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公爵令嬢は顔が薄い  作者: ねこまんまときみどりのことり


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地味顔の魔女の妹達は?

 「お姉ちゃん、わたし赤い石が好き」

 「わたしは、青が良いな。 たくさんあって綺麗ね」


魔石プロジェクトが動き出し、魔石工場ができて数日経ったある日。

ラリサの妹、イゾルデ10才とシーラ9才も魔石を磨いていた。




魔石等の集積所(ゴミ捨て場)近くの、放置されていた農地を買い取り、広大な場所が確保出来た。 魔獣や魔素のせいでとても農業が続けられず、手付かずな土地を購入したのだ。 国の政策不備のせいなので、謝罪し相場より高値で買い取れば、既に後継者がおらずどの道数年しか続けられなかったと、老夫婦が申し訳なさそうにしてくれた。


建築に関連する魔法使いや魔導師を集め、大工や工務店と協力をしてもらいながら、急ピッチで孤児院と学校・魔石工場を建設していった。


まず、土地の浄化を光魔法や聖魔法使いで行い。


そして設計図を作り上げる。

いろんな建築士に案を出してもらい、使いやすい物を採用する。

期間限定で一般の公募をすれば、今まで見たこともない建物案もあり、皆で検討。

その中には、ドラゴン姉妹目当てで来た他国の建築士(カルーラとレノア姉弟)もいた。 日本式の学校や、門に二宮金次郎みたいな女の子アニメキャラを配置する変わった案だ。 本人達は賞金と遊び感覚で出したようだが、今までない緻密な設計に関係者が興味を示し採用。 体育館など多目的に使用できる場所についても、天気の悪い日も運動できると目からウロコだったようだ。


とにかく千人は入れる学校。

100人は対応できる孤児院。

500人で分担して動ける工場。

長く使えて、頑丈に作らなければならない。



現物の確保は、山で木を切り、

コンクリートの材料(セメント、水、砂、砂利等)と

鉄版、鉄柱等の原材料を魔法で運び、

大工と工務店でガンガン建物を建てていく。


土の掘り起こしも、魔法で土地を削り出して運び、

塗装すれば風魔法で乾かし、

上の階へは重い物を魔法で運び、

建築者の体にバリアーを張り、転落しても怪我をしないように。


勿論国の大仕事、賃金奮発で人数も可能な限り集めまくった。

その結果皆の協力もあり、2ヶ月かかる所が10日で完成。


孤児院に人を入れ、職員も十分に揃った。

施設建築中の募集で、高齢者以外も教師が集まり学校もいつでも始められる。

魔石工場も稼働を待つばかりとなった。



魔石工場は守秘義務もあるので、孤児院と学校から少し離れた場所に建設された。 それでも歩いて10分くらいしか離れていない。 まあ、離れすぎると子供が通えないからね。 働く子は誓約魔法もかけるしね。


そして手始めに、魔力がない子を選び魔石磨きを開始した。

開始前に、きちんと磨けた魔石の数に応じて賃金が入るように、商業ギルドで1人ずつ通帳を作成。

布で丁寧に磨き、自分の後ろにあるコンテナに石をぽいぽい入れていく。 魔力のある子も魔力が遮断される手袋をはめて、コンテナを運んだりボロ布を作る係りに回ってもらう。


年齢が高くなれば、魔石磨きより外仕事(他の職種など)の方が実入りが良くなるので、ここで働くのはあくまでも外で働けない幼い子になる。 午前中は学校で、午後から仕事。 仕事は強制ではない形。


本当は子供は仕事なんてしないで、遊んでいてもらいたいけど、そこまで国は裕福ではない。 それでも魔法が使える人が増えて、魔獣の肉や皮の産業で輸出もできるようになって、スラム街はなくなった。 皆何らかの仕事で生活出来るようになった。 以前に比べれば孤児も少なくなったけど、貧しくて捨てられる子だけではないから孤児院は必要だ。 ご飯はたくさん食べられるようになった(飢えることはなくなった)けど、貧富の差は大きい。 平民と貴族、親の有り無し、職業の格差とかで、皆一緒じゃない。


親が居ないことで、我慢することも多い。

そんな子供達が、少しでも勉強して、働いて、自由になれるようになって欲しい。


それはアナスタシアの夢であり、300年前にさ迷っていたラリサ・ブロディ・キャラウェイの夢でもあった。

何にも出来ないと泣くより、出来ることを選択肢を増やしてあげたいと。



まあ、そんなことを知らないラリサの妹達は、呑気に魔石を磨くのですが。 当然本気で仕事してる子には目障りになる。 勿論妹達も一生懸命しているし、悪気はないんだけど。


隣に座る5才児ジェドは、今日で作業3日目。

1日毎に慣れ、もうベテラン選手。

チンタラお喋りしている貴族は、うるさいだけである。


『なんで磨いてんの? 欲しいなら選んで買ってけよ。 どうせ唸るほど金持ってんだろ?』と。


《魔石の効能として》

炎属性は、赤色に近く、

水属性は、青色に近く、

地属性は、緑か茶のどちらかに近く、

風属性は、透明に近く、

氷属性は、灰色に近く、

闇属性は、黒に近い。




ジェドは手早く、片手で1つずつを磨き後ろのコンテナに入れる。

魔石は磨くまで何の石か解らない。


そしてジェドの研磨が高速となり、偶然魔石が青と灰色だった。

それが触れた瞬間、一面の温度が下がり白い(もや)が発生した。

ラリサが駆け寄ると、ジェドはあわてふためいた。

「なにか、失敗したの? ぼく」


「違うよ。 怪我がないか心配だっただけ。 大丈夫?」

キャラウェイメイクで可愛いラリサは、優しく言葉を掛ける。


顔に見とれ赤面するジェドは、5才児ながらしっかり答える。

「青と灰色の石を磨いて、コンテナに入れようとして石同士が触れたら煙が出たの」

「そうなんだね。 ありがとう教えてくれて」

ニッコリ微笑みその場を離れる。


近くからジェドの研磨を見ていると、物凄いスピードだった。

そして左右が違う魔石の時、僅かに光が生じている。


他の子の磨き方では光は見られなかった。


もしかしたら、これは!



ジェドに別室に来てもらい、研磨済みの魔石を再び磨いてもらい合わせてもらう。 すると、赤と茶の魔石から炎が出た。

「うわっ、熱い!」

急いで魔石を離してもらい、治癒魔法を掛けてもらう。


「凄いよ! ジェド。 魔石の可能性が広がったよ、ありがとう」

ラリサは満面の笑みでジェドと握手をした。


「え、なんかわかんないけど、役にたったんだね。 良かった」

「うん、大発見だよ!」



でもこのまま(の速さでの)いつもの魔石研磨は危ない。

と言うことで、ジェドは手袋をはめて魔石の組み合わせ研磨係へ移動となる。

急遽新設部署である。

今度から研究員の肩書きとなる為、量ではなくて組み合わせ表を作ってもらいながらの固定賃金性。 勿論大人と同じ高賃金となった。


まだ字が書けず、管理者と行うので半賃金だが、学校で字を学び終えて1人達すれば全額に変更。

魔石でも色の濃淡があるので、それらの状態も書き記して欲しいことを伝えている。

この発見はジェドが発案なので、1人達した時に発案者ボーナスも渡す予定。 今はこのまま頑張ってもらう。

なお、管理者も別記録を後ろで記入してサポートする。


2つ合わせが終了後、3つ以上の合わせパターンも施行。

危険になれば大人と交換し、その後色分けのセットを作成してもらう係へ変更となる。



まだまだ、魔石奥が深そうである。



ちなみにラリサの妹達は、和気あいあいと周囲と会話しながら磨き続けていた。


「これ、素敵」

「こっちも光ってるよ」

やっぱり女の子である。



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