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転生からの魔法失敗で、1000年後に転移かつ獣人逆ハーレムは盛りすぎだと思います!  作者: ゴルゴンゾーラ三国
第三部

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 帰ってからすぐに昼ご飯を済ませる。わたしが昼ご飯の片付けをしている間に、イエリオが入院中の洗濯ものを片付ける。

 普段は洗濯ものを別にして、それぞれが自分のものを洗って干すシステムだが、怪我人なのだから今くらいは代わる、と申し出たのだが、大丈夫です、と強く断られてしまった。いやまあ、下着とか、そういう問題が確かにあるけども……。


 もろもろの片付けを済ませると、イエリオは、さあ話してください、と言わんばかりに目を輝かせていた。

 初めて入ったイエリオの自室は、すごく物があふれていて、一応整理整頓はされているものの圧迫感が凄い。

 こんな場所で休まるのか……いや、いつもここで過ごしているんだから休まるか。


 ベッドに腰かけるイエリオに、わたしは少し呆れながら言った。


「いや、ちゃんと寝てよね?」


「話を聞いたら休みますから」


 そう言ってイエリオがベッドに入るのを見届ける。結構普通に喋っているし、洗濯ものも出来ていた(この時代にもちゃんと洗濯機的家電はあるので、スイッチを押して干すだけだが)ので、元気そう、とは思っていたが、やっぱりまだ背中が痛むらしい。一瞬、寝ころぶときに顔がひきつっていた。


 手短に話すか、とわたしは頭の中で話題を整理する。

 とはいえ、立って会話をするのもアレなので、デスクから椅子を持ってきて、そこに座る。


「イナリさんに聞いたんだけど、フェルルスって魔物は首を落とさないと蘇生するんでしょう?」


「そう言えばそうですね。伝え忘れていました」


 伝え忘れも何も、あの状況じゃそういった会話をするのは無理だろう。それに、わたしのあのときの装備で首を落とすのは無理だ。仮にその情報を知っていたとしても、動かなくなって逃げられるからいいや、とそのままにしていただろう。

 魔法で切り落とすことが不可能な訳じゃないけど。


「で、もしかして、首を落とすのって、魔力路の神経を破壊するためなのかなって。首は首でも、頭に近い方を切れば魔力路の神経が駄目になると思うの」


 魔力路の位置は後頭部、頭と首の境目……より少し上から下に向かって存在する。

 丁度この辺り、とわたしが自身の首を謎って見せると、何故かイエリオは黙り込んだ。


「……イエリオ?」


「えっ、あっ、いや、なんでもありません! ええと、そうですね。確かに、フェルルスの首を落とすときは中央を横に切るのではなく、こう、上から下に――っ、つ」


 自分の首で説明しようとしたイエリオだったが、背中がひきつってしまったらしい。息を詰まらせた。


「大丈夫?」


「ええ、普通にしているとそこまで痛みはないんですが、格好によっては駄目みたいで。……その、少し失礼しますね。ちょうど、こんな感じに切らないといけないらしいです。私は実際に見たことがないのでしりませんが」


 つつ、とわたしの首にイエリオの指先がすべる。襟足のあたりから、喉の辺りまで、首を半周するように。

 触り方がぎこちなく、触れるか触れないかの軽さに、逆にくすぐったく、思わず身をよじりそうになった。


 でも、確かにこの位置なら丁度魔力路の神経が被る。

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