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96.悪役令嬢の妻の心得

テンプレな“真実の愛”のイジメ疑惑追求から始まった、エリザベスと周囲のお話—


※ほぼ日常回です。


エリザベスの幸せと、その周囲を描きたいと思い書いている連載版です。

ルイスとの新生活としては、これで34歩目。

引き続き、ゆるふわ設定。R15は保険です。矛盾はお見逃しください。



 “改革”の皇城褒賞祝賀会から、一夜明け—



 山、山、山……。



 どこか既視感がある風景だ。


 そう。紛争勝利記念の皇城祝賀会での叙位の後も、お祝い状を始めとした私宛のさまざまなお祝いやお手紙で、こうなった。



 あの時よりもずっとスケールが大きい。

 さすがタンド公爵家、さすが二つの従属爵位の同時陞爵(しょうしゃく)である。

 ひっきりなしに、花も贈り物も届けられている。

 花は廊下にずらりと並べられ、贈り物は生ものと一般に分別し、専用の部屋へ回され、各々リストが作られる。


 それ以外は、陞爵(しょうしゃく)のお祝い状、茶会や夜会の招待状などだ。

 従兄弟達が既婚なので、釣書付きお見合い申し込み状は無かった、と言いたいのだが、まだ子どもがいないためか、『側室として』といったお話も来ていて速攻断った。



 実はこの仕切りをしているのは、伯母様ではなく私だ。

 マーサや、新しい帝都邸(タウンハウス)の執事長や家政婦長となる使用人達に指示をして、行っていた。


 今はサロンのソファーでお茶をしながら、作成したリストや、お礼状など割り振りを報告する。


 もうすぐ改築・改装が終わるエヴルー帝都邸(タウンハウス)に引っ越す私に、帝国の公爵夫人の心得を、最後の実践で仕上げてくれていた。



「えぇ、この仕分けで問題ないわ。エリーも使用人達も合格でしょう」


 そう、私だけでなく、使用人の教育もしてくれていた。

 帝国へきて、伯母様には何から何までお世話になって、お母さまがご存命ならば、こんな感じだったのかしら、と思ってしまう。


 お母さまと伯母様は、性格も全く違うのに。

 すっかりタンド公爵家が、実家感覚になっていた。



「明日の祝賀会が無事に終われば、もう一人前よ。帝都邸(タウンハウス)を仕切っていけるわ。

“両公爵”、共同統治者といっても、エリーが公爵夫人の役割をやらざるを得ないでしょう。

本当によくやってるわ。

公爵と公爵夫人、どちらも両立させているんだもの。妻としての心得も充分よ。

えらいわ、エリー」


 私のどこか心細い気持ちを察してくださったのか、そっと抱きしめてくださる。



「あなたを娘だと思ってるわ。

何かあったら、すぐに相談にいらっしゃい。

ご近所さんなんですもの」


 引越し先の数代前の皇弟殿下の邸宅は、地図上では、タンド公爵家とは、皇城寄りの四軒先だ。


 ただ一邸宅ごとの区画が広いので、訪問には馬車が必要な距離である。



「ありがとうございます、伯母様。

ずっとここにいたい気持ちが、まだ大きいんです。

いつまでも甘えていてはいけませんね」


「あら、私は大歓迎だけど、ルイス様が二人っきりになりたがってるんだもの。

工事を急がせてただなんて、ねえ。

器だけできても、入れる中身も必要なんですよ、ってお説教しておきましたけどね」


 くすくす笑われて本当に恥ずかしい。

 もっともルイスの気持ちも何となく分かるので、黙って聞いておく。


「我が家のエリーとルイス様のお部屋は、そのままにしておくから、いつでも気軽に遊びにいらっしゃい。

夫婦喧嘩の避難先でも大歓迎よ。実家と思っていらっしゃい」


「夫婦喧嘩……」


 伯母様から飛び出た思わぬ言葉に、鸚鵡返(おうむがえ)ししてしまう。


「あら。まだ夫婦喧嘩をしたことはないの?」


「はい、まだ無いです。

私が『保留しときましょう』とか、『これはすぐには解決の目処が立ちそうにないから、一旦棚上げにしませんか』って感じにしてしまうので……」


「あら、まあ。会議形式なのね。

保留や棚上げにできない問題も、これからは出てくるでしょう。

エリーは、やきもちを焼いたことはないの?

ルイス様はあの容姿、モテてるでしょう?

色目を使ってくるとか」


 夫婦喧嘩の原因の一つ、互いの異性関係を突いてくる。

 初めての夜の勘違いはあったけれど、きちんと解決したし、あれ以外はほぼない。

 そういえば、あれも棚上げというか、強制終了させたんだっけ。後で誤解は解けたけど。

 え?だったら、夫婦の初日に、夫婦喧嘩してたってコト?


 いや、今は、色目、色目、色目……。

 ああ、そういえばいたわ。

 母方の、もう二度と近づいて欲しくない血縁上の従姉妹さん達とかが……。


「近づいてほしくない女性達はいましたが、ルー様が私以上に、そういう女性をお嫌いなので……。

でも、ちょっぴりはあります」


 花街への出入りの理由を勘違いしてからの流れを思い出し、つい照れた私を、伯母様がじっと見つめ、小首を傾げる。


「そうなの……。やっぱりルイス様の方が大変ねえ」


「え?伯母様、ルー様の方が大変って?」


 私にとっては意外な話だ。

 モテ度は絶対にルイスが上だ。

 あんなにかっこいいのだ。私の知らないところで、ファンがかなりいそうだ。


「エリーは自分の魅力に無頓着(むとんちゃく)というか、分かっていないところがあるわ」


「そ、そうでしょうか?

王立学園で2年間、悪役をやってたので、女性的な魅力は尽きてしまったような……。

ルー様は綺麗だって言ってくれますけど……。

ドレスや宝飾品より、領地経営の方が好きな、可愛げのない私を、ルー様がよく好きになってくれたなあって、今は本当に感謝してるんです……」


 自宅用ドレスの胸のローズマリーの花籠(はなかご)のブローチに触れる。

 ラベンダーの丘での求婚の時に贈ってくれた宝物だ。

 自邸にいる時はほぼ付けている。

 あの時のルイスの言葉は、二人の間の宝物の一つで、今も私を支えてくれている。


 小さくため息を吐いた伯母様が、私の頭を優しく撫でる。


「……充分すぎるくらい魅力はあるわよ。

マダム・サラがあんなに夢中になっているのに。

私も充分魅力的だと思うわ」


 私の自己評価と、周囲の評価の不一致には戸惑いが大きい。

 しかし、人物眼に定評のある伯母様だ。

 ここは受け止めておこう。


「伯母様。私の実感と、周囲の評価にズレがあるのは認識しました。ただ、実感が伴わないので、具体的には何に注意したら良いんでしょう?

私はルー様を、そういう事でなるべく傷つけたくないんです。

その……色々、あって、苦しんできたので……」


 王立学園時代、私もアルトゥール殿下の態度に、事情は分かってはいたものの、深く傷つき悩んでいた。

 同じような思いは、絶対にさせたくない。

 “後宮での事情”をはっきり言いたくなくて、ぼかしても、伯母様はそのまま受け流してくれ、助言をくださる。


「そうね。異性とは、ある一定の距離を保つこと。

領地運営やその他の話題に夢中になっても、ルイス様を置いてきぼりにしないこと。

今のところ、実生活ではそれくらいで大丈夫かしら」


「“適切な距離”と“置いてきぼり”ですね。気をつけます」


「それと、これは騎士を夫に持った妻としての忠告よ」

「はい、伯母様」


 引き締まった空気感に、私は姿勢を正す。


「どんなに理由があっても、出勤する時、離れなければならなくて、見送る、見送られる時は、絶対に“笑顔”で『行ってらっしゃい』『行ってきます』と言うこと。


騎士は危険な職務でしょう。

最後に笑顔で見送れば、愛する人も自分の笑顔を胸にしまってくれるでしょう?

後悔しないよう、その覚悟で見送ってあげてね。

あの人が騎士団にいた時に、私も先輩の奥様から、そう教わったわ」


 思いがけないお話に、華やかなようでいて、死と隣り合わせの騎士の妻の心得を学ぶ。

 確かに、王国でも騎士団のどんなに辛い訓練でも、最後はいつも笑顔で締めていたっけ。

 あれはいつ任務で“別れ”が来ても、悔いがないように、ってことだ、と副団長が教えてくれた。

 それとも通じるお話に、私は深く(うなず)く。


「わかりました。騎士の妻としてお約束します」


 伯母様は優しく微笑んでくださった。


 〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜〜



 準備万端、整えて迎えた、タンド公爵家祝賀会当日—


 飲み物はワインの産地であるタンド公爵領産を中心に上質なものを、食べ物はエヴルー公爵領中心に、果物はタンド公爵領から、また王国産の、帝国では珍しい食材も取り寄せた。

 伯父様の功績で、王国との友好通商条約締結が重要視されたためだ。


 執事長や侍女長達との最後の打ち合わせも終え、伯父様や伯母様、従兄弟達夫婦と共に、ルイスと私も、お客様をお出迎えする。



 そういえば、皇城褒賞祝賀会後に、最新版の招待客リストを渡されて驚いた。

 第五皇子殿下、第四皇子殿下、そして皇女母殿下の名前が一番上に加わっていた。

 やはり、伯父様達は“全て”ご存じだった、ということだ。

 『さすがタンド公爵家だ。清濁併(せいだくあわ)せ呑むだわ』と考えさせられた。


 到着された第五皇子殿下、第四皇子殿下は、臣下の私邸訪問は初めてだそうで、抑えてはいるものの、興味津々の様子だ。

 この二人の監督役が、歳の離れた義姉である皇女母殿下のようだった。


 招待客も(そろ)ったところで、伯父様が挨拶(あいさつ)をされる。

 感謝を込めた真摯(しんし)な話に、少しユーモアを加味し、語り終えると、拍手に包まれる。


 乾杯の挨拶(あいさつ)は、第五皇子殿下だ。


 ルイスが大好きな天使でワンコという印象しかないので、乾杯のグラスの行き渡りぶりを確認しつつ、どういった方か、つい観察の目を向けてしまう。



「乾杯の挨拶(あいさつ)は、生まれて初めてです。

それが忠臣たるタンド公爵家のお祝いで、とても光栄に思います。

皇帝陛下と帝室、そして帝国を、篤い忠義で支えてくれるタンド公爵家の、ますますの発展を願って!

乾杯!」


 『乾杯!』


 出席者全員が、グラスを掲げる。

 声変わりが始まった少年の声は、落ち着いた陽性の響きで、凛とした口調だった。

 文章もご自分で考えられたのなら、気負わず、下手(へた)(おもね)らず、伸びやかで中々だと思う。

 ここまでは、順調だ。


 〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜〜


 弦楽合奏団の演奏が始まる。

 帝室の方々へ挨拶(あいさつ)するため、早速、列ができる。

 侍従が誘導し、伯父様と伯母様が、まずは従兄弟夫婦達から紹介していた。


 今まで臣下との触れ合いが少なかった、第五皇子殿下、第四皇子殿下が、どういった人柄か確かめたいのは当たり前だ。


 久しぶりの皇女母殿下とは、やはりカトリーヌ嫡孫皇女殿下の話題が多い。


 私は執事長から全体進行と、飲食物の過不足を確認する。問題なく最後まで出来そうだった。


 挨拶(あいさつ)後にその場を離れた、嫡男とピエールの周囲には、まだ人はいない。

 実際に陞爵(しょうしゃく)したが、評価は正直だ。

 ルイスが二人の元へ行き何か話しかけた後、私のところへ来る。


「もうすぐ人が回ってくるから、今のうちに何か入れとけ、って言っておいた」


「そうね。殿下がたからも、改めてあの二人にお祝いに行くだろうし、目を配ってくれてありがとう」


「どういたしまして。俺にとっても大切な人達だし、エリーの合格がかかってるしね」


「お引越しできなくなっちゃうの、私も嫌だもの」


 二人でこっそり話していると、やはり第五皇子殿下がたから、ピエール達の元に来てくれた。

 当然、他のお客様達も引き連れてだ。

 一気に二人の周囲が華やかになる。


 ノール侯爵とウィンド伯爵へ陞爵(しょうしゃく)したお祝いを再び仰ってくださり、従兄弟達はやや緊張しながらも立派な受け答えをしていた。


 こうして見ていると、第五皇子の“気負わなさ”は大したものだと思う。

 表向きだろうが、誰に対しても態度が変わらず、平等だ。

 第四皇子もそれをさりげなくサポートしていた。

 先日、母方の母国、大公国が絡んだ、ラゲリーと先代大公妃殿下が引き起こした騒動の影響は見られず、安心する。


 最初からサポート役に徹する態度は、ご側室様の教育か、後天的に学んだものか、どちらにしろ、ご自分にとっても、帝国にとっても賢明な判断と言えよう。


 この二人を温かく見守る皇女母殿下という組み合わせは、誰が考えついたのか、中々、いやとても素晴らしい。


 この三人が仲睦(なかむつ)まじく、視察や訪問をしていれば、水面下でも勢力争いはしづらい。

 この絶妙な“人的三角形”は、第五皇子殿下の婚約者が決まり、王妃教育がある程度進むまでの暫定だろうが、見ていて強い好印象を与えていた。

 何より微笑ましく、支えて差し上げたいという、“忠誠心”を絶妙に引き出させていた。


 また現在、貴族達の中で、最も高い関心事は、第五皇子殿下の婚約者だろう。

 第四皇子の婚約者は、どのタイミングで決めるか不明だが、第五皇子殿下より早いということは絶対に無い。

 


 私とルイスは従兄弟達の元をそっと離れ、伯父様と伯母様の元で社交に励む。


 “社交”をしながら全体に気を配るのが、その家を取り仕切る夫人の心得だ。

 伯父様と伯母様に紹介を受け、従兄弟達のことや、エヴルーの騎士団や“新殖産品”について話題にしていると、第五皇子殿下がたがルイスの元へやってくる。



「エヴルー“両公爵”閣下。やっとお話しできます。

この度、ご家族同然のタンド公爵家の祝事、誠におめでとうございます」


 第五皇子殿下の挨拶(あいさつ)に合わせ、三人が礼の姿勢を取る。


「帝国の(かぐわ)しい薔薇(ばら)である皇女母殿下。

帝国の輝ける星たる第五皇子殿下、第四皇子殿下。

ありがたきお言葉、痛み入ります。

こうしてのご来臨、タンド公爵家にとって、縁戚である私どもにとっても、誉高(ほまれたか)き一日となるでしょう」


 私もルイスの挨拶(あいさつ)に合わせ、深いお辞儀(カーテシー)を行い、敬意を表す。

 皇太子殿下では“作り出さねば”ならなかったものが、自然に湧いてくる。

 この差が生まれ持った人徳というものなのだろう。



「固いのはここまでです。

エヴルーの焼き菓子、私は大好きです。

あと、お願いがあります。

第四皇子殿下と一緒に頼みたいんです。

カトリーヌ姪御ちゃんとマルガレーテ妹ちゃんに、レース編み工房で、可愛いぬいぐるみ、できませんか?

母上のレースを触ったら、すっごく優しかったんです」


 私はルイスを見上げると、ルイスは優しそうに(うなず)く。

 ぬいぐるみ一つの贈り物でも、意味を持ってくるのだ。

 優しく微笑みながら、注文を(うけたまわ)る。


「ぬいぐるみ、ですね。かしこまりました。

大きさや動物の種類など、ご希望はございますか?」


「“お義姉様”。カトリーヌ姪御ちゃん。大きさはどれくらいがいいですか?」


「そうですね。まだ小さいので、手で握れるくらいか、大きくなってもお友達でいてもらえるものがいいのか、迷います。

そこは皇子様がたで決めていただけますか?

まだ好きな色も決まっていないようです」


「第五皇子殿下、第四皇子殿下。

お時間は頂戴しますが、いくつか、大きさや色の違ったサンプルを作ってお持ちしましょう。

動物の種類だけは決めていただけますか?」


「猫がいいと思う」

「私はうさぎがいいと思います」


  あら、二人の意見が割れたわ。どうするかしら。

 

「ん〜。だったら、実物を見てから決めよう。

エリザベス閣下。うさぎと猫で作ってもらえますか?」


「かしこまりました。第五皇子殿下」


 現実的だ。実物を見た上で討議の時間を使う。いい選択だと思う。


 後日、この贈り物がきっかけで、『カトリーヌ皇女殿下とマルガレーテ皇女殿下がご愛玩のものと似たぬいぐるみを』という注文が、次々と舞い込んでくるようになることを私はまだ知らない。


「ありがとうございますっ!

あと。お義姉様みたいに、(おおやけ)でもエリー閣下ってお呼びしてもいいですか?」


「光栄でございます」


「私もお願いします」


 第四皇子からもだ。張り合うのではなく、自然体だった。どちらよりでもない姿勢を示すにはいいだろう。


「承知いたしました」


 私が小さくお辞儀(カーテシー)をすると、第五皇子殿下が、皇女母殿下を振り向く。


「皇女母殿下。これで、今日の私達の仕事、終わりましたよね」


「はい、ご立派でございました」


「エリー閣下。あと少し、お料理やお菓子、食べてもいいですか?」


「ぜひお召し上がりくださいませ。

ご意見を聞かせていただければ、幸いです」


「じゃ、どういうものか、教えてください!」

「私にもお願いします」


「はい、お任せくださいませ」


 第五皇子・第四皇子両殿下は、気に入った料理の材料や調味料など、領地や王国での栽培方法や製造過程など、楽しそうに(たず)ねる。

 王妃教育で視察していたころの自分と、つい重ねてしまい、楽しいエピソードを交え説明する。


 途中から、伯母様の“置いてきぼり”の忠告も思い出し、ルイスにも話を向けて巻き込む。

 第五皇子・第四皇子両殿下の笑顔が一層華やかになる。やはりルイスが大好きなようだった。


 有意義で楽しい時間は過ぎ、招待客の方々も、料理や飲み物を楽しみ、引出物を渡して、お開きとなった。


 〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜〜〜〜*〜〜〜


「エリー。今日はお疲れ様でした。

公爵家の妻の心得、実践でも無事に合格よ。

準備が8割、仕上げが2割と言われてるわ。

このお礼状の処理まで忘れずにね」


「ありがとうございます、伯母様。

最後まで気をつけます。

皇子殿下がたより、ご注文もいただきましたので、そちらも取り掛からないといけません」


「まあ、ご注文を?」


「実は、レース編みのぬいぐるみを……」


 後片付けを指示した私は、微笑ましかった二人に、つい思い出し笑いをしながら、伯母様に報告した。


ご清覧、ありがとうございました。

エリザベスと周囲の今後を書き続けたい、と思った拙作です。


誤字報告、感謝です。参考にさせていただきます。

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悪役令嬢エリザベスの幸せ
― 新着の感想 ―
[一言]  今も祟る皇太子(産廃)とは雲泥の差。
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