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6.私はお仕事場を愛する2

部長室は南向きで部長席の背後と片側の二面を窓が占めている。部長席の隣に置かれた鉢植えの観葉植物も活き活き色艶がよくとても明るくて居心地の良い部屋だ。本人は毛が薄くなった後頭部に厳しい光が突き刺さり、この部屋は僕に優しくないと飲み会があるごとに零しているが、一般的にはイイ部屋だ。リアルに後光が射して菩薩のような部長と呼ばれる一因となっている。


「来週、新人がこの部に二名正式に配属になります。   

 郡山君と佐伯さんです。

 郡山君が1課で佐伯さんが2課ね。

 今は全体研修中だね。

 二人にお願いしたいことは3点。1点目、

 部の業務説明会を計画して欲しい。使う資料は

 去年使用したものから実績部分が変更点となる

 からそこだけチェックさせて。

 2点目、メンターを選んで付けてあげて。

 3点目、歓迎会を計画して。

 僕の予定はイントラネットを本日午後一までに

 修正しておきますので見てね。」


「「承りました」」と声をあわせる。


「あ、ちょっと訂正」

メモを取っていた手がぐきっとなる。

「メンターだけど、天川さん、この部に来てから

 実は1回もやってないんじゃぁ?」


おっと、ばれてーら、と焦る。二年前に管理職になると同時にここに配属になったため、新人メンター業務を行っていない。管理職は残業代も付かないし、通常業務にメンター業務が乗っかるのは割に合わないと、そのままスルーしてくれたままで!と願っていたが、そうは問屋が卸さなかったらしい。


「流石部長っ。良く把握されてますね!」


と中条君がザ太鼓持ちビジネスマンな合いの手をいれる。


「郡山君、優秀だし、好青年じゃない。やってみ

 ようよメンター。君の成長にも繋がると思うよ 

 是非是非」


と見合い婆のようなことを部長は言い始める。

いやま、確かに郡山君は全体研修で会ったが体操のお兄さん並みに胡散臭いほど爽やかではあったが。

正直面倒……


「承りました」

良いサラリーマンは微笑みと良いお返事が重要です。

 そんなだって前世のお仕事と比べたら天国級のホワイトさだ。


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