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公爵令嬢は顔が薄い  作者: ねこまんまときみどりのことり


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地味顔の魔女の商品開発?

 管理者のカリナは、世間話なので何も考えず話掛ける。


「最近のジェドは、以前にもまして口が回りますね。まるでおっさん相手にしているみたい。まぁ、今更ですけど」


ジェド5才はドキリとした。

だって、最近思い出したばかりの記憶があるから。

それこそおっさん的な。


正確には赤と茶の魔石から炎が出た時、あの時の痛み・炎・皆の驚きと恐怖の声で、思い出したのだ。



自分が魔界の宰相の息子、現王妃の弟だったことを。


イリヤ(ラリサの弟ウィリアム)と同様に転生魔法で人間界に来ていた。 身体は魔界でコールドスリープ状態である。


魔界の記憶がない時から、幼児の思考ではなくて合理性の鬼のジェド。 孤児の境遇は彼に理不尽を学ばせた。 元々力のある魔族の子息として産まれ、傅かれていた彼。 傲慢な彼はイリヤが戻らぬことで、王や特に王妃の状況を改善できないことに苛立ち、周囲に反対されたのに転生してきたのだった。


『俺が全てを解決してやる! 王家に力さえ戻れば、元通りになるはずだ』


そんな彼だが、転生先の貴族が失脚し只今絶賛孤児中で、産まれて間もなく孤児院で貧しい生活をしていた。 彼は親から捨てられたのだ。 食事や身の回りの物も最低限で、贅沢三昧な貴族を嫌っていたのだ。 そこに手を差し伸べた王族達と一部の貴族達。 


特に孤児や低賃金で働く平民達に、次々と雇用を産み出す政策を繰り出し、生きる希望をくれた。


一生何も望めないと思っていたのに。


仕事も勉強も住む所も。

日々の糧たる食事も、満腹になるまで食べられる。

笑って過ごせるようになっていた。



そんな上位貴族のエリザベートは、ジェドにとって女神に近しい存在で、5才の彼には初恋だった。 そしてエリザベートは、きちんと化粧をしていて美しかった。


ラリサの素顔は魔界に周知されていたが、エリザベートの顔まで知る者は少なかった。 まあ、化粧で僅かずつ変化もしているが。


なので、ジェドは気付いていない。

エリザベート=(イコール)ラリサと言うことに。


そしてジェドは、エリザベート(ラリサ)に好感を抱いていた。

自分(孤児)達に、現実的に破綻しない仕組み作りをする彼女らを。 魔石がなくなる前に、経済の建て直しをしようとする姿勢に。 孤児に偏見なく接するエリザベート(ラリサ)に。



自分が魔界にいる時は、側近達が全て面倒なことをしてくれて、好きなように仕事?をしていた。 今回の転生もそうだ。 周囲は反対していたのに、謎の万能感でここに来てしまった。 そして具体的に作戦なんて立ててもいなかった。 いつも作戦はブレーン(頭脳)たる側近の仕事だったから。


『まるで児戯だな…………………』

心から反省するジェドだった。

魔界名もジェダイなので、ジェド的に違和感はないし、近しい人にはジェドと呼ばれていた。



今の彼は、ジェドでありジェダイだ。

姉のことは心配だが、幼い時から一緒の孤児は既に家族である。

弟妹達が自立するまで、彼は力を尽くすつもりだ。 どちらかと言えば、幼子を優先するジェドだ。 後十年はここを離れられない。そしてそれで良いと思った。



『魔石で私腹を肥やさない王族と貴族。弱者に寄り添う貴族女性。これからの未来が楽しみなんだ』

ラリサも孤児だったから、孤児の気持ちが解る。

今ジェドも、孤児故に孤児に寄り添うことが出来るようになった。 昔のジェドには無理だっただろう。


だからジェドは、ラリサ(エリザベート)に従う。

実際は、仕事を懸命にすることなのだけど。

これからもこの国の為に働き、将来的にブレーン(頭脳)的な役職に就くことになるのだが、それは後日のお話。


「エリザベート様、此方の青(水属性)の魔石に白金(プラチナ)を溶かした「プラチナウォーター」は、 身体の老化を促進させる「活性酵素」を除去する働きがあると聞いたこともあります。 美容やアンチエイジングに良い化粧水ができれば、女性にも人気がでそうです。


白金(プラチナ)はそれ自体で魔除け効果もあり、デザイン的な魔石を補足すれば好む人も多いかもしれない。


金は抗炎症作用や抗酸化作用を持つことが知られています。 金は美肌作用を持つそうです。 そのまま食してアンチエイジングの期待も出来ますが、

小型の金塊に灰色(氷属性)の魔石を嵌め込んで、冷却効果を追加すれば肌の引き締め効果も上がりそうです」


ジェドが嬉々として報告すれば、

「本当? 凄いね、さすがジェド。何処の情報なの?」


ラリサに聞かれれば、ちょっと悩んだ後、

「本に書いてました。昔読んだやつです」

嘘、本当は魔界情報です。


「勉強家だねえ、ジェド。ちょっと作ってみるよ、ありがとう」

その笑顔に、頬が緩むジェド。 物陰から嫉妬顔のシーラ。



ドラゴン姉妹とデザイン開発し、被験体になってもらう。

「これ良いよ、ラリサ。魔界で使って良いなと思ってたのよ。効果あるわ、ねえミナさん」


ん、魔界って?

ラリサは一瞬、思考に疑問が浮かぶ。


「ええ、良いですよね。デザインは、任せてくださいイメお姉さま。持ち歩きにもお洒落に演出できる物にしますわ」と微笑んだ。


そして、ミナさんはラリサにこそっと耳打ちする。

「お姉さまは、創作活動は壊滅的です。なので、私が全て、担当致します。よろしくね」


ミナさんは少し疲れて私に呟く。

イメ姉さまに聞こえないように。


どうやら力関係で、『自分の手柄は自分のもの。妹の手柄も自分のもの』になっているようである。


それでも「人間界楽しいの」と言ってくれるミナさん。

こちらは姉をチヤホヤしてくてる人が多く、少し楽なんだとか。


不憫な……………

そう思うが、この2人ドラゴンだし、敵に回すと大変だよなぁと遠い目になるラリサ。


どちらにしろ、今は力強い味方なのだ。

そう思っていると、このアイディアが魔界にあったと言う疑問を忘れてしまっていた。


今後、魔族もアイテムを購入することになるのだが。

そんなことはまだ知らぬラリサだった。




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