表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生からの魔法失敗で、1000年後に転移かつ獣人逆ハーレムは盛りすぎだと思います!  作者: ゴルゴンゾーラ三国
第五部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

313/493

309

 イエリオとそんな話をして。イナリにも、誰にも、獣人と人間は子供が出来ないかもしれない、という話を出来ずに、数日が経過してしまった。とはいえ、獣人たちが人間だと思っていたのが猿獣人だったかも、という可能性が浮上し、もしそれが本当なら獣人と人間のハーフの前例がないだけで、異種族間で子供が出来ないと決まったわけでもない。


 暗くなって落ち込んでいても仕方がない。もし悲しむとしても、わたしが彼らの子供を望んで、絶対に出来ないと確定してしまったときにすればいい。今はまだ、気にしなくても――とは思うものの、やっぱりちょっと気になってしまう。


 イナリはというと、ここ数日はずっと仕事に行くかわたしの服を作っているかで――あれ。

 ふと、イナリの帰宅が早くなっているような気がした。早くなっている、というか、ここにきたばかりのときは徹夜続きでクマを刻んでいたのに、それがすっかりなくなってしまったのだ。


 仕事が落ち着いたのかな、と思ったのだが、よく考えたら、今普通の服の制作チームが祝集祭の方に駆り出されているなら、祝集祭が終わるまでイナリも忙しいのでは? 店がどういう形態で業務を回しているのかわたしは知らないけど、祝集祭があるから仕事がイナリにまで回ってきた、っていう話じゃなかったっけ。

 不思議に思って聞いてみると、作業を止めずにイナリはあっけらかんと「没になった」と言った。


「えっ、あんなに頑張ってたのに!?」


「僕以外にもデザイン出したやつはいるし。……正当な評価だし、文句はないよ」


 折角あんなに描いていたのに、と思う反面、確かに正当な評価だったら仕方ないのかな、とも思う。ブスだからセンスがない、というあの理不尽な客のような言い分だったら文句もあったが、そうじゃないのならまだいいのか。

 イナリ本人も、不満はないみたいだし。


「ちなみにどんなの描いたんですか?」


「その辺にある。勝手に見れば」


 こちらも見ずに、イナリは床を指した。確かに、イナリが指さす場所には紙が散乱していた。

 勝手に見れば、と許可を貰ったので、わたしはそのデザイン画をぱらぱらとめくる。

 どれもこれも、女性もののデザインだった。確かに、あの店は冒険者の防具がメインで、一般の服も売ってはいるけど、どちらかと言えば男性寄りな店だったと思う。女性服も普通にあるけれど。


 それを考えると、女性服ばかり、というのは却下されるのかもしれない。それなのになんで女性服ばっかり描いたんだろう、と思いながらぱらぱらとデザイン画を見ていると、ふと、一枚のデザインが目に留まる。


「あ、これ、好きな感じ」


 シンプルながらも可愛さがあるワンピース。それを見て、わたしは思わず呟いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ