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第 13 話 冒険者ギルド 4

 改めて秘書のお姉さん、『エッシェです。22歳独身、よろしくね』投げキッス付き……、が冒険者登録をしてくれた。


 ファルケ兄さん、『改めて、オレ、ファルケ、23歳、もうすぐSランク。兄貴って呼んでくれ』前歯キラりん。は、やはり事務能力皆無で、俺の登録がきちんと出来ていなかったのだ。


 もう一人のお姉さん、『リーリエです。この馬鹿とはイトコ同士で、腐れ縁でパーティーを組んでいたの。よろしくね』にっこり笑顔。の、その背後で『26歳、独身、彼氏なし』と言う兄貴(ファルケ)の声が聞こえた。姉貴(リーリエ)?は振り返りもせず、回し蹴りをかまして、また兄貴を床に沈めていた……。


 ギルマス、『何だ、自己紹介などしなくても、お前さんなら読めるだろう?使わんのか?』は、また背後で暴れようとしている二人に構う事なく本日何度目?の兇悪笑顔を浮かべている。


「俺、目の前の人に断りもなく鑑定は使わないようにしてるんです。敵認定したものにはそんな気は使いませんけど」


 俺が目の前の人に(ギルマス)にされた事に不快感を持っている事を暗に伝える。


 しかし、目の前の人は悪びれもせず、使えるものは使う、それが冒険者だぞ〜と言いながら、俺に鑑定を掛ける許可を与えた。


 表向きレベルが2だからね。上三つ位しか見られないと思っているんだろうなぁ。


 《名前 エーバー・トレラント 》

 《レベル 51 》

 《年齢 46 》

 《 HP 311 》

 《 MP 28 》

 《種族 人間 》

 《称号 トレラント男爵系当主 クラオザーム王都冒険者ギルド東支部長 》

《 SSランク》

 《加護 リュゼルリシオンの加護 》

 《魔法 土魔法適正 》

 《スキル エキストラ 鑑定Lv.5 鉄壁Lv.4 》

 《スキル 槍術Lv.6 盾術Lv.4 身体強化Lv.7 》


「………………」


 余りにも人間離れした数値に思わずもう一度種族の確認をしてしまったよ……。


「……人間?」


 外見も確かに人間離れしているが、HPも人間離れしてないか?今までそう沢山の人のステータスを見た訳でないからかもしれないが驚いた!SSランクはここまで強いのか?


 ファルケ(脳筋)の親玉はもっと脳筋って事か。納得しながら知らないスキルをもっと詳しく見てみた。


『鉄壁』土属性魔法の一つ、自身の身体にかける事により物理・魔法両攻撃共にを無効化する。持続時間はスキルレベル及びMP量に比例する。


 凄いな無敵じゃん!MP量が多くないから短時間しか使えないだろうが、このスキルもあってSSランクまで上り詰めたのだろう。

 なんといってもこの身体は反則だよな。

 勇者として召喚された奴らでも一番上でHP80程だったのに、こうなるとファルケ(兄貴)のHPも気になるな……。


 思考に囚われ固まったのは一瞬。怪しまれないうちに解析終了。愛想笑を浮かべて誤魔化した。


 それにしても、ギルマスみたいな怪物がこっちの人間に居るなら、わざわざ異世界から勇者なんて名目で人を攫って来る必要もないだろうに。


 SSランクが何人位居るものなのか聞きたかったが、それをしたら俺の鑑定Lv.2が嘘だとバレるかも知れない。だからさりげなく聞き出すことにする。


「冒険者の手続きをしていただいた後にこんな事聞くのも何ですが……、冒険者のランクって下は何で上はいくつまであるんですか?」


 ギルマスは何を今更、と言う顔で俺を見たが、俺は手続きをしようとしたその窓口で、二人の喧嘩に巻き込まれここに連れてこられたのだ、だから説明を聞く時間は一切無かった。


 丁度そのタイミングでエッシェさんが俺のギルドカードを作って持って来てくれた。


 ステータスカードと同じ大きさで、質感も同じ様な感じ……ミスリルか?いや下っ端はそんな事ないか、色は銀色だけど……。


 ギルドカードには名前とギルドランク……Gが刻まれていた。


「一番下がGランクなのですね?」


 そう尋ねると、カードを持って来てくれたエッシェさんが一度兄貴を睨みつけた後ギルド全般について説明してくれた。


 冒険者のランクは何故かテンプレよろしくアルファベット順。下はGから繰り上がりF〜AとなりS.SS.SSSの全部で十段階。

 この東支部にはAランクが 約50名、Sランクは4名。グラオザーム国内でSランクは10名ほど、内2名は名誉Sで実力はAにも満たないここ以外の支部長。

 SSランクは国内で2名。目の前にふんぞり返っているギルマスと王城にいる近衛騎士隊隊長。この世界でもSSランクは10名に満たず、SSSランクは伝説の勇者、女神と同じ名を持つ『龍殺しリュゼオン』のみ。


 色々とツッコミ処満載な感じで疑問や質問が山ほど有ったが、取り敢えずこれからの自分に関係がありそうな事を聞いてみた。


「カードの素材はGランクでもミスリルなのですか?」


 それに対しの答えはイエス。

 なんでもステータスカードを読み込みギルドカードを作る魔道具がミスリル以外の金属を受け付けないらしい。

 だから、普通ならば手にする事もできない様なミスリルを一番下っ端のGランクの冒険者が所持する事ができるのだ。その反面再発行の折にはGランクに取っては法外な金額の手数料がかかる。

 ただ、ギルドカードもステータスカードもそれ以外の目的、ミスリルを溶かして何か他のものに作り替えたり、本人以外の人物が使用したりする事が出来ないので盗まれたりする事はないし、紛失しても見つけて届けた者には少額だが礼金があったりするので、再発行になる事はあまりない、との事。


 その次に、この支部の魔法石は上から五項目以上読み取る事ができない、さっきもそうだったし、本部か神殿でないとスキルを読み取る事が不可能なはず。


(だから態々ここに来たんだし……)


 とすると、スキルは自己申告なのか?ギルマスが鑑定使えるのはわかったけど、一々ギルマスがそれをするとは思えない……。


「スキルの確認はどうするのですか?」


 それについては、やはり鑑定持ちが精査するという。


 しかし、スキルまで鑑定するには少なくともギルマスみたいに鑑定のレベル上限の5は持っていないと難しいはず。それとも俺みたいに鑑定の上位スキルである解析の様なエキストラスキル持ちが居るのか?


 俺があまり納得をしていない事が読み取れたのか、今まで黙って見ていたギルマスが言葉をはさんで来た。


「普通の鑑定の様に何でも読み取れる訳ではないが、ある事柄に特化して読み取れる鑑定持ちも居るのだ」


 それがスキルであったり鉱物の含有比率であったり魔獣の名前であったり植物の種類であったり様々で、仕事として活かせるものもそうでないものも沢山あると言う。各ギルドにはスキル鑑定特化の人が最低2名は居て新人の場合はもちろんのこと、レベルアップの時やその他折を見てスキルの確認はするのだそうだ。スキル鑑定の人以外でも面白い者はギルマス裁量で雇っているので、東支部には色々なものに特化した鑑定持ちが居るらしい。


 その他の細々としたギルドのキマリは渡された冊子を読む事として、ファルケ(兄貴)の弟子発言について聞いてみた。


 Sランクになる為に後進の育成をすると言うのは本当で、ギルドの規則にも書かれているらしいのだが、そもそもSランクになろうとするような人物は既に後進を育てているのが当たり前で、育てていない事を理由にランクアップ出来ない者は今まで居なかった。

 それはひとえにファルケが真性の脳筋でここまで来た証拠でもあるし、人を育てるほど本人が歳を重ねていない、つまり若いという事に他ならない。まぁ頭の出来は置いておいて十二分に優秀なのだ。ついでに言うと、顔の造りも庶民離れしていて、黙っていれば王子様に見えない事もないくらい整っている、それに基本女子供にはとても優しいのでよくモテる。ただ付き合っているとあまりにも真っ直ぐなその性格と、真っ直ぐな思考に着いていけなくなるようで短時間で振られる。誰にでも優しいという事は、特別な立場に居ると思っている者にとって、特別に扱ってもらえないと言う事で、若い女性にとって我慢できない事なのだろう。

「優しくするのが同じくらいの女性だけでなく、年上年下関係なく、性別まで関係ないとしたら、自分に自信がある様なお嬢さんには特に我慢できないものなのよ。だから、彼を知っている者ほど、彼は少し離れた所から見る観賞用の良い人止まりなの」


 弟子の話から随分と逸れてしまったが……。そう教えてくれたのはエッシェさんで、その口振りにエッシェさんは昔そんな経験を兄貴でした事があるのかなぁ…とか思った。


 弟子に成ったらそっち方面でも忙しそうじゃん。なおさらめんどくさそうで嫌!

 近くに居るだけで嫉妬されたり、誤解されるのもね〜……有りそうで嫌‼︎


「俺と兄貴とでは戦い方も違う様ですし、何しろランクが違い過ぎて着いていく事も出来そうにありませんから、弟子とかそれは……」


 前世?いや世界は違っても現世……NOと言えない日本人の俺……。


「いやぁ、オレ気にしないし。とどめをワタルの得意な形ですれば良いだけだし。ランクは低いからこそのランクアップ!」


 爽やか笑顔で流石脳筋、こっちの心情を全く察する事はせず……。


 兄貴以外は俺が遠慮…いやがっている事に気が付いている、それ以上にこれから関係を繋ぎたくない事にも気が付いている?


 だって、目立ちたくないんだよね。究極、魔の森に入る事ができればギルドランクも関係ないし。第一俺冒険者専業できないし。


 何故か一人上機嫌な兄貴(ファルケ)は放置されたままに、エッシェさんの説明は続く。


 低いG.Fランクの者はまだ魔の森にには入れない。そのランクの者が請け負う依頼は王都内の雑用か、討伐採取系の物としても南の平原での物で、護衛任務を受けられるのもEランク以上、Dランクまでは単独で魔の森に入る事はできず、Eランクは4人以上、Dランクは2人以上のパーティーでないと入る事は禁しされている。Cランクからは一応単独で魔の森に入る事は禁しされてはいないが、少し深い所に入るだけで、Bランクの魔物(同ランク2名以上単独討伐ワンランク上が必要)に出会う事もあるので、Aランクの者でも一人きりで入森する事はしない。Sランクはまぁ余程奥まで行かない限り、SSランクはその存在自体バケモノなので心配いらないらしいが……。


 つまり俺が目標の魔の森に入るためには、真面目にやるならば少なくともEランクまで上がり、四人以上のパーティーを作るか、Aランクかそれ以上の人に連れて行ってもらうしかないという事だ。


 一度入ってみて転移や剥奪等のスキルがきちんと使える事が確認できたら、後は転移で一人入り放題!も考えていた、いやそうするつもりだった。

 でも、この東支部のギルマスに出会って興味を持てれてしまった以上この方法を使うのは難しいかもしれない。

 何かの拍子に気付かれそう「ガッハッハ!野生の勘じゃ」の言葉と共に……。



中々ギルドから出られません。早く冒険したい!


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