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「私は、これでも、そこそこ大きい会社の社長でね・・・二代目なんだ。先代が始めた後を継いだ。先代と私は、何の血縁関係もなく、私は入社以来、ただ遮二無二に働いた。
まだ、社長になる前、大分、自分の会社のことを分かってきた頃、社員間の会話の中で、先代は、ビジネスを今は、
持っている者が、持っているものを、いかに減らさずに計算高く増やしていくことに考えをシフトしたことに気づいた。
それを聞いた時は、虫唾が走った・・・まあ、私は、それを他者に悟らないように努めたがね。
その後、それを私は、よし、と思うようになっていった・・。
固く固く、ビジネスをして、明らかな拡大の展望が見えた時、勝負に出る!!
私には、自分のいる会社が、そうしているように思えてきて、私の働き方も、より精を増した。
そして、ある時、先代から、社長室に呼ばれて、先代直々に次の社長に任命された。
・・・ねえ、君、どうして、私は次の社長を任されたと思う?」
タクシードライバーは、運転しながら一言、返した。