリザベスの亡母。

月の光を集めたような銀髪、湖のような青い瞳。

隣国(帝国)のタンド公爵令嬢で“天使効果”の持ち主。“心酔者”によるトラブルに巻き込まれ、帝立学園在籍中、ラゲリー・ペンテスの策略により腹部を刺される。エヴルー伯爵を相続後も“天使効果”に悩まされ王国への外交団に参加し、ラッセル公爵と結婚する。

エリザベスが3歳の時に亡くなるが、娘と夫を最期まで愛していた。

国外追放処分を受けたラゲリー・ペンテスは逆恨みし、大公国の先代大公妃の“手紙”を用い皇帝に暗示をかけようとするが、エリザベスに見抜かれ逮捕、処刑される。


●国王

国威を象徴したような厳正な政務を執る一方、自分が原因で子どもを儲けるのが難しく、それもあり王妃を自由にさせ、エリザベスの王妃教育も王妃に一任していた。

エリザベスには娘同様に目をかけ養女とし、アルトゥールとの婚姻の可能性を完全に無くす。

帝国南部の“熱射障害”には、ラッセル宰相と図り支援する(新型快速船による麻布の大量輸送、米の栽培支援などの二国間協定など)。この支援によりミネルヴァ第一等勲章を帝国から国家として贈呈される。

愛妾が妊娠、出産の際には王妃の養子とし、養育はソフィアとメアリーで行う。


●王妃

6歳時の婚約後、エリザベスの王妃教育を監修していたが、非常に厳しい内容だった。

アンジェラの“心酔者”で、エリザベスに完全を求めすぎるあまり、結果的に婚約解消となり、またアンジェラコレクションをラッセル宰相に処分され、気力をなくし、自主的幽閉で後宮に閉じこもるがエリザベスへ執着し続けている。

現在は不都合以外は、国王に毎夜通い続けられている。

愛妾の妊娠を知り、国王の寵愛から逃れられると思ったが叶わず、取り乱した時の発言(自分とアンジェラの血を受けた子ども以外いらない)から養育もできず、夜の務めに専念させられている。

エリザベス出産の情報は、警護にあたる騎士団などから手に入れたと思われる。アンジェラとエリザベスにまだ執着している。


●ソフィア薔薇妃

銀髪、水色の瞳。21歳。実家は穏健派筆頭侯爵家。

エリザベスの親友。アルトゥール王子の二人いる正妃の一人。

王立学園ではエリザベスの純潔を守るよう王妃から命令され報告書を提出していた。

エリザベスの婚約辞退後、アルトゥールと正室として婚姻し、薔薇妃殿下を称号を得る。

第一子フレデリックを出産する。

帝国を訪問し、南部の“熱射障害”による不作のため、米の栽培などを提案、二国間協定に調印する。


●メアリー百合妃

金髪、黄緑色(ペリドット)の瞳。実家は革新派侯爵家。21歳。

エリザベスの親友。アルトゥール王子の二人いる正妃の一人。

王立学園ではソフィアの報告書やエリザベスの言動についての査察官を務めていた。

エリザベスの婚約辞退後、アルトゥールと正室として婚姻し、百合妃殿下を称号を得る。

皇太子弔問団と友好通商条約締結のため帝国訪問を機に、アルトゥールと仲を深める。第二子レティシア王女を出産する。


● ドラコ提督

海軍入隊後も船団を率い、海賊退治をしながら、敵対勢力には容赦なく海賊行為も行っていた。

エリザベスを可愛がり、『お嬢』と呼ぶ。(おか)に上がった時は、友人であるレオポルトと酒を酌み交わす仲(王立学園時代、出席日数をギリギリに海に出て、色々と暗躍。落第回避に、勉学の面倒を見ていたのがラッセル公爵)。

“熱射障害”の防護に必要な麻布を、新式の快速船で、王国から帝国に運ぶ。

エヴルー邸訪問。父と国王の手紙を渡し、ルイスと飲み明かす(その際、船火事対応の消化器を知り輸入の口添えを頼む)。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆用語◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


【用語】

●“天使効果”及び“限定的天使効果”

俗に呼ばれる魅了効果に近いが、本人の意志は全く関係ない。また効果に差がある場合も多い。

崇拝するようになった人間を“心酔者”と呼んでいる。

登場人物の中で非常に強い“天使効果”の持ち主は、エリザベスの母、アンジェラ。クレーオス医師の親友の妹(故人)。歴史上では、天使の聖女修道院の初代院長が推定される。

“限定的天使効果”は、声、顔、作った料理、など、その一部で相手を魅了し、“心酔者”となる。

登場人物の中では、皇妃、皇太子妃が、声に“限定的天使効果”があるとされる。

クレーオス医師が“心酔者”の治療法を確立している。


●南部紛争

帝国南部と国境を接する連合国との間は緊張状態にあり、断続的に紛争が発生していた。

直近はルイスが指揮官を命じられ、短期で勝利した。

この前回は二十数年前に勃発し、帝国南部の広い範囲に争乱地域が及び、多数の避難民が発生、長期に及び全面戦争一歩手前となったが収束した。

被害を受けた多くの領主家が廃家となり帝室直轄領に組み込まれたが、近年ようやく復興が進み、新興貴族などに領地として与えられている。


●南部戦争

帝国南部を襲った“熱射障害”による不作は、さらに南に位置する連合国内では凶作となり、連合国政府は帝国南部への侵攻を企図する。

これに対し、帝国側もエリザベスの献策などでさまざまに工作し、連合国に最後通牒付き宣戦布告を行う。

最終的に戦端が勃発し、ルイスが指揮する帝国騎士団を中心とする帝国軍が勝利し、連合国は帝国の版図となる。


●ピンクダイヤモンド

元々はエリザベスとアルトゥールが王立学園入学時に交換しあった、ブレスレット型の腕時計と懐中時計の宝飾だった。

皇帝が以前から皇妃のために探し求めていたが、第二皇子母の側室も欲しがっており、後宮でのトラブルの種になり、結局は皇妃に拒否されている。それでも諦めていない。

皇妃が拒否を続けると、他者へ嫉妬などしてしまうとウォルフ騎士団長から助言され、南部の灌漑用水工事が完成の暁には受け取ることを了承する。


●エヴルー“両公爵”家領 地 邸(カントリーハウス)

エリザベスとルイスの婚姻に合わせ新築した。

狼煙の施設や騎士団棟もある。


●エヴルー“両公爵”家帝都邸(タウンハウス)

数代前の皇弟の邸宅を下賜してもらい、修理などした。植物好きだったり皇弟の趣味で、植物モチーフのアンティークな雰囲気。温室や騎士団棟もある。


●エヴルー公爵家騎士団

帝国では公爵家は私設騎士団を持つ。

ルイスが騎士団長。副団長は二人で、領 地 邸(カントリーハウス)帝都邸(タウンハウス)にいる。エリザベスは顧問を務める。


●“中立七家”

エヴルー“両公爵”やタンド公爵など、帝室に忠誠を誓い、勢力争いをしない、公爵家と侯爵家から成る。さまざまな経済活動も行なっている。

皇妃の後ろ盾となる。


●学遊玩具の店““フォンス”

“中立七家”が協力しあい運営している、子どものための店。


●妊婦と子どものための店“テルース”

“中立七家”が協力しあい運営している、妊婦と子どものための店。試験者として、エリザベスやタンド公爵家の嫁2人も協力した。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆登場国◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


【帝国(ブルグント帝国)】

大陸中最大版図と勢力を誇る。

海には面しておらず、大河を遡って交易している。

南部戦争に勝利し、連合国は新版図となる。

隣接国:王国、公国、大公国、他。


【王国(ラウリカ王国)】

海に面し帝国の3/2ほどの版図を持つ。

帝国とは現在、友好関係にある。

過去には帝国と戦火を交えたこともある。

戦争をすれば、どちらにも甚大な被害が出るため、数十年前から友好関係を保っているが、同盟国ではない(主に上下関係をつけたくない王国側の事情)。現在は友好通商条約と米栽培を支援する二国間協定を結ぶ。


【公国】

第二皇子の母である側室の母国。

小国だが、街道が複数通り、交通の要衝で、狭い領土にしては、非常に栄えている。地勢の関係で、守るにやすく、攻めるに(かた)い、地の理もある。血と財を費やして手に入れるより、同盟関係を結んでいた方が、帝国にとっては有益とのスタンスで外交関係を結んでいる。

また、交通の要衝に胡座(あぐら)をかき、“関税”“通行税”を企図しており、それは同盟国である帝国さえも除外しない、という強気だった。

導入理由は追加予算確保のため。

公国の主人(あるじ)である、公王一族の贅沢により、国庫は(から)に近く、享楽的な国家の疲弊は進んでいる。

高額が予想される“関税”“通行税”を支払うくらいなら、別の迂回ルート、たとえば水上交通があれば、そちらをとる、と交渉する一翼を、王国と帝国で担っている。

年々高まる公国の要求に、不満を溜めていた周辺各国との【共同宣言】を水面下で進めている。


【大公国】

帝国の同盟国。婚姻関係を定期的に結んでいる。

当代皇帝には、第四皇子の母である側室(先代大公養女)が嫁いでいる。

近年大公が亡くなり、息子が大公として即位している。未亡人となった先代大公妃は“限定的天使効果”の持ち主で、“文字”で書いた通りに数か月暗示をかけられる。

大公国在帝國大使館で飼い殺しにされていたラゲリー・ペンテスに利用され、“手紙”を書かされてしまう。事件解決後、修道院へ入会した。

南部戦争の際には、“心酔者”の治療方法と引き換えに、先代大公妃が記した“手紙”をウォルフに渡した。


【旧連合国】

帝国の南部と接する紛争相手国。

10家の貴族が集まった連合政府を形成し、代表と副代表を定めている。合議制としているが、現在は代表家の統治に近くなりつつある。

帝国との紛争の原因の多くが、病害や自然災害である。食糧不足に(おちい)った際、略奪目的で帝国への侵入を繰り返し、紛争が勃発している。

連合国代表、モランド伯爵家、副代表ダートン伯爵で、近年は世襲化していた。

“熱射障害”は連合国にも凶作をもたらし、国内醸成は不安定だったところに、帝国の工作により、国境地帯の連合国民が帝国へ“難民”申請し、村々から人の姿がなくなる。

ルイスが会談を申し入れ、条件付き宣戦布告書をモランド伯爵に渡し通告する。

この対応会議で、潜入していたウォルフとエリザベスの仕込んだ“影”により、“限定的天使効果”の手紙を読んだモランド代表が錯乱し、ダートン副代表を始めとした数人を殺害する。

この場を鎮めたのは十家の中でも良心的に治政していたルカッツ伯爵だった。逃げ遅れたウォルフもルカッツ伯爵が正体を見抜き、帝国側に逃す。

代表の座に着いた新ダートン伯爵も帝国の術中に落ち、夜襲を仕掛けたが、援軍と挟撃され敗戦。

連合国は帝国へ降伏し、新しい版図となった。

帝室直轄領となるが、旧十家の内の八家は代官を務め身分は保証された。治政が軌道に乗れば、返還協定を結ぶ予定である。


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悪役令嬢エリザベスの幸せ
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