第3章の登場人物・用語・国家
※第3章に登場する主な人物と国家について、なるべくネタバレしないようにまとめました。
備忘録としてご利用ください。
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【帝国(ブルグント帝国)】
●エリザベス・エヴルー(女主人公)
金髪、緑色の瞳。20歳。愛称:エリー。
エヴルー“両公爵”家当主。
ラウリカ王国国王の養女となり、第一王女殿下の称号も得る(婚姻後も継続)。
面立ちは亡き母に酷似、瞳と髪は父譲り。
ラウリカ王国アルトゥール王太子の婚約者だったが、諸事情で辞退する。
その直後母の故国であるブルグント帝国に“大移動”しエヴルー女伯爵となる(この一時期、氏名がエリザベート・エヴルー)。
帝室の第三皇子ルイスから求婚され、婚約者となる。しかし帝室の家族事情に巻き込まれ、第二皇子による毒殺未遂の被害者となる。
また数度に渡り、皇太子からルイスとの結婚に圧迫をかけられる。
実父ラッセル公爵と、義父となったラウリカ王国国王の援護を受け、ルイスと共に皇太子の目論見を回避し、皇太子は重罪により最終的に毒杯を与えられる。
婚約式の半年後に結婚式を挙げ、無事に婚姻するが、皇太子の葬儀中、皇太子妃への襲撃事件で負傷する。
皇太子の弔問団と条約締結でメアリー百合妃と、帝国を訪問したアルトゥール王子に薬物を使われ、クレーオス医師により解毒される。実は第二皇子が脱獄し、皇太子とある医師とで企てた計画だった。
皇妃の出産に伴い、“中立七家”のエリザベスを始めとした当主夫人が乳母兼教育係となる。
またアンジェラを負傷させ追放処分となり、逆恨みしていたラゲリーの計画を予想し対策を提案する。
帝都邸で発見された抜け道事案に捜査協力し、利用者は脱獄した第二皇子と侍医で逮捕される。
エヴルー“両公爵”領に初等学校を設立し領歌を定める。
第一子を妊娠しルイスに告げる。
●ルイス・エヴルー
黒短髪、青い瞳、右頬に傷痕あり。22歳。愛称:ルー。
エリザベスの夫、エヴルー“両公爵”家当主。エヴルー騎士団団長。
ブルグント帝国第三皇子から、エリザベスとの婚姻を機に臣籍降下する。
エリザベスが帝国へ“移動”する前に発生した南部紛争で、皇帝の勅命により指揮官となり勝利する。英雄とされるが、帰還後、味覚や嗅覚を消失し、日常生活に適応できない、戦時ストレスとなっていた。
エリザベスと偶然に出会い、症状が寛解する。その後、出会うたびに惹かれ、エリザベスの才能を利用しようとする皇太子から守る意味でも求婚し婚約する。
その途上で、6歳の時、皇太子と第二皇子により服毒させられ、毒殺未遂の被害者となり、毒見役の乳母は死亡した事を知る。
諸事情により、7歳で帝国騎士団の小姓となり、帝室の後宮から離れた生活を騎士団で送る。
順当に騎士見習い、最短で15歳で騎士となり、現在は参謀部に勤務している。
脱獄した第二皇子が関与した事件、帝都邸の抜け道事案も捜査し、第二皇子を処刑した。
エヴルー公爵家騎士団が認可され閲兵式を行う。
エリザベスから妊娠を教えられる。
●アーサー
亡き母アンジェラからエリザベスが相続していた、エヴルー伯爵領の代官を経て、エヴルー“両公爵”家領 地 邸を任される。エリザベスとルイスからの信頼が厚い。
●マーサ
エヴルー伯爵領地邸の侍女長として登場し、後にエリザベスの専属侍女となる。エリザベスへの忠誠心が非常に強く、エリザベスとルイスからの信頼も厚い。
皇城へ入城するため子爵家と養子縁組する。
元々は帝国南部出身で男爵令嬢。二十数年前に発生した南部紛争で被害を受け、父と兄は戦死、母と帝都への避難中に、天使の聖女修道院院長の元で保護される。
エヴルーでエリザベスの母アンジェラの専属侍女となり、王国へも随行するが、エリザベスの妊娠中に母が病に倒れ帝国へ帰国。3年後に母とアンジェラを相次いで亡くし、王国へは戻らず、エヴルー伯爵家に仕える。
●クレーオス(マキシミリアン・リュカ・クレーオス)
休暇中の王国侍医長として登場。
若い時に用いていた通称は、マックス・リュカ。リュカは母の実家、一代男爵家の姓。
第二皇子に毒を盛られたエリザベスを心配した、父・ラッセル公爵の依頼を受け帝国を訪問する。
王国きっての名医。
正式にエリザベスの侍医となる。
若い時、帝国の医術学校研究科へ留学。同窓の親友の妹が、“天使効果”の持ち主で研究を始める。効果ある治療法を見つけ、帝国に再留学した際には兄妹は殺害されていた。
その後も研究を重ね、“心酔者”になった者の治療に成功している。
抜け道事案でも協力、第二皇子母の治療も行う。
●天使の聖女修道院院長(女性)
エヴルー伯爵領内にある、帝室の庇護も受けている歴史ある修道院の院長。
エリザベスの亡き母アンジェラとも深い関係があった。
元画家のシスターの手によるアンジェラの絵画を、エリザベス、タンド公爵家、ラッセル公爵へ譲る(タンド公爵家やラッセル公爵家では、“天使効果”により画家が“心酔者”となり、絵画を残せなかった)。
エリザベスのエヴルー伯爵家時代から、領地運営に力を貸し、“新殖産品”に協力する。
エヴルー“両公爵”家となった後も、良好関係を継続する。
【タンド公爵家】
●公爵[ラルフ]
アンジェラの兄。エリザベスの伯父。皇帝の側近を務める国務大臣。
エリザベスから伯父様と呼ばれる。
ルイス6歳児の毒殺事件などにに関して、さまざまな資料をエリザベスとルイスに提供する。
エリザベスのエヴルー公爵家のお披露目に、エメラルドのパリュールとドレスを贈る。
アンジェラを負傷させたラゲリーの逮捕を見届けた。
●公爵夫人[エレナ]
アンジェラの親友。“天使効果”が効かなかった一人。エリザベスの伯母。
社交界のファッション・リーダーの一人。
エリザベスを非常にかわいがり、伯母様と呼ばれる。“中立七家”の調整役。
●長男[デュラン]
エリザベスの従兄弟。皇城の文官。
●次男[ピエール]
エリザベスの従兄弟。ルイスの親友。帝国騎士団勤務。
※長男・次男、どちらも既婚。妻がいる。
ピエールの妻はアンジェラの“天使効果”により、婚約解消となった縁戚がいる。
エリザベスからお義姉様と呼ばれ、友好関係を結ぶ。
●先代公爵
亡き母アンジェラの父。エリザベスの祖父。
アンジェラの“天使効果”に理解しておらず、帝立学園でのイジメなどを阻止できなかったと強く後悔している。
●先代公爵夫人
亡き母アンジェラの母。エリザベスの祖母。
アンジェラの“天使効果”による事件以降、心が弱っている。
【帝室】
●皇帝
皇妃を溺愛するあまり、第二皇子母側室の悪阻中に皇妃へ通い、第二皇子と第三皇子は数か月差で生まれた同い年となる。
第二皇子母側室に同情が集まり、後宮でのルイスの立場が悪くなる原因を作る。
皇帝としては有能でさまざまな才能も持つが、私的なコミュニケーション能力が低く(本人の自覚なし)、周囲がフォローしている。
ルイスに南部紛争の出征を命じた際、『“絶対”に事態を収拾させろ。前回の二の舞はするな』との過酷な帝命を下す(前回の紛争は全面戦争一歩手前で、人心をまとめるため皇子で帝国騎士団参謀であるルイスを指揮官として派遣する“絶対”の帝命のため、達成できなければ生還するな、と言われたも同然とルイスも周囲も理解していた)。
ラゲリー事件では“限定的天使効果”の手紙に対処した。
●皇妃
皇太子、第三皇子、第五皇子の母。第一皇女マルガレーテを出産する。
“限定的天使効果(声)”の持ち主。第二皇子母の側室に恨まれ、絡まれていた。皇帝のフォローに努めていたが、ピンクダイヤモンドの件で悩まされ受け取りを拒否する。
ルイスに対しすまなく思い、陰ながら目をかけている。
年齢による不調のため、エリザベスをハーブティーの調合師に任命する。
“中立七家”が第一皇女マルガレーテと皇妃の後ろ盾となる。エヴルーへ“里帰り”などし、ルイスとの関係は改善しつつある。
●皇太子
サイコパス。“限定的天使効果”の持ち主である母・皇妃に執着するあまり、第二皇子を籠絡し、6歳のルイスに毒を盛り、乳母を殺す。
エリザベスとルイスの婚姻の妨害も度々行う。
過去の悪行と異常行動が皇帝にも知られ、表向きは季節外れの疫病に倒れ療養中だが、実際は薬剤による不調で、皇太子妃の出産後、毒杯を与えられ死亡する。死亡後も暗示などで仕込んでいた事件が発生した。
●第二皇子
皇太子の策略によりルイスに悪意を向け、イジメ行為を繰り返す。ルイス憎しのあまり、エリザベスにも毒を使うが失敗し、生きては出てこれないとされる塔に幽閉される。しかし皇太子の工作で脱獄し、アルトゥールをたぶらかし、エリザベスに薬剤を用い暗示をかけ王国に連れ戻させようとするが、クレーオス医師が解毒する。
エヴルー帝都邸の抜け道事案で逮捕され、秘密裡にルイスにより処刑される。
●第三皇子
ルイス・エヴルーを参照。
●第四皇子と第五皇子
デビュタント前でも非常に賢く、帝王学などの評価は死亡した皇太子より上だった。ルイスに憧れ強く慕っている。
第五皇子が後継者に選ばれ、時期を選び立太子する予定。
第四皇子の母は大公国公女(養女)、第五皇子の母は皇妃。
●第二皇子母の側室
同盟国である公国の公女。第二皇子を産むが、苦しい悪阻の際に皇帝が皇妃に通い、ルイスが生まれたため、皇妃とルイスを憎んでおり、後宮で皇妃に度々嫌がらせを行う(ピンクダイヤモンドも絡んでいた)。
第二皇子から薬物を盛られており、皇妃への度重なる無礼を理由に、離宮に幽閉され治療中。
●第四皇子母の側室
大公国の大公女(養女)。同盟の象徴意味を理解しており、目立たないように後宮で暮らす。穏やかで賢い。
●皇太子妃→皇女母
“限定的天使効果(声)”の持ち主。皇太子に娶られる。侯爵家出身。
カトリーヌ嫡孫皇女を出産する。
悪阻による不調のため、エリザベスをハーブティーの調合師に任命し、出産後も続く。
亡き夫皇太子への思い入れが強く、三毛猫の編みぐるみをそっくりに仕立てたり、使っていたコロンを用い、一緒に食事をしようとしていた。
【帝国騎士団】
●ウォルフ・ゲール
帝国騎士団団長、皇帝側近。
侯爵家出身(次男)だが、気さくな性格。
愛妻家、子ども有り。従属爵位の伯爵位を持っているが、領地経営は兄当主に任せている。
ルイスが小姓として入団した当時から、騎士叙任まで付いた騎士。入団当時は第三隊長副隊長。
ルイスの騎士叙任後もほぼ上官。子飼いの部下と目されている。
『人喰いウォルフ』と呼ばれるほど、コミュニケーション能力が高く、皇帝のフォローに回ることが多い。抜け道事案でエリザベスの助力を受ける。
【その他】
●マダム・サラ
帝都で1、2を争う人気服飾デザイナー。
タンド公爵夫人が後援している。エリザベスのドレスはここで調製されている。
●アンナ・ノックス
エリザベスの友人。“中立七家”(用語参照)の侯爵家夫人。
● マキシミリアン・オレトス
医術学校研究科の同窓生。
クレーオスの親友の兄妹を殺した犯人。皇太子に利用され、協力者となる。
最後は、全ての記録から名を削られるダムナティオ・メモリアエ(記憶の破壊)を受けた上、両脚を切断され、地下牢に“永年留置”にされ薬や治療方法の試験体となる。
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【王国(ラウリカ王国)】
●アルトゥール・ラウリカ
王国の王太子。金髪、赤紫色の瞳。20歳。
エリザベスとは6歳で婚約。16歳までは良好な関係だった。
“真実の愛”の相手、シャンド男爵令嬢をイジメたと婚約者のエリザベスを追及し、婚約を辞退され、立太子を取り消され、王子の身分に戻る。
男爵令嬢や、裏切っていた側近などの調書を読み上げ、男爵令嬢と性的関係を持っていた側近二人の肉体的処分の見学を、国王より命じられる。
また半年間、騎士団で地獄の特訓後、ソフィアとメアリー二人を正室として婚姻するが、エリザベスに執着するあまり、脱獄した第二皇子に暗示をかけられる。
皇太子の弔問団と条約締結のため、帝国を訪問するが、エリザベスを王国へ連れ帰ろうとし、皇女母と共に薬剤を盛る。クレーオス医師に解毒され、逆に王子として更生するよう暗示をかけられる。この件で帝国へは入国禁止となる。
●レオポルト・ラッセル
エリザベスの父。金髪、緑色の瞳。
公爵で宰相を務める。
エリザベスと亡き妻アンジェラを今でも溺愛している。
“慈愛の宰相”と言われているが、非常に冷酷で有能。
皇帝にピンクダイヤモンドで交渉し、王国との友好通商条約を結ぶ。エリザベスへの助力を続けている。またアルトゥールの再教育も行い、ソフィアとメアリーは気遣っている。
●アンジェラ・ラッセル(旧姓タンド)
エリザベスの母(故人)。
月の光を集めたような銀髪、湖のような青い瞳。
隣国(帝国)のタンド公爵令嬢で“天使効果”の持ち主。“心酔者”によるトラブルに巻き込まれ、帝立学園在籍中、ラゲリー・ペンテスの策略により腹部を刺される。エヴルー伯爵を相続後も“天使効果”に悩まされ王国への外交団に参加し、ラッセル公爵と結婚する。
エリザベスが3歳の時に亡くなるが、娘と夫を最期まで愛していた。
国外追放処分を受けたラゲリー・ペンテスは逆恨みし、大公国の先代大公妃の“手紙”を用い皇帝に暗示をかけようとするが、エリザベスに見抜かれ逮捕、処刑される。
●国王
国威を象徴したような厳正な政務を執る一方、自分が原因で子どもを儲けるのが難しく、それもあり王妃を自由にさせていた。エリザベスの王妃教育も王妃に一任していた。
エリザベスには娘同様に目をかけ養女とし、アルトゥールとの婚姻の可能性を完全に無くす。
●王妃
6歳時の婚約後、エリザベスの王妃教育を監修していたが、非常に厳しい内容だった。
アンジェラの“心酔者”で、エリザベスに完全を求めすぎるあまり、結果的に婚約解消となり、またアンジェラコレクションをラッセル宰相に処分され、気力をなくし、自主的幽閉で後宮に閉じこもるがエリザベスへ執着し続けている。現在は国王に不都合以外は、通い続けられている。
●ソフィア
銀髪、水色の瞳。侯爵令嬢。20歳。
エリザベスの親友。学園ではエリザベスの純潔を守るよう王妃から命令され報告書を提出していた。エリザベスの婚約辞退後、アルトゥールと正室として婚姻し、薔薇妃殿下を称号を得る。
第一子フレデリックを出産する。
●メアリー
金髪、黄緑色の瞳。侯爵令嬢。20歳。
エリザベスの親友。ソフィアの報告書やエリザベスの言動についての査察官を務めていた。
エリザベスの婚約辞退後、アルトゥールと正室として婚姻し、百合妃殿下を称号を得る。
帝国への弔問団と条約締結を機に、アルトゥールと仲を深める。現在妊娠中。
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【用語】
●“天使効果”及び“限定的天使効果”
俗に呼ばれる魅了効果に近いが、本人の意志は全く関係ない。また効果に差がある場合も多い。
崇拝するようになった人間を“心酔者”と呼んでいる。
登場人物の中で非常に強い“天使効果”の持ち主は、エリザベスの母、アンジェラ。クレーオス医師の親友の妹(故人)。歴史上では、天使の聖女修道院の初代院長が推定される。
“限定的天使効果”は、声、顔、作った料理、など、その一部で相手を魅了し、“心酔者”となる。
登場人物の中では、皇妃と皇太子妃が声に、大公国先代大公妃が、直筆の手紙に、“限定的天使効果”がある。
クレーオス医師が“心酔者”の治療法を確立している。
●南部紛争
帝国南部と国境を接する連合国との間で、断続的に発生している。
直近はルイスが指揮官を命じられ、短期で勝利した。
この前回は二十数年前に勃発し、帝国南部の広い範囲に争乱地域が及び、多数の避難民が発生、長期に及び全面戦争一歩手前となったが収束した。
被害を受けた多くの領主家が廃家となり帝室直轄領に組み込まれたが、近年ようやく復興が進み、新興貴族などに領地として与えられている。
●ピンクダイヤモンド
元々はエリザベスとアルトゥールが王立学園入学時に交換しあった、ブレスレット型の腕時計と懐中時計の宝飾だった。
皇帝が以前から皇妃のために探し求めていたが、第二皇子母の側室も欲しがっており、後宮でのトラブルの種になり、結局は皇妃に拒否されている。それでも諦めていない。
●エヴルー“両公爵”家領 地 邸
エリザベスとルイスの婚姻に合わせ新築した。
狼煙の施設や騎士団棟もある。
●エヴルー“両公爵”家帝都邸
数代前の皇弟の邸宅を下賜され修理などした。植物好きだったり皇弟の趣味で、植物モチーフのアンティークな雰囲気。温室や騎士団棟もある。
また地下の抜け道も設けられ、秘密裡に地下の研究室もあり、後に皇太子やオレトスが使用し、第二皇子とオレトスの逮捕の現場となった。現在研究室は帝室侍医団が管理しクレーオス医師が協力している。
●エヴルー公爵家騎士団
帝国では公爵家は私設騎士団を持つ。
ルイスが騎士団長。副団長は二名で、領 地 邸と帝都邸にいる。エリザベスは顧問を務める。
●“中立七家”
エヴルー“両公爵”やタンド公爵など、帝室に忠誠を誓い、勢力争いをしない、公爵家と侯爵家から成る。さまざまな経済活動も行なっている。
第一皇女マルガレーテと皇妃の後ろ盾となる。
●学遊玩具の店““フォンス”
“中立七家”が協力しあい運営している、子どもの玩具などを販売する店。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆登場国◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【帝国(ブルグント帝国)】
大陸中最大版図と勢力を誇る。
海には面しておらず、大河を遡って交易している。
隣接国:王国、公国、大公国、連合国(南部を接する紛争相手国)、他。
【王国(ラウリカ王国)】
海に面し帝国の3/2ほどの版図を持つ。
帝国とは現在、友好関係にある。
過去には帝国と戦火を交えたこともある。
戦争をすれば、どちらにも甚大な被害が出るため、数十年前から友好関係を保っているが、同盟国ではない(主に上下関係をつけたくない王国側の事情)。
【公国】
第二皇子の母である側室の母国。
小国だが、街道が複数通り、交通の要衝で、狭い領土にしては、非常に栄えている。地勢の関係で、守るにやすく、攻めるに難い、地の理もある。血と財を費やして手に入れるより、同盟関係を結んでいた方が、帝国にとっては有益とのスタンスで外交関係を結んでいる。
また、交通の要衝に胡座をかき、“関税”“通行税”を企図しており、それは同盟国である帝国さえも除外しない、という強気だった。
導入理由は追加予算確保のため。
公国の主人である、公王一族の贅沢により、国庫は空に近く、享楽的な国家の疲弊は進んでいる。
高額が予想される“関税”“通行税”を支払うくらいなら、別の迂回ルート、たとえば水上交通があれば、そちらをとる、と交渉する一翼を、王国と帝国で担っている。
年々高まる公国の要求に、不満を溜めていた周辺各国との【共同宣言】を水面下で進めている。
【大公国】
帝国の同盟国。婚姻関係を定期的に結んでいる。
当代皇帝には、第四皇子の母である側室(先代大公養女)が嫁いでいる。
近年大公が亡くなり、息子が大公として即位している。未亡人となった先代大公妃は“限定的天使効果”の持ち主で、“文字”で書いた通りに数か月暗示をかけられる。
大公国在帝國大使館で飼い殺しにされていたラゲリー・ペンテスに利用され、“手紙”を書かされてしまう。事件解決後、修道院へ入会した。
【連合国】
帝国の南部と接する紛争相手国。
10家の貴族が集まった連合政府を形成し、代表と副代表を定めている。合議制としているが、現在は代表家の統治に近くなりつつある。
帝国との紛争の原因の多くが、病害や自然災害である。食糧不足に陥った際、略奪目的で帝国への侵入を繰り返し、紛争が勃発している。