表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水たまり  作者: たかさば
1/2

ついてなーい!

なんと前後編です(*´-`)

 

 …ド、ド―――――――――――!!!



 ……なんだ、この…音は。


 七連勤の後の二日連休一日目の朝…私は…、凄まじい…轟音で、目を……覚ました。

 朝イチ、ゲリラ豪雨…ですか……。

 せっかくの休みの朝5:23、ばっちり目が覚めてしまったじゃありませんか……。


「くそー、今日は昼頃まで…ごろごろしてるつもりだったのに……。」


 ベッドの中で、覚めてしまった目を擦りながら…模索する。二度寝は…ない。私は非常に目覚めがいいタイプで、一度目を覚ますと夜になるまで眠くならないのだ。


 ちょっと早すぎるけど、もう起きてしまおう……。

 まあ、朝一から掃除とかめんどくさいこと済ませておけば…二連休を有意義に過ごせそうだし。


 スマホで天気予報を見ると…晴れ時々雨。

 なに、この適当な感じ。その時々というのは、小雨なのかゲリラなのか、はっきりしてもらいたいっていうか。

 降水確率10%ね…雨雲レーダーを見ると、小さな赤い雲がちょこちょこ浮いてるな。

 ……あ、しまった充電するの忘れてた、あと5%…充電器、充電器……。

 リビングの充電器にスマホを置いて、と。


 ……さて、どうしようか。


 …まあ、とりあえず、洗濯と掃除だけやっちゃお。


 お風呂は掃除してあるから、フローリングにモップをかけて、ゴミ出しをして…洗濯物は全自動だからあとは取り出すだけ、トイレ掃除はちゃちゃっとやってと。ああそうだ、晩御飯用のごはんもセットしておかないとね。朝のテレビ番組で今日の運勢もチェックして…ムム、今日の牡羊座は、最下位?!羽目を外さないよう気をつけましょうって…私は枯れた三十路女さ、羽目を外すも何も、盛り上がる要素なんか一つもないっていうか。まったくテキトーな占いだよ……。まあ、タダだしなあ、こんなもんか。



 全部終わって一息ついたところで時計をみると、7:00…おなかすいてきたな。

 何か作ろうか……、でも作るとなると、食べた後食器を洗ったりしないといけないし、ちょっとめんどくさい。


 しつこい油汚れと戦うのは、夜だけで充分っていうか。昨日の夜圧力鍋やまな板やコンロ周りを洗うのに疲れたからね、朝ぐらいは手抜きしたいというか。

 キッチンってさ、あんまり汚したくないじゃない?


 ……パンの買い置きもないなあ、冷蔵庫の中には、賞味期限切れのプリンにジャム、バター、卵が二つに萎びたキュウリ、あと晩御飯用のタッパー。今日の夜は、昨日作った豚の角煮の残りでこってりスペシャルどんぶりを作って食べる予定なんだよね~♪私の作る豚の角煮は、そりゃあおいしくってね!ああ、作って二日目の、たっぷりタレの染み込んだ美味しい角煮♡楽しみで楽しみで仕方がないんだ~♡


 うーん、コンビニ行ってなんか買ってこようか、でもなあ、雨降ってるし…。


 天気を確認しようとカーテンを開けて外を見ると…、うわ、もう青空になってる!


 ほんとゲリラ豪雨って…一瞬でこう、上がっちゃう感じ?コロッと変わっちゃう感じ?スゴイな、まるでお天気屋のお局さんみたいだ。

 さっきまで失敗を悔やんで大泣きしてたのに、振り向いたら差し入れのお饅頭食べてニコニコとかさ、イケメン部長に褒められて赤くなってるなと思ったらバイト君のミス見つけて雷落ちるとかさ。この前も限定の高級食パンの差し入れもらって大喜びした次の瞬間、呼び出し放送の仕方が悪いとカンカンになって……。


 ……そうだ、久しぶりに、ベーカリーモーニングに行こ!

 モーニングセット398円をいただいた後、お昼御飯用にパン、買ってこよ!確か昨日小銭をまとめたら、1000円くらいあったんだよね。財布を重たくする要因を排除、そして腹を満たし、減った後の事も補填できる!


 よしいいぞ!!さっそく出かけよう。




 私は意気揚々と身支度をし、マンションを出て、腹を満たし、財布の小銭をほぼ使い切り、手には昼ご飯を持ち、無事に帰宅をですね。するはずだったんですけどね。




 ・・・おかしいぞ、どうしてこうなった。




 全身ずぶ濡れの状態で、呆然と立ち尽くしている私がここに!!!!



 前髪からぽったぽったと滴る泥水、頬を伝う泥水、顎から垂れる泥水、全身にぶちまけられた、小さな葉っぱや木屑の混じった泥水!!!


 私、鼻歌交じりで歩道を歩いていただけなんですけど?!


 朝のゲリラ豪雨でできた、水たまりがたくさん路上にあったのは、確かに見た、見ましたよ?!

 歩道の水たまりを軽やかにひらりと飛び越え、パン屋に向かい、到着し、美味しいもの食べておいしいもの買って、行きと同じように水たまりを軽やかにひらりと飛び越えながら、帰宅しておりましたよ?!

 先月買った、新品のスニーカーを汚してなるものかと、足元に気を使いながら、細心とまではいかないけどまあまあ注意して帰路についておりましたけど!?


 だがな、生け垣の向こう側に隠れていた、大きな轍にたまってる泥水なんか、見えるわけないじゃん!!!

 道路の凹みが思いのほか深くて、めっちゃ水たまってるとか思いもしないじゃん!!!


 ……地味に車道と歩道の間に腰の高さまである生け垣が悪影響した。

 勢いよく通りかかった車に、水しぶきをかけられて…頭からずぶ濡れになってしまったじゃありませんか……。


 …すごいね、水たまりってさ、あんなにも頭の上から降ってくるんだね!

 腰までの生け垣なんてまるで防御に役立たないんだね!

 車って、人様に水ぶっかけたことに微塵も気が付かずに走り去るんだね!!


 あ り え ね え ー ! ! !


 クソドライバーがああああああああ!!!

 水たまりくらい確認せんかい!!

 水はねた先に人がいることに気づかんかい!!


 ……なんちゅー運の悪さですか。チョーついてねー!


 家までは…あと、五分ほど。無礼を働いた、憎き車の姿は、すでにない。


 ……こんな所でつっ立ってても意味がない、か。



 ・・・かえろ。



 私の良いところ、切り替えの早いところってね。まあ、まだ相当怒りは収まっておりませんがね!


 靴とかびしょびしょだし、やけくそになって水たまりに足をじゃぶじゃぶ突っ込んで帰る。

 なんていうか、背徳感?やっちゃいけないことをやってる感がまあまあ気持ちいいわ!!

 なかなかこんなシチュエーションないじゃん、せっかく泥水浴びさせていただいたんだから、とことんその恩恵に与ろうじゃありませんか!

 完全に開き直って、大股歩きで水たまりだらけの道を闊歩、闊歩!


 靴が濡れないよう細心の注意を払ってそっと踏みしめていた地面を、ザックザックと踏みしめてじゃぶじゃぶと前に進む!!!わりとスニーカー白いまんまだな、帰ったら黒いマーカーで全部塗りつぶしてやろうと思ったけど、これなら洗うだけでなんとかなりそう。


 スニーカーを見つめる先に……、でっかい水たまりがあるな、ふぅん、やけにくっきりと青い空が映り込んでやがる……。はは、虹が映ってる。泥水の虹がこんなに綺麗ならば、実物はもっと……。


 空を見上げると、めっちゃきれいな青空に、七色の橋が♪

 すごーい!なんかいいことありそう♪



 ……、ひでぇ目に合ったばっかだしな!



 あああああ!むしゃくしゃスルー!


 ……、そうだ、水たまりに、ジャンピング着地しちゃお!


 小さい頃さ、長靴はいて、水たまりに突撃するの好きだったんだよね!

 水たまりの表面がさ、波紋広がる感じとか。

 水たまりの表面がさ、蹴散らされる感じとか。


 汚れるならとことんってね!どうせ全部洗うんだ!…私が洗うんだよっ!


 一歩、二歩、三歩下がって……、勢いよく!




 虹の映る、泥水の中に……、ジャーンプ!




 ……びべよんっ!





 バチャーン……って、気持ちよく、って……、はい?




 ………なんか、変な音、しなかった?






 ……なんか、風景が?






 …へ?






 ………ねえ、なんで私、宙に、浮いてるのぉおおおおおおおおおおお?!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 1/2 ・文章構成が女の子。目的や理屈ではなく『過程』そのものを楽しんでる [気になる点] >>> キッチンってさ、あんまり汚したくないじゃない?  やたら印象的。だって食中毒しちゃう…
[一言] まさかの異世界転移。 異世界転移のタグをつけると、作品自体もどこか違うランキングに行ってしまうという噂ですが、本当なんですかね。 雨に濡れてしまった後の、開き直り感、いいですよね。背徳感と…
[良い点] ある意味びっくりした。 [気になる点] 枯れた三十路(加齢臭は20代からです。) 道路の凹みが思いのほか深くて、めっちゃ水たまってるとか思いもしないじゃん!!!(ん〜ドンマイ!) お昼用の…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ