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公爵令嬢は顔が薄い  作者: ねこまんまときみどりのことり


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地味顔の魔女の、弟ジョージはお婆ちゃんっ子?

なかなか、本編に戻らずすいません。

『ジョージのジャイアントキングスネーク直後の件の話』


ラリサの2番目の弟ジョージは、タルハ―ミネ(ヘルガ)に助けられてから懐いた。

今までは細かいことでキーキー言ってる、煩いババアと思っていたのに現金なものである。

憧れとは全てを覆い尽くす恋にも似ている。


今ジョージは、心底陶酔していた。

巨大なファイヤーボールを、詠唱せずにぶちかます祖母に。


もともとは何代か前に姫が降嫁して成ったファンブル公爵家。

一方タルハ―ミネ(ヘルガ)は、その公爵家より王家との血筋が近いイブプロセン公爵家だ。 何代か前に王弟が婿に入っている。 タルハ―ミネ(ヘルガ)自身前王の妹の子で、ファンブル公爵家より最近なだけあって、王族の血が濃い分魔力が強く出現する可能性はある。

周囲から素質があったのね、と言われれば納得も出来る……?


今、ファンブル前公爵家当主ヴァルモンは、一番身近な影(間諜)と執務室で密談をしていた。


「怪しいよな」

「はい。 血の問題と言い切られては、何も言えないのですが・・・・。 私共も短くない期間、監視(みはり)しておりましたので」

「その期間に魔法の発動はあったのか」

「いいえ。 どんなに癇癪を起こされても、以前は微量の魔力も感じませんでした」

「そうか……………」

「因みにブルーノ様にも嫌みは言われてましたが、物理攻撃は一切ありませんでした」

「そうか」


ヴァルモンは執務机に左手で頬杖を付き、右手で煙草をふかす。

影は執務机正面のソファーにだらりと座り、テーブルのお菓子をつまみながら返答していく。


今までは直立で報告し、ヴァルモンもキリリと聞いていたも、答えの出ない問題に行き詰まり、2人は素に戻って喋りはじめた。


いきなり性格が(良い方に)変わり別人説を考えるも、どう見ても見た目はタルハ―ミネ(ヘルガ)に違いなかった。

突然魔力が出現したことが、一番気になるところだ。


「今までは監視の意味で嫁いで、アホを装っていたとか?」

「そこまでする意味ありますかね? 魔力まで隠すって。 ハニトラ装ってとかなら、まだ解りますが、わざわざ嫌われるとかって。 う~ん」

唸り出す影のサワディ。 彼は幼少期よりヴァルモンに遣える、兄弟の様な信頼する家臣の1人。


「逆に、ヴァルに嫌われるように動いていたとかは」

閃いたと言うように、上体を起こし早口で伝える。

「どういう意味だ」

眉根を寄せて答えを促す。


「例えばさぁ、ヴァルに触れられないようにとか」

「はぁ、何だよそれ」

「まあまあ、あくまで予測だけど。 他に家庭があるとかぁ?」

「本当、どういうことだよ」

「彼女も俺と同じ、間諜と言う可能性ですよ。 あの年で結婚出来ない行かず後家だったと思わせて、その実諜報活動を王家に任されていたとか。 表は公爵令嬢?として動き、裏では平民の身分で既に結婚して子供もいて、夫以外に触れられたくないとか。 もしかしたら引退した元諜報で王家に頼まれ断れず、引き受けたとか。 外に話は出ないだけで、イブプロセン家門もそういう家なのかもよ」


自分達(サワディ)の世界でも、間諜を隠す為に家庭を持ったり。 でも家族を愛し過ぎて、男女共に寝技系のハニトラ出来なくなった輩も多くて。 時代ですかね、とんだ甘ったれですわ、とか言うサワディは、公爵家の庭師として家庭を持つ愛妻子家だ。 当然ハニトラなんかしない。 本人もハニトラ要因じゃないんでと流すが、体格良く強面系の醤油顔。 需要はしっかりあると思うが、ヴァルモンが自分付きにと願ったことで、任を外れた背景がある。


「外出多くないっすか? 実はヴァルに干渉されないのを良いことに、本当の家族と日中過ごしてるかもよ。 ヴァルよりも10才も年下だし、ここの孫と子供の年が変わらなかったりしてな。 だって見た目だけなら、割りと良い女だし」

主の夫人に対して大概にしろと言われそうだが、今まで散々悪口を言っていた仲なので、咎めもない。 逆に影を欺いていたなら、タルハ―ミネはかなりの切れ者となるだろう。


だが、何とも手掛かりとなるものもない現状。

引き続き、監視を続けることになる。


ジョージを助けたタルハ―ミネが、素の彼女があれならば…………

『惚れてしまうやろ!!!』と口に出せないヴァルモンだった。


因にタルハ―ミネは前世を思い出した時、口調も若い時に戻っていた。 貴族言葉でも、老婆に変装していた口調でもなく、魔界で使っていた平民に近い言葉だ。


ジョージと喋った後気付くも、『うん。 面倒くさいから、口調このままで行こう』としたらしい。 公式の場では貴族風に振る舞うも、ヴァルモンと一緒に出掛けることも少ないのでOkだろうと。


その後、ジョージやウィリアム(イリヤ)に魔法の訓練をつける時は、平民言葉で通していたが、ヴァルモンやブルーノ、メアリーには貴族言葉を使っていた。 そんなに喋ることもないしと割り切っていたようだ。


だが、丁寧に話されることを寂しく思うヴァルモン。

目でタルハ―ミネを追うことが増えてしまっていた。

ヴァルモンとは10才差で、22才で嫁いできたタルハ―ミネ。

ブルーノのことで許せないことはあるが、なにか事情があったのかもしれない…………等と思いもどかしくなるのだ。


当然のことながら、前世を思い出す前のタルハ―ミネには含むところは皆無。 ただの我儘お嬢さんだった。



その頃ジョージは、ウィリアム(イリヤ)にも見守られながら魔法で庭の木を焦がしていた。 庭師のサワディにブチキレられながら、門や邸にも被害が出始めていた。


一方タルハ―ミネ(ヘルガ)は、ジョージが強い火傷を負わないように、調整を測りながら術を展開させていた。 ひどめの火傷や怪我は治癒魔法(ヒール)を掛けるが、軽度の時は塗り薬や包帯を巻いて治療をした。 軽度の損傷で即全回復させれば、痛みに耐えられない者になってしまうし、苦痛になることを止めたくなるだろう。 公爵家の子は他の(せんたくし)もたくさんあるので、無理はさせない方針だ。


だが、ジョージの好奇心は痛みを上回った。

ちょっとの怪我や火傷も、我慢が出来るようになった。

もっともっとと、微笑みながら学びを進める。


もう公爵家庭では術を教えられないと伝えると、あっさり軍隊入りを希望した。 既にウィリアム(イリヤ)がタルハ―ミネ(ヘルガ)の軍に入っていたことと、他の魔法使いではなくタルハ―ミネ(ヘルガ)に師事したい希望があったからだ。


ブルーノとメアリーは反対したも、衆人の目がある所の方が安全とのことで、ジョージが飽きるまでとの条件付きで入隊となった。 その裏には良い方に変わった、タルハ―ミネ(ヘルガ)への信頼感もあった。 また、ジョージを1人にさせると、心配との声も(主に庭師Sさんより)あった。


ジョージはその後も弱音を吐かず、数年後(タルハ―ミネ部隊では)実質ナンバーツーにまで登りつめることになるのだった。


軍で変身後のタルハ―ミネに合い、少々の戸惑いの中から説明を受けるのはもうすぐ。 魔法で姿を変えるのは、スパイも出来るようにだとウィリアム(イリヤ)からこっそり伝えられる。 軍の規定で家族には内緒と言い含められ、ちゃんと守れる良い子のジョージだった。 ※スパイ云々は、勿論でまかせです。



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