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転生からの魔法失敗で、1000年後に転移かつ獣人逆ハーレムは盛りすぎだと思います!  作者: ゴルゴンゾーラ三国
第三部

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「イエリオさーん、起きてますか?」


 もう起きているかな、と思ったけれど、返事はない。まだ少しなら寝ていても構わない時間だけれど、イエリオさんのことだから起きているかと思った。

 寝る前に、「明日表札をちゃんと調べますから」と約束したから、てっきり早くに起きてスタンバイしているものかとばかり。


「入りますよー」


 そう言って、少し待ってみてもなんの反応もないので、わたしはテントの入口を開けた。

 イエリオさんはまだ寝袋の中にいて。わたしの声に反応したのか、少しだけ身じろいでいたが、起きる気配はない。


 うーん、着替えたいんだけどな……。


「イエリオさん、起きてください。わたし、着替えたいんですけど」


 ためらいなく体を揺さぶってみるが、「んんー」と気のない、うめき声のような返事しか帰ってこない。

 普段からテンションが高めなイエリオさんは朝も強そう、と勝手に思っていたのだが、全くそんなことはなかったらしい。

 こんなにも寝起きが悪い人だったとは。


 別に今すぐ起きて準備を急がないと朝食の時間に間に合わない、ということはないが、表札の検分をしたいならさっさと起きて欲しい。

 根気よく揺さぶり続けていると、イエリオさんが目を開けた。


 うわ、目つき悪っ。

 朝日がまぶしいのか、目を開けたばかりで機嫌が悪いのか、それとも眼鏡がないから無意識に細めたのかは知らないが、普段のイエリオさんからは考えられないほど人相が悪い。


「目が覚めましたか? おはようございます。わたしが先に着替えるのでも、イエリオさんが先に着替えるのでもどちらでも構わないですけど、二人とも着替え終わってからにしてくださいね、表札は」


「……ざいます……。……ひょうさつ?」


 まだ寝ぼけているらしい。声もカスカスで、活舌も悪いし、全然状況を理解していない顔をしている。

 というか、寝ぼけている、よりも半分寝ている、と言った方が正しいかもしれない。話ながらも瞼が閉じていっている。


「寝る前に、明日見るって約束したでしょう?」


「――……あ」


 思い出したのか、今度はしっかり目を開けた。まだ眠そうだが、先ほどよりは意識が覚醒してきたらしい。


「覚えててくれたんですか?」


「忘れるようなことでもないでしょう? ほら、どっちから身支度をしますか?」


 わたしがそう言うと、ようやく頭が覚醒してきたのか、しかめつらに近かったイエリオさんの表情が、柔らかい物になる。


「では、マレーゼさんお先にどうぞ。私は外に出ていますので」


 そう言って、イエリオさんは起き上がり、ふらふらとまだ少しおぼつかない足取りで、外へと出ていった。

 …………。

 昨日の夜みたいなことにならないように、さっさと着替えてしまおう。

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