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公爵令嬢は顔が薄い  作者: ねこまんまときみどりのことり


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地味顔の魔女の弟、ウィリアムは狙われている

 隣国の王女ローゼが、勝手に売買されていたウィリアムのブロマイドに恋して調査させた結果、公爵家の嫡男と知られてしまった。


この世界で隠し撮りの商売をすれば、肖像権も著作権もないから大儲けだよね。だけど貴族にそんなことをすれば、どんな報復があるか解らないから、ある意味命がけなのかもだけど。


ウィリアム(ラリサの弟14才)は、知らないうちにファンクラブが出来ている程、国内でも人気がある。


銀髪緑眼のイケメンで、公爵家次期当主。

まあ、平民でも人気出そうだけど、身分も付けばほっとかれないよね。


でもね、周囲は気づいているけど、家族も気づいているけど 『極度のシスコン(ラリサ限定の)』だから、未だに婚約者はいないの。


いわゆる鑑賞用なのだ。




けれど隣国の王女ローゼ(11才)は、そこまで知らない。

調査では家族仲が良いと、その辺は一文で終了されているから。


婚約者がいないのも、相応しい人を待っていると都合の良い解釈をしている。


「まるで、私を見つけるまで一人でいてくれたみたい。今行きます、愛しいウィリアム様」



王女ローゼに兄は2人いるものの、娘は1人の愛されてきた娘だ。

白金(プラチナ)の髪と琥珀の瞳を持つ美人で、勉学も疎かにしない才女である。

性格も真面目で、何となくウィリアムに似ている。

猪突猛進的なところもね。



この国クリンアンパーンは、海に面した貿易の主要なところで、安定した経済発展を遂げている。


国王ショートニンとしても、豊かに発展する隣国に姫を嫁がせるには問題はないと思っている。すぐ隣だしね。


ただ一度も会ったことはないし、ブロマイド的なものでしか顔を見たこともない。話したことさえないのだ。


そんな状態で、婚約を打診するのは心配である。

いくら諜報員が優秀でもだ。

まずは会って、様子を見たいのは親として当たり前のことだろう。


なにせまだ11歳になったばかりの幼子だ。

政略結婚などは元よりさせるつもりはないので、好き合って結ばれて欲しいのだ。


以前はクリンアンパーン国が経済で優勢であったが、今はラリサの国 (ジャームンサンド)が経済のトップに躍り出ている為、その方面での交渉は出来づらい。


「もう以前のように、魔獣や猛獣に右往左往する国じゃないからな。……でもそんな国なら、姫は絶対やれなかっただろうしな。まあ、考えても仕方がないか」


ならば、珍しい輸入品か趣向を変えて海の珍味とか?

酒好きなら見逃せんだろ、きっと!


なんていろいろ考えたけれど良案浮かばず、結局はゼフェルの婚約パーティー(国外向けの)に参加することにした。


ローゼにも 「実際に会ってから考えよう」 と言い含めた。


「あの国には王太子の他にも(16才)になる、美形の第二王子もいた筈だ。まだ婚約者を特定しなくても良いだろう」


なんて国王ショートニンは考えていた。

全ては娘の幸せの為に。

クリンアンパーン国は彼女(ローゼ)の兄が継ぐので、出来れば国内遠くて隣国が、娘を嫁に出す父親の譲れないラインだった。  

   


ただジャームンサンド国の第二王子ロビンは、すっかり性に爛れていたので、姫には相応しくないだろう。できれば面倒事は増やしたくない(絶対ジャームサンド国の有責になると思うが、脳筋には通じなさそうだし)。


「まあ、実物見れば満足するだろう。まだまだ11歳なんだから、結婚のことなんて考えなくて良いのだから。

わっはっはっ」


国王ショートニンの海軍で鍛えた強靭な肉体は、未だ健在であり、軍人の憧れとなっていた。明朗でもある彼は第二王子だったが、第一王子が婚約者とは別な女性を伴い逃亡した為繰り上がった過去がある。

海軍で生涯を過ごす気でいた彼には、青天の霹靂であった。


しかし愛を貫いて身分を捨てた兄には、尊敬しか抱いてない。普通なら第二夫人(側室)か愛妾にすれば良いのに、一人と添い遂げる覚悟での逃避行である。自分には、真似できないと思ったものだ。


だからこそ息子には申し訳ないが、娘だけにはと思うのだ。逃げずとも幸福になれるように、できる限り援助しようと。



「ウィリアム様、ローゼはすぐに会いに行きますから」


ブロマイドを抱きしめて、くちづけ頬を染めるローゼ。



なんて、恋に夢中な娘を知らず思案する国王。

ローゼの傍にいるウィリアムファンと化した侍女達。

「この年でまだ夢見がちなんて」と、呆れる王妃シュガーレ。


侍女達は、ローゼから毎日聞くウィリアムの話に軽く洗脳されていた。そしていつの間にか両思い設定に、疑問さえ持たないのであった。

ハーレクインに、キュンキュンしている。


「姫様は、次期公爵夫人になるのですね。愛するウィリアム様と素敵なご夫婦になるなんて、素晴らしいことです」


本人不在で盛り上がっている隣国だった。



これはある日の、ジャームンサンド国諜報員の調査の一部である。

「なんか、平和だな」


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