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公爵令嬢は顔が薄い  作者: ねこまんまときみどりのことり


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地味顔の魔女は、魔石を知る


「あのさー、この国って魔石使ってるとこ見ないねー」


クーラーの効いた部屋で、氷入りのアイスコーヒー(砂糖、ミルク入り)を飲みながら、ドラゴン姉妹の載る雑誌をソファーで寝そべって見ていたカザナミ。


「魔石ってなんだ?」


隣の鏡台で、ウミナリのメイクをしているキャラウェイは、カザナミに尋ねた。


起き上がって飲んでいた、アイスコーヒーにむせ込んでしまうカザナミ。

「ゲホゲホッ。 え、知らないの?」


「? 聞いたことねーな。 皆知らないんじゃない? 食いもんか?」


どうでも良いような感じで、メイクに集中するキャラウェイ。

ウミナリに「口紅、これ色どう?」とか、全く興味なさそうだ。


「信じられねー。 あんな便利なのに」

嘘でしょ?と、目を丸くしている。


元々魔力持ちは稀で、機械などを動かす動力の発展を中心としたこの国。 魔界とは常識が違うのだ。



「人力で何とかなるなら、魔石はいらないんだろうけどさ。 でも、元手要らずでいろいろ出来るのに。 人間は無欲だな」

誉めとも貶しとも取れる声。

カザナミ自身もどうでもよくなったのか、会話を切り上げようとしていた。


キャラウェイにメイクされているウミナリが、灰色の小石を取りだしてキャラウェイに見せる。


「これはアイスマーダーペンギンの魔石。 これに魔力を通すとね、ほら」


ウミナリが自分の魔力を極少量流す。

すると、部屋全体が一瞬冷凍庫にいるような、圧倒的な冷気のに包まれた。


「な、何? 今のなんなの?」


魔力で襲われたのかと、驚愕するキャラウェイ。

途端に戦闘体勢に入る。


「落ち着いてキャラウェイ。 これの力だって!」

ウミナリはそう言って、説明をする。



ブラックゴルゴノプスドラゴンの竜玉と同じで、魔獣達も捕食した魔獣の魔力を体内に取り込んでいくんだとか。 それが体内に留まり、多くの力を取り込む毎に強さが増していく。


竜は体も大きいから鞠玉のような大きさになるが、魔獣達もだいたいが体の大きさに応じて石のような玉が出来ているそう。 死ぬ時は血でまみれ黒く見えるが、その属性に応じて色が違うそう。


血を拭き取れば、本来の色が見えるそう。



炎属性は、赤色に近く、

水属性は、青色に近く、

地属性は、緑か茶のどちらかに近く、

風属性は、透明に近く、

氷属性は、灰色に近く、

闇属性は、黒に近いそうだ。



今使ったのは、氷属性の魔石。


ほおっと、一応落ち着いたキャラウェイがやはり不思議そうだ。



そんな様子を見た、ウミナリは微笑んで言う。

「この国は、人が懸命に動力を作れば誰でも使えて便利ね。 でも、魔力がある者なら魔石があれば、同じことができるの。 まあ、簡易型の便利グッズと思えば良いわ。 後は単純に、属性を発動させなければ、魔力を増幅するのにも使えるわよ。 便利でしょ?」


何でもないように言うのだ。

カザナミもウミナリもこの国の科学力を満喫しており、特に魔石に拘ってはいないよう。



「でもさー、便利でいろいろ使えるからさ。 どこかに保管してるのかなって思って」

そう言われても、保管どころか魔石を認識もしていなかったキャラウェイ。

それはこの国民も同じだろう。

だって魔物が多く来たのはここ数年で、以前は倒すなんてせずに逃げ回っていた国民達。

魔石のことなんて知るはずもない。


「え、じゃあ。 あの大量の魔物を倒して、その後は何処にいったの?」

さすがに、ウミナリも口を出す。


魔界でも、珍しかったり大きい魔石は重宝され、高額で取引されていたからだ。


「ええっと、ごみ捨て場かな?」

2人の眼差しに目を逸らすキャラウェイ。


「「うそっ、勿体ない!!!」」



そんな話を聞き、アナスタシアとラリサ、キャラウェイとカザナミとウミナリでごみ捨て場を見に行く(ブロディは国王の仕事で欠席)。


一応、土に埋めてたはずの場所。

防具にならなかった骨(かなり防具に使われている)、内蔵、胆石的な扱いの魔石は、纏めて埋められていた。


のだが、魔力を込めずとも地面に漏れ出した魔石の力は、その土地を魔素の強い土地へ変えていた。 新しい魔石に変化はなく、磨いてみれば宝石にように輝いている。


「ああ、魔石なんだけどね。 祈りを込めるとお守りになるのよ。 ピンチの時に、魔力を込めなくてもその属性の力で防御してくれるの。 婚約のお祝いに使うこともあるんだから。 ピアスがトレンドね」

そういうウミナリは、テンションが高い。


アナスタシアより、好きなだけ貰う約束を取り付けたようだ。



「うん。 魔石がすごいのは解った。 でもこの土地どうする? ラリサ意見は?」

ただならない濃い魔素を含む空気、大気も淀み空は紫に変化していた。 息をするのも、サウナの中にいるようで重苦しい。 野生の動物が死骸を掘り起こして捕食したのか、突然変異で魔獣の様相を呈していた。 最近見る魔物や魔獣は、まさかの自国産の可能性が。 頭痛がしてくる。


「どう、しましょうか?」

軽く眩暈のラリサだが、その中に見慣れた薬草がある。


「こ、これ。 薬草ですよ! 圧倒的に毒草が多いですが。 ちっと成分見てみましょう」


王城に戻り解析すると、普通の薬草の10倍の効能が見られた。

因みに毒草も10倍くらいの成分だ。



今後の方針として、

①今後、討伐後の魔石は王家で買い取ることにする。

②魔獣のごみ捨て場の魔石を回収することにする。

これは民間では危険なので、軍で行う。

③ここで(ごみ捨て場)の魔獣は、討伐した者が好きにできる。

その時の魔石は、王家で買い取りしてもらえる。

④ここの薬草や雑草類は研究中なので、持ち出さない。

⑤国で魔石を加工し、護り石や宝石として自国・他国に売買をする。 今後、魔石が失くなっても困窮せぬように、臨時扱いとする。

⑥魔石の使用方法について研究していく。

特別顧問、カザナミとウミナリ。 時々ライメイ。


取りあえず、ざっくりとした決め事を作る。


魔石はいつかなくなる。

それまである物を利用し、国の貯金にしようと思う。



あのごみ捨て場の土地は、ちょっと凄かった。

山奥だから、あんまり気にしてなかったけど。


そこに捨てにいく人に、害はなかったのだろうか?

聞き取りをすると、最初はちょっと息寝苦しかったが慣れたと。

アナスタシアが鑑定すると、魔力耐性がついているそうだ。


そうね、最初は数体だったもんね。

でも、気づかなくてごめんねの意味で、魔獣達を捨てる仕事の人々に国から補償金がたくさん出てすごく喜ばれた。 それからは、特殊マスクも支給された。

その後も特に健康に支障なく過ごされているけど、何かあれば報告してくれるように頼んだ。

これからは、ラリサ達軍も来ることになる。



慌ただしいラリサ達だが、キャラウェイの部屋の住人は変わらない。


今日のミナさんは、透け感のある薄い黄なり生地のブラウスを、胸元まで開けている。 中のタンクトップは黒で、胸元が見えて艶かしい。 緑のロングスカートと白金(はっきん)のバングル、黒のアンクルストラップサンダルが似合う。

イメお姉さまも、ミナさんと同じブラウス。 タンクトップは赤、ロングスカートは緑のマーメイドで純金のバングル。 赤のアンクルストラップサンダルを履いている。


2人とも茶黒のサングラスをして、化粧はキャラウェイが仕上げた。 ミナさんの髪はストレート、イメお姉さまは緩いウェーブの赤みの強いストロベリーの艶髪を腰まで垂らしていた。 


そしてその豊満な胸には、ミナさんは゛青〝の、イメお姉さまは゛赤〝の特大の魔石を加工したネックレスと、同色のピアスを着けていた。


その日は雑誌の取材日、今まで魔石を知らなかったこの国の貴族・国民と、ミナさんとイメお姉さまのファンの他国の貴族や国民達も注目することになった。



「ミナさん。 私、緑の魔石も欲しいわ」

「はい、お姉さま。 至急、取り寄せます」


キャラウェイ周辺は平和です。

そして外出時、氷属性の魔石を涼しげに持ち歩くキャラウェイ。



「みんなに、これの使い方教えてあげるわ」と、本日はビジネスお姉で城に向かうキャラウェイ。 同じ物が動力で出来るまで、国の力(財源)になるわよ。 魔界に勝てるように、もっと国を豊かにしてもらわないとね。 



今日も元気なキャラウェイだった。

そして、アナスタシア、ブロディ、ラリサ達は、多忙でほぼ死んでいた。





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