インシデント
インシデント、誰しもこの言葉を聞いて胸を痛める、何て事はない。胸を痛めるのは恐らく鉄道、船舶、航空の職員らだろう。他は知らん。よしんば知っていたとして私が述べることはない。
意味合いとしては事故とならなかったがなりうる大きな予兆のこと。
例えば昔の国鉄の官報のような感じならば『信号取扱誤りにより列車あわや衝突』みたいな感じである。当たらなければ事故じゃない。
そして国鉄がインシデントという言葉を使いだしたのは330運動の時だと私の師匠が言っている。師匠が正しいとは限らないが、んなもん知ったことか。330運動とは『ハインリヒの法則』に基づく『1の事故の裏には29の重大な予兆と300の軽微な予兆がある』ということに基づいた事故防止を目的にした運動である。1の事故は勿論『事故』だ。29の重大な予兆は『インシデント』、300の軽微な予兆は『ヒヤリハット』という。それらを撲滅すれば理論的には事故はなくなるのである。
ヒヤリハットは内部で蓄積していくわけであるが、インシデント、それもとびきりデカイ案件は国土交通省の『運輸安全委員会』の調査が入り、インターネット上に公開されて教訓として各運輸企業間でもそれを横断的に閲覧できるようになる。勿論一般人でも見られる。なぜそれが起こったのか、それはリスク管理に役立つだろう。少し調べてみるのも面白いかもしれない。