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勘違い少女がエロ同人誌を見つけた結果

作者: ろいはち

ほぼセリフです。それでも良ければどうぞ!


簡単にキャラ紹介書いておきます。


・青年

この話のメインキャラ。社会人。20歳。

少女とは遠い親戚の娘で、たまにある集まりで会って軽く話す程度だったが、何故かしら懐かれてしまい、今では時折家に遊びに来たりする仲になった。

青年は少女の事は好いてはいるが、さすがに学生を家にあげるのは不味いのではないかと日々悩んでいた。

たまたまベッドの下に置いてあったエロ同人誌が見つかってしまい事件が起こる。


・少女

この話のメインキャラ。学生。16歳。

昔は内気でネガティブな性格で、それにコンプレックスを抱いていたのだが、ある時青年に言われた言葉をきっかけに性格を変えていった。そして自分なんかに親身になってくれた青年に好意を抱き、今では青年の家に押しかけて家事をしたりする様になった。なお青年は自分の言った事に関して何も覚えて無い。

ある日いつもの様に青年の家で掃除をしていて、ベッドの下にあったエロ同人誌を見つけた事により事件は起こる。

ある日──



少女は青年の部屋でエロ同人誌を見つけた。

事件はそこから始まった。


「もう…お兄さんったら…そういう事なら言ってくれればいいのに…さぁ、愛し合いましょう?」


少女はおもむろに服を脱ごうとする。


「誤解だから!誤解なんだよ!」


青年は顔を背けながら必死に話そうとする。


「もう我慢しなくていいんですよぉ…?私ははもう準備万端ですから…」


そう言って少女はジリジリと青年に近づいてくる。


「やめて!ご、誤解なんだ!」


「そうなんですかぁ…?」


「うん」

青年は頷いた。


「じゃああの同人誌、お兄さんのじゃないんですかぁ?」


「いや、まぁそれは、俺のなんだけどさ……」

青年がそう言った途端、少女は目を光らせて──


「やっぱりぃ…!お兄さんは私を愛してくれてるんですねぇ!」

おもむろに服を脱ごうとする。


「何でそうなるの!?違うんだってぇ!」



そんなやりとりが二分くらい続いたところで少女が声を掛けた。


「…あの、別にお兄さんも立派な男性なんだから、女の子をそういう目で見るのは正常だと思うんですよ…」

ジリジリ…


「そ、そうか…?」


「そういう同人誌を読んだりして見たくなる事も、全然、男の人として健全だと思うし……」

ジリジリ…


「…あの…な、なぁ…」


「何ですかぁ…!?」


「な、なんで距離詰めてんの…?」


じわりと距離を詰めてくる少女に対し青年は不思議そうに問いかける。


「えへへ…愛し合うために決まってるじゃないですかぁ…」

そう言い少女は青年に抱きついた。


「やめて!?」


「この本に書いてあるみたいに超マニアックな方法で犯してくれるんですよねぇ…!?」

少女は一部のエロ同人誌を持って見せてくる。


「しないよそんなの!てか堂々と持って見せてこないで恥ずかしいから!」

青年はそう言って少女を引き剥がす。


「普段お兄さんが使ってるこの机に組み敷いて…


『─いつも俺が仕事してる机をこんなに汚して…どうするつもりだ…?』


とか言われるんですよねぇ…!?」

少女は目を輝かせ、息を荒くして言う。


「抜粋するのはやめてくれ!さっきの本から抜粋するのはやめてくれ!頼むから!」

青年は必死に止めようとする。


「勿論、お兄さん特有のマニアックな責めも、私は受け入れますよぉ…?」


「マニアックな趣味持ってるの前提!?そんな事しないから、やめて!」


「『今日はこの道具を付けて学校に行くんだ……』とか言われちゃうんですよねぇ…きゃっ♡」

少女はウットリとしながら恥ずかしそうに言う。いや、むしろこれは嬉しそうだ。


「抜粋やめて!音読しないで!」

青年は耳を塞ぎ首を勢いよく左右に振る動作をする。


「お兄さんが私を手軽な性具扱いしても、私は受け入れます!」


「違うから!そういうんじゃないから!」


「なら…さ、さらにマニアックな…?」


「違うから!そもそもさっきお前が見た同人誌みたいなのは俺の趣味じゃないから!第一、俺の趣味はもっとお互いが愛し合うような…!」


「……え?」


「あっ、やべ」

この時、青年は墓穴を掘ったと思ったが、時すでに遅し。一瞬の隙を与えぬ様に少女は食いついてくる。


「純愛路線がお望みですかぁ!?私、どちらかと言うと、私はそっちの方が大好物です!」

少女は希望に満ち溢れる様な輝いた目で青年を見つめてくる。


「嘘嘘嘘!!違うから!なんでもない!さっきのはなんでもない!!」

青年は必死に抵抗する。


「正直、さっきのはかなり私の願望も入ってたし…」


「願望だったの!?アレ願望入ってたのかよ!?」

青年は驚きが更に大きくなった。


「えへへ…私の願望プレイは101パターン入っていますよ…?聞きますか?」


「やめて!そんな十代の女の子の生々しい性欲なんて聞きたくない!」


そんなやり取りが五分くらい続き──



「うぅ…お前の存在がどんどん遠くに…」


「遠くに行ってるのはお兄さんの方じゃないですかぁ…何で物理的に距離とってるんですかぁ…?」

少しずつ青年は少女との距離を離れる。


「き、気のせいじゃないか…?まぁ確かに精神的にはドン引きしてるけど…」

青年はもう少女の性癖暴露話など色々聞いて精神的にも疲労MAXだった。


「ひどいですよぉ…」




少女は決意を決めた表情で青年を見つめる。

「私の迫り方が悪かったんですねぇ……知らず知らずの内に、私だけを愛し、私だけを見つめてくれるようにすれば…」


「やめて!急に重い感じにしないで!疲労で死ぬ!」


「もちろんこのお腹の子は、ちゃんと母乳で育てますから…ね?」

少女は下腹部をさすりながら言ってくる。


「やめて!一気に想像妊娠まで行かないで!まだ手も出してすらないからな!?」


「で、でもプレイ的な見地(けんち)から言えば妊娠プレイも興奮ポイントに…?」


「やめて!嗜好を探るのやめて!それに大半の男は妊娠中の行為は怖がるもんだぞ!?」

興奮ポイントとは一体何なのか。青年はまずそこにツッコミを入れたくなった。


「だ、だって、妊娠くらいしないと、男の人って結婚してくれないじゃないですか…?」

首を傾げて少女は尋ねる。


「うーん…確かに一般論としてはよくある話だけどな…」


「となると、私はお兄さんの子供を妊娠するしかないじゃないですかぁ!想像妊娠でも!!」

気迫ある顔で少女は青年に言葉を発する。


「いや、その理屈はおかしい」

青年は何を言ってんだこの少女はと言わんばかりに顔の前で手を振る。


「も、もっとひどい目にあっても構いませんから…」


「お前の中で俺はどんな鬼畜キャラになってるんだよ…?」



それからまたしばらくして─



「じゃ、じゃあ面と向かって言ってください…」


「何を?」


「『俺はお前の事を愛してるし、他の女の子に手を出そうとした事なんて思った事もありません』って…」


「何その宣言!?」

ウィンウィンの関係とかそんな問題じゃなく、それはそっちにウィンしかないのでは!?青年はそう思った。


「言わなきゃ信用できません!お兄さんが野獣の眼光で他の女の子を眺めるのは我慢出来ないもの!!」


「野獣とか言うなし…てか眺めてもないし…」





「と、とにかく言ってもらえれば、安心出来るかもしれませんから…」


「……うーん……」

青年は腕を組んで唸る。


「や、やっぱり他の女の子が好きなんですかぁ…?」

そう言いながら、少女はキラリと光る鋭利な刃物を出してきた。


「刃物は止めろ、初期の希望に溢れたヤンデレキャラは止めろ、てかどっから出してきたんだよそれ」


「いいんです!お兄さんの身も心も奪えるのなら、テンプレのヤンデレキャラに堕ちたって!!他の女の子は魔女なんですよ!?」


「その感じやめろ!痛いくらいに古いからやめろ!」


「お兄さん、私の事、ちゃんと見てますかぁ?

嘘ついてもダメですよ。いま、よそ見してましたね。

私はお兄さんのこと、いつでもどこでも見てるんだから…… なんでも知ってるんですよ。

貴方は私のことだけを考えていればいいんです。

いつか、貴方が私しか見られないようにしますから……絶対」

少女は、光の無い目で、そう言い――


「わかった!言うから!言うからその重い感じやめて!」


そして理不尽?な青年の宣言が始まるのであった。


「えー…な、何だっけ…俺は…」


「『俺はお前の事を愛してるし、他の女の子に手を出そうなんて思ったこともありません』です」


「そ、そうだな。『俺はお前を』……」


「ど、どうかしました…?」

少女は顔を赤らめて、とてもドキドキしている。


「…あ、あの、な……」

青年は頭を雑に掻きながら言う。


「は、はい!?」

少女は身をピクっとして硬直する。


「えー…あのな、そのセリフはやっぱ言えないわ…その、無理…」


「え」

瞬間、少女の瞳からはヒカリがフェードアウトした。


「あの、だって、学生に手を出す訳にはいかないし…勿論、お前以外の女の子にもな、ゴメン」


「うわああああああやっぱりダメじゃないですかぁぁぁああ!!!」

少女は涙目になりながらブンブンと勢いの付いた音を立てながら刃物を振り回す。


「ちょちょちょ、ちょっと待て!!刃物を振り回すのは止めろぉぉぉおお!!」

止めようと思っても刃物と少女の動きが中々に激しく青年は止めようがなく物凄く焦った。


「むしろ正解じゃないですかぁあああ!! 最初の勢いのまま押し倒すのが、むしろ正解じゃないですかぁあああ!!!!」


「ごめんなさい!本当にごめんなさい!でも学生に手を出す訳にはいかないんだ!!」


…何とかして包丁を振ります少女をなだめたが、少女の興奮はまだ収まっている訳では無かった。



「い、いい加減にしないと、コッチの方から!!逆レしますよぉッ!?」


「め、めっちゃ本性出してきてるぅぅぅ!!??」


「も、もう我慢出来ません!」

そう言い少女は勢いよく近づいてくる。


「お、おい!?」


少女は自問自答の様なものを言い始めた。

「お兄さんの部屋は…?」

「二人だけの愛の巣」

ジリジリ…!


「胎内と書いて…?」

「産みたい」

ジリジリ…!


「母乳は…?」

「呑ませたい」

そしてガシッと青年の両肩を掴んだ。



「こ、こわいよぉぉぉ!最近の学生怖いよぉぉぉ!」

青年はとても震え恐ろしい物でも見るかのような目だった。


「う、うるさいですよぉ…!騒ぐと人が来る前に服破いて、お兄さんに乱暴されたって言いますよぉ…?」


「へ!?な、なにそれ脅迫!?」

青年はとても驚愕した。


「よくあるんですよぉ…!?」


「よくあるんだ!?」

青年はさらにショックを受けた。


「色々装着したまま学校の体育館のステージに上げさせられたりしたい…!」


「何急に!?」


「ご、ごめんなさい、もう我慢しなくていいと思ったら願望がつい出ちゃって…てへっ」

少女は自分の頭を軽く叩いてかわい子ぶったポーズをとる。


「怖い!そんな事を秘めながら学校生活送ってたとか怖い!」


「他の人と話している間に机の下とかでお互いに、色々な所を弄り合いたい…」


「やめて!バレたら一発で社会的に終わる!生きていけない!」


「こういう時、随伴の女友達は行為に気付いて、頬を赤らめて俯く!」


「細かな設定とかあるのがさらに怖い!!」


「うわあああ願望出ちゃいましゅぅぅぅ!!」


「おおと落ち着け!おい!!もうやめろ!」

少女の願望はまだ止まらずに出てくる。


「他の生徒にに見られない教室の死角でキスしたい…」


「保護者に近況を連絡する時の電話中に色々な所を弄られたい…」


「二人で手を取り合ってこれからも歩いて行きたい……!」


「最後のはいい事言ってるはずなのに、何か怖い!」



そしてこの騒ぎもいつしか終わるもので─


「そ、そういう事だから…これからもよろしくお願いしますねぇ…」


「な、何をヨロシクするんだ…」


「じゃ、じゃあ私はこれから学校ありますから、もう行きますねぇ…」


「これから学校行くとかメンタル凄いな!?ていうか何をヨロシクすればいいの!?」


「うふふふふ…」

こうして少女は去って行った。





「えぇー…あいつ、絶対明日からなんか仕掛けてくるだろ…」

青年は自分のベットに座り込んだ。


「俺はどれだけ我慢出来るんだろうか…」


「我慢出来なかったらどうしよ…あいつめちゃくちゃ可愛いし、ぶっちゃけタイプなんだよなぁ…」


「友人に相談…いや駄目だ、流石にこんな悩み言えないな…」


「午後から仕事入ってるし…行かなきゃ…」


「はぁ…」


こうして、一人の勘違い少女と、一人の青年の同人誌から始まったお話は、一旦終わりになりましたとさ。



【おしまい】

見てくださってありがとうございます!

単発として出したので、続編出すか悩んでおりますが、もしこのお話しが好評だったらシリーズものとして出してもいいかなと考えております!

もし良かったら他にもメインで執筆してる作品があるので、そちらも見てくれたら嬉しいです!(露骨な媚び売り)

それでは、また会う日まで!

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― 新着の感想 ―
[一言] 勘違い少女というかイケイケ発情女って感じですね。 この子、かわいいな!?おい!
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