話と力量と黒猫と
前回のあらすじ
異世界行った
私人外だった
まさかの全適正
シフォニーとヴァンが部下になって2時間くらいたった後、メイドに言われ、大広間で夕食を食べにクラスメイトたちや王様が集まった。そういえばまだ魔王を倒すかどうかの返事をしていなかったので、夕食の後に言うようだ。
ちなみに、シフォニーに髪を整えられたが、なにか落ち着かなかったので戻した。シフォニーもお披露目は明日のほうがいいと言っていたので好都合だ。
夕食を食べ終わり、この後いろいろと面倒くさい話し合いが始まるため、私は部屋に戻ろうとする。だが、出て行く前に話し合いが始まってしまった。今ここで出て行くともっと面倒くさいので結局聞くことにした。魔法を使うのはやめておこう。私の勘が言っている。
「すみません、王様。魔王の件のことなんですが、僕は魔王を倒したいと思います」
と、陽野が言った。ほかの人たちも賛成している。実は夕食の1時間前にクラスメイトの部屋を回って、魔王を倒すように説得していたのだ。もちろん私の部屋にも来たが、どちらでもいいと言って帰らせた。いやだと言っても説得を続けるだろう。
「おお、やってくれるのか。ならば明日にも訓練を開始しよう。武器も防具も用意しよう。自由に選んでよいぞ!」
明日武器と防具がもらえるのか。いい武器あるかな。そろそろ自分の力量が見たいし、今夜調べよう。そうして、私は部屋に戻った
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夜、みんなが寝静まったころ、コクアは訓練場に行った。この城のことは全知が全部知っていたため、ここにした。防音結界を張り、弱体化の魔法は消した。準備は万端だ。
まず攻撃力のチェック。転移前は拳で小さなクレーターが出来たが、今はどうだろう。そう思いながら、地面を殴る。と同時に、訓練場が破壊された。跡形も無く。うん、やりすぎた。これやったの私だわ。その後、時魔法という魔法で時を戻した。
その後も500M上からヒモなしバンジージャンプや全力ダッシュ、円周率をどのくらい言えるかなどなど、いろいろ試した結果、どれも桁はずれだった。落ちても無傷、走ったら1歩で一kmくらい進んでいたし、円周率なんかは計算しながら言えた。止まらずに。あとは本をパラパラめくるだけで本の内容が一文字も間違えずにわかったし、どっかの配管工の赤いおじさんもびっくりの大ジャンプができた。もう完全に人外だわ。
部屋に戻った。でも、まだやることがある。それは、私の本当の姿のことだ。私は転移された時に無意識にスキル・人族化を使っていたようだ。これは夕食を食べた後に何か毒やスキルにかかっていなかったかを全知に聞いた時、自分自身にスキル・人族化をかけているとわかった。だったら、スキルを使わなくなったらどうなるのか?という疑問が生まれ、今実験しようとしている。念のため気配を消して、実験開始。私は人族化を解いた。鏡を見ると、いつもとあまり変わらない私の顔が映っていた
「・・・え?」
私は静かにつぶやいた。姿はあまり変わらず、変わったところは角と羽根がついたくらい。角は髪と同じ黒で、不思議な雰囲気を放っている。羽根は黒にとても近い紺色に所々にとても小さな粒が付いていた。それはまるで夜空のようだった。うん、この姿は誰にも見せないようにしよう。たぶん討伐される。私は人族化を発動し、寝たのであった。
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《ヴァン視点》
「申しわけございません。我らが魔族であると勇者の一人にばれました」
今、僕は魔道具で魔王城の幹部に話をしている。幹部は、魔王を守る10人のことだ。内容は、もちろんコクアのことだ。彼女には許可を貰ったので今連絡を取っている。シフォニーは夜中だったのでぐっすり眠っている。
「ばれたのか。その後どうなった?」
「勇者の部下にされました。」
「奴隷ではなく?」
「はい。命令は別に拒否してもいいし、許可があれば何でもしていいというものでした。今話しているのも許可を貰っています。ただ、勇者のステータスが異常でした」
「どういうことだ?」
「勇者は、いえ彼女は、人族ではありませんでした。種族は不明、桁違いなステータス、さらにはスキルがチートレベルと、魔王様よりもはるかに上でした」
「なぬ!?それは本当か!?そいつには、魔王様を倒す意思はあるのか?」
「よくわかりませんが、乗り気とは思えませんでした。明日聞いてきます」
「これで報告は終わりか?なら切るぞ」
「はい」
魔道具を仕舞う。我ながら厄介なことに巻き込まれたなと苦笑する。そしてベッドに寝転がり、そして寝た。
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結局、コクアの特訓や変身はばれることはなかった。・・・ただ一人を除いて。
そこには、コクアしか見つけられなかった、金色の目をした黒猫がいた。
次回!重要なもの3つゲットだぜ!