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第 26 話 勇者登場⁉︎

 この国にやたらと都合のいい事を話し続けている宰相の言葉を聞きながら、この国には議会のような者はなく、雛壇の上にいる人々のみが参加する御前会議のようなもので全ての物事が決定し、このように国の貴族といえども集められその内容を周知させるような場を設けられる事はとても稀な事なのだとケイからの情報で知る。


 わざわざ下々に教える事などせず、知り得る立場にあるものだけが知り。下位の貴族や豪商などは偶々舞踏会などで噂話として知る事があるか無いかぐらいのもので、一般庶民などは言わずもがな……。そのためにも上位の貴族と縁をつなぐ事がこの国において利益を,情報を、得る為の必要最低条件だったりするのだろう。


 あまり内容を把握する事が出来ずにいるこの辺の奴らも、今宰相閣下が話している事や話されるであろう内容がこの国に取ってとても重要な事で、もしかしたらとても美味しい事が転がっている内容かも知れ無い事が話されている事は理解しているようだ。


 この大陸にとってとても不吉な魔族や厄介な亜人の事が話されている事で、昨日開かれた夜会での浮かれた気分を引きずっていた輩も、この召集が昨日からの引き続きの祭りの一環のものでは無いと流石に気がついた。昨日の夜会には参加していなかった皇太后が参列している時点で、いつもと違うなと感じていた者も中、下級貴族の中に居なかったわけでは無いみたいだが……。


 年長の王様達は余裕の表情で宰相の演説を聞いているが、年若い王女王女様達は長い宰相の話しに退屈してきたのか、頻りに一番前の扉の外を気にしだした。


 はっきりと外に誰がいるのかわかっている俺は、これから宰相が何をしたいがためにこんなにこんなに長い前フリをしているのかが想像できて可笑しくなった。


 予め詳しい内容は知ら無いまでも、この半年間城の中心たる一の曲輪に見知ら数名の客人が住まっている事を噂でも知っていた者はこれからの話の展開に驚くものの納得した表情を浮かべ、その噂すら知ら無かった者達は只々驚愕の表情を浮かべるのであろう。


 そんな事とは全く関係なく、苦々しい顔を隠しもしない数名の上級貴族達が集まっているのが見える。


 あれは今の国政の非主流派に当たる大貴族たちなのだろう。ケイの解説で知る今代の王の継承争いから続く一番から三番までの王子がいない理由にもなる、血の争いのゴタゴタの本を作り出した親玉とその一派。


 この国の腐り具合やこれからの俺の行動指針によっては深く関わり合う事もあるかも?の人々ではあるが、今の時点で沢山の知識があってもあまりいい具合には転がらない気がするから、ケイには情報はすぐ取り出せる状態にしておきながら意識の上層には浮かばないように言っておく。つまり、今のところは興味もない者たちなのでスルーしておくという事。


「……然るに、この暴挙とも言える数々の……」


 朗々と流れる宰相閣下の嘘八百な捏造弾劾告発?を、右から左に流しつつ、扉の外に先ほどからずっと待機している気配たちに笑いが溢れる。


 慎重にそして劇的に煽る宰相の話のタイミングに合わせて入室してくる算段に成っているのだろう。扉の外に控えているのが四人の勇者達(笑)と聖(性)騎士だけである事からも窺える。


 なんかわからないけどこれは大変な事が起こるぞ!と、誰も声を上げないまでも興奮の熱気が上がってきていると見て、わざとなのかどうなのか、広間の温度を一定に保つ空調の役割をする魔石の効き目が落ちてきているのも相まって、周りのキラキラしい衣装を着けた人々の額には汗が滲み出している。


 中央壇上の方々で汗をかいているのは、演説を振っている宰相閣下だけだが……。やはり前の方でも熱くなっているのか、壇上の淑女達はどこからか取り出したハリセンのように大きな扇子をハタハタとはためかせている。…皇太后陛下は御付きの侍女さんがあおいでいるが……。


「我が王国グラオザームは、現在神託の姫巫女たるリスティーナ王女を戴く言わずと知れた女神リュゼルリジオン様の御加護を受けた大国である」


 宰相はリスティーナ王女のくだりでは、視線を王女に向けて三文芝居も嘸やという具合に慇懃にお辞儀をし、王女も扇で口元を隠しながら軽くお辞儀を返したりしている。


「我が王国の歴史上最も力を持った神託の巫女であるリスティーナ王女に、この度女神様はお言葉だけではなく異世界から女神の力の代行者たる勇者の召喚を示唆し、実行し我らが手元に与えてくださったのだ」


 そこで宰相は一つ言葉を切った。


 話の内容の重要さがわかった前方にいる人々は、流石に黙ったままに居ることは出来ず自分と同じ陣営のもっとよく事情を知っているであろう大貴族にその視線を向け答えを求める。王族が臨席しているこの場で求められていない者が言葉を発するのは非礼なことではあるが、流石に非常事態であるのだ、言葉にならずとも列席者殆どの口元から発せられた小さな吐息の集まりが、広間の中を意味を持たない音を持ってがどんどんと広がり大きなうねりを作り出していく。


 理解できない事態に、不安と不満が最高潮に達した時、暫くその口を噤んでいた宰相が再び口を開いた。


「今ここに我らが女神の申し子たる勇者達をこの場で皆に紹介しよう」


 俺から見るとまるで背後でジャジャーンとファンファーレでも鳴らしたような大きな身振りを付けながら、宰相が広間一番前の扉を両腕で指し示すと、タイミングを計ったように大きな扉が廊下に向けて開け放たれた。


 広間の中の200以上の瞳がその一点に注がれる。


 近衛の正装を身につけたエドゥアルドの後に続いて、四つの影がついてくる。


『おぉ……』


 今度は未知の者を目撃する期待を含んだような吐息が合わさって大きな音として広間の中に広がっていく。


「おぉ……?」


 四人の姿を見たとき俺も思わず周りの人達とは違う意味で喉から同じような音を発してしまった。


 何故ならば、四人の先頭を切って入ってきたのは想像に違わず白一点の奴なのだが、以前俺も着せられたゼ◯ダ服ではなくて、グレードアップ?したドラゴン◯エストの勇者が着ているのとそっくりなものだったからね〜。


 その次に続いたのはその影に隠れてしまいそうな小さい体。それを包んでいる服装は体の残念な所も隠してしまうストンとした真っ白な神官服と言われるものか?彼女には似合っているな色々な意味で……。


 そして次は…態々作ったのか、どう見ても着物だな!下は袴か?動きやすいのか?…腰には刀指しているけど…いいのかここ武器持ち込んでも……。


 最後に入ってきたのは格好からすれば俺と同じ魔法使いのカテゴリー、フード付きの長いローブ。勿論俺の物とは大違いの刺繍や魔石がたくさん縫い込まれたすっごく豪奢なローブ。俺とは違ってフードを被りはせず、はっきり顔を晒しているが……。


 ゆっくりと入室してきた彼らは、こちらの方に顔を向けることもなく雛壇の中央、王の前まで行くと四段程ある雛壇を二段登ると横一列に並んだ。


 彼らを先導したエドゥアルドはその役目を終えると舞台の一番端から舞台上に登り姫巫女の後ろに控えるように立った。


 勇者達は王に軽く頭を下げるのみであえて臣下の例は取ることなく、王の頷いたのを確かめるとくるりとこちらに体の向きを変えた。


 王に臣下の例を取らなかったことに、広間の空気が少し揺れた。驚きと不満が合わさった様な揺らぎだ。


 広間内の空気が落ち着いたのを見てから、宰相が声を発した。


「彼らが女神様が我らの願いを聞き届け使わしてくれた勇者様達である」


 宰相の勇者という紹介に、目の前にいる四人がとても成人しているように見えない面持ちである事が合わさって、何度かのどよめきが広間を満たした。日本人はこちらでも若干幼く見えるようだ。とくにその中の一人は下手をしなくても幼女に見えるし……。


 もう静かにする事は諦めたのか間を置く事なく宰相は話し続ける。


「女神様の御心を安んじる為にも、ご神託に応える為にも、我々は直ぐに行動を起こす。今ここに集まっている者達はすべて、敬虔な女神様の信徒であり、我が国グラオザーム王国に忠誠を誓っている強者であると我は認識している」


 いつの間にか静まり返った広間の中を、一度確かめるように言葉を区切った宰相はゆっくりと、並び立って顔を向けている百に余る諸侯の一人一人を見るように視線を流すと、背後にいる王の顔を見て大きく一つ頷き言葉を続けた。


久々勇者達(笑)登場。かっこかわいい彼等の扱いは(笑)。これからもっと出てくるよ!

対比で主人公のチートは爆発するかも…。

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