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1話

♪~

「いらっしゃいませ」

俺は扉を開けて入ってきたお客様の相手をした。

これで何度目だろう・・・。

そう思い数えようとしたけど、すぐにやめた。

多すぎる。


ここは石川県の某所にあるファミレス『ラホニー』

全国にチェーン店がある有名なファミレスである。

店の名前はチェコ語でおいしいという意味らしいが実際あっているかは不明である。

「いやー、店長。今日はいつも以上にお客さんが多いですね」

「そうだねー。さすが給料日後の休日って感じがするね」


このひとが店長の中野 朝陽だ。

店の中で一番偉い人である。

しかも地区長という役職についているのでここら辺の店でも一番偉い。

地区長という役職についているので、ほかの店舗のひとは店長に会うと緊張するらしい。

しかし、実際はとてもフレンドリーで優しいひろである。


「いくら給料が入ったからってこれはきすぎですよ。ファミレスじゃなくてもっといいところに食べに行けばいいのに」

「こら。お客さんにそんなこと言わないの。ほら、またお客さん来たよ。行ってきなさい。佐々木君」

「はーい」

店長に言われお客さんのご案内をする


佐々木君とは俺のことだ。

本名は佐々木 直人

高校三年生だ。

バイト歴は二年の夏から初めてかれこれ半年と少しである。

始めたばかりの頃は働けるようになるか心配だったが、半年も働いていると仕事も覚えなかなかの地位につくことができた。

地位といっても人間関係のことである。

パートさんとも仲良くやっているし、店長にも頼りにされているし、ほかのバイトとも仲良くやっている。


しかし、いくら仕事ができたって人数が足りなければ店はまわらない。

現に今日は、世間的には給料日の次の日。

そして土曜日である。

客が来ないわけがない。

かれこれ、席が空いたと思えば席をきれいにして新たな客を案内する。

さっきからそれの繰り返しだ。

そして手が空いたら、料理を運ぶ係の手伝いをする。

非常にきつい・・・

あと一人はアルバイトが欲しい。

うちの店は正直人数不足である。

なので、どうしてもピーク中でも人が足りない。

「店長、お客さんが多いこともあるんですけど、人が足りないので余計に忙しく感じます」

「そうだねー。確かになんとかならないものかねえ」

店長が笑いながら答える。

「あ、そういえば明日新しいアルバイトの面接があるんだった」

「まじすか!」

とてもうれしかった。

新しい戦力が増えるかもしれない。

これは喜ぶしかない

「どんな人なんですか」

「んー、電話で聞いただけなんだけど、女性で高校二年生だって」

しかも女性。なおさらうれしい。

俺は上機嫌で仕事に戻るのであった


翌日

新しいアルバイトの面接の日である。

面接の時間はランチのピークがおわり、片づけをしているであろう4時からである。

俺はいつも以上に張り切ってピークを乗り越えた。

そしてランチの片づけをしながら時計を確認する。

3時45分かそろそろくるかもな。

そんなことを思いながら俺はシルバーを片づける。(シルバーとはフォークやスプーンやナイフのことである)

♪~

ん、客か。

そう思い入口に向かう。

「いらっしゃいませ。お一人様ですか」

見た感じ制服を着ているあたり女子高生らしい。

というか、同じ学校である。

見覚えのない顔なのでたぶん違う学年である。

髪型はポニーテール。色は明るい茶色である。ピアスもいくつか開けている。

あれだな。見るからに不良女子である。

しかし、そんな女子高生が一人でファミレスに来るものなのか?

そういうこと思いながら女子高生を見ていると。

「あ、あのバイトの面接に来たんですけど・・・」

彼女は恥じらいながらそう答える。

え・・・、この女子高生が新しいバイトだと・・・

「あ、そ、そうなんですか。では今席に案内しますね」

「わかりました」

そう言って彼女を案内する。

えー。この娘が新しいバイトだと・・・

不良女子とか俺がもっとも嫌う人種である。

教室でもどこでもいつも騒いでいて、いつもクラスの中心にいる。

俺といえばいつも教室の隅っこで似たようなやつらとしゃっべている

つまり、真逆である。


俺は席に案内してコップに水を汲んだものを持っていき

「今店長を読んでくるから少し待っててください。あ、よかったら水をどうぞ」

と言い机に水を置いてすぐに裏に戻る。

「店長ー、バイトの面接の人がきましたよ」

店長が店長室から出てくる。

いつのまにかお店の制服からスーツに変わっていた。

「どんな人だった?」

正直に言うと『不良女子高生ですね。俺が最も嫌う人種です』なのだが

「明るくて元気そうな女子高生でした」と

砕いて答えた。

「へー、見た目から明るく見えるのはいいことだよね」

実物を店長がどんな反応するのか気になるので

「店長。早く言ったほうがいいですよ。面接の人を待たせるのはよくないですよ」

と店長を面接に向かわせた。

そうこうしているうちに、4時になったので俺は休憩に入った

様子を見に行きたいがじろじろ見るのもあれなので、店長が面接から帰ってきたら感想でも聞こうかな。


休憩室で遅めのお昼ご飯を食べている。

基本この時間の休憩は俺だけなのでいつも一人で食べている。

ほかのバイトの人と時間が被るときは楽しくおしゃべりをしたりしているのだが、

1人だとさすがに静かである。

これはこれで気が楽なのでいいのだが。

そんなことを考えていると、店長が面接から帰ってきた。

「店長、面接お疲れ様です。どうでした」

あの見た目なら不採用かな。と思っていたのだが

「採用にしたよー」

え・・・

理由を聞かずにはいられない

「な、何でですか。いいかにも不良じゃないですか」

「見た目はあれだったけど、話してみると人柄もよさそうでとても真面目なんだよね。それに検定もいくつか持っているんだよ。人は見かけによらないとはこのことを言うんだね」

「あ、そうなんですか・・・それならなかなかいいひとそうですね・・・」

どうしよう・・・

店長が店長室に戻ったあと俺はものすごく悩んだ。

やばい・・・

まさか採用されるとは思わなかった。

仲良くやっていけるのか。

一緒に働いていくのだから仲良くならないといけないのだが。

俺、あーいうタイプは苦手なんだよな・・・

どうなるんだろう・・・



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